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東海村つどえるサロン3期 第3回「デザイナーから学ぶ」(2月25日開催) ーゲスト講師:田中昭信さん(グラフィックデザイナー)ー

みなさんこんにちは。T-projectです。2月25日に開催された つどえるサロン第3期 3回目は「デザイナーから学ぶ」

自治体職員の「デザインリテラシーを上げる」をテーマにフリーランスデザイナー・田中昭信さんに、すぐに実践可能なデザインのコツを教えていただきました。

ゲスト講師:田中昭信さん(フリーランスデザイナー)

田中さんは、カタログやポスター、ビジュアルデザインから、WEBデザインまで手掛けてきたグラフィックデザイナー。最近では、県内企業のロゴ作成や、自治体広報物のデザインにも携わっています。


参加した役場職員から「業務でチラシやポスター、お知らせを作っているが、仕上がりに自信がない」「広報物を作ったものの、内容が伝わらない」「デザインは好きだが、どうすれば綺麗にまとめることができるのかわからない」など、口々にデザインに関する悩みが上がるなかスタートしたサロン。

田中さんが最初に教えてくれたのは「デザインがうまくいかない共通ポイント」でした。実際のデザイン例を比べながら、「なぜデザインが見づらくなるのか」「情報が正しく伝わらないのか」を探っていきます。

【デザインがうまくいかない時の7つの共通ポイント】
・余白がない
・情報量が多い
・過剰装飾
・色がダサい
・カラーバランス
・文字の配置
・図の使い方

「良くない例」に共通するのは、文字の可読性の悪さや、図や写真の視認性の悪さ、必要な情報まで辿り着かないデザインになっていること。転じて、そこから良いデザインのために必要な要素が見えてきます。

続けて田中さんは、良いデザインにするために実行すべきポイントを話してくれました。

ポイント 余白
つい紙面いっぱいに文字やイラストなどの情報を詰め込んでしまいがちですが、余白がないデザインは、目線が定まらず、みる人が必要な情報に辿り着かないのだとか。文字も同様に、適切な余白で可読性がぐんと変わるのだそう。

田中さん:
「余白があるとそのスペースを埋めなければならないと考えてしまう人もいるようなのですが、余白を恐れず意図的に残すことも大切なデザインです。
あえて大きめの余白を入れることで、紙面にメリハリが生まれて、手に取った人に、読むべき(見るべき)順番を誘導でき、情報が欲しい人に必要な情報を届けることができるからです」

ポイント 書体
Windowsに標準インストールされているフォントや、フリーで使用できプロデザイナーの使用例も多いGoogleフォントから、チラシやポスター作成におすすめのフォントも紹介も。Windowsで使えるフリーのフォントなら、メイリオやUゴシック、文字の太さのバリエーションが豊富なNoto sunsシリーズ(Googleフォント)がおすすめだそう。

田中さん:
「装飾があるものや可愛らしいテイストなど、癖があるフォントはタイトルロゴ等には良いのですが、本文に使用すると読みにくいことが多いため、長い文章に使用するのはオーソドックスな書体がおすすめです。
本文は、明朝体がベター。もし、ゴシック体で組むなら細字を選択してください。ただし、パワーポイントの発表資料などは、ゴシック体で組む方が読みやすくなります」

また、文字を組む際に「助詞や単位のみを小さく表示してみる」など紙面にメリハリを生む、すぐに実践できる文字組みのテクニックの小技も。デザインは一気に仕上げず、入稿や発表前に一晩寝かせて冷静に確認してみるのも完成度を上げるにあたっては経たい過程とのこと。

田中さん
「デザインの勉強は、似た内容やイメージのデザイン物をWEBや本で探して参考にするのがおすすめの勉強法。いきなり自分でデザインを考えず、既存のものからレイアウトやイラストのテイストを真似してみるところから始めてみてください。また、イメージに近い雑誌を見て、紙面の組み方やタイトルロゴのフォント、デザインを参考にするのも良いですよ」



デザイン相談

今回も役場職員たちから、業務で制作する広報物の仕上がりについて、アドバイスを求める声が上がりました。お悩みと田中さんからのアドバイスをいくつか抜粋してお届けします。

お悩み1:
業務上、利用者向けにお便りを作成することが多いが、大事な部分が読んでもらえないことも。必要な情報を読んでもらえるようにするポイントはある?

アドバイス:
人の写真は目をひきやすく、印象に残りやすいと言われているので、イラストや建物の写真ではなく、活動の様子など人が写っている写真を効果的に配置すると目に留まりやすい。

お悩み2:
高齢者向けのチラシを作成することが多い。文字を大きく掲載するのが慣例のため、十分なデザイン上の余白が取れないことも。文字サイズを優先すべき?

アドバイス:
文字を誰でも読める最大サイズに設定してしまうと、紙面に文章を収めることは実質不可能。かといって、現実的なサイズ感で大きくした程度では、視認性が期待するほど高まらないこともある。より伝えたい内容を精査し、優先順位が上位の情報のみを誰でも読めるサイズの大きな文字で表示し、それ以外の情報は、通常サイズで補足的に表示するのが良い。



T-project 東海村つながるプロジェクト

T-project 東海村つながるプロジェクトhttps://www.facebook.com/tokaimuraproject

予告】つながるトークvol.4は、2022年 3月11日に開催予定!
参加者&プレゼンテーターを募集します。
(詳細はまもなく上記FBページでご案内予定です)

主催:東海村役場

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