T-POPS的80年代アイドルソングベスト100男性編リマスター(5)

 世の中では台風が接近中ということでざわざわし始めているところでございますが、この企画は当然のことながら通常営業です。そんな大した企画でもないのですが。さて、ここまで来ると大体わかってくる頃だとは思いますが、好みに非常に偏りがあります。なので、自分がもう我慢できないのでこの人達が入って来るのではないかという期待をお持ちの方向けに、少しネタばらし的に、ランキングに入ってないよ、というアイドル達を少し挙げてみます。まずチェッカーズ。良曲が多くあるのは理解していますが、個人的に彼らのオールディーズスタイルな芹澤廣明楽曲はT-POPS的にカウンターであると思っていますので、ランクはされていません。次に光GENJI。80年代後半に非常に人気を博したジャニーズグループですが、80年代後半となってくると男性アイドル特有のカッコ良さがまた別ベクトルに向かっていくのと、飛鳥涼の楽曲のバタ臭さが好みでない関係で(モーニング・ムーンは別腹w)、ランク外です。同じ理由で男闘呼組。アイドルバンドとしてカッコよかったのですが、80年代後半のMark Davis(馬飼野康二)楽曲は全盛期を過ぎて正直地味だったと思っているのでランク外。そして井浦秀知は、好みのトライアングルプロダクション楽曲にしてはやや大人しめで野心が抑えめの楽曲ばかり(だからこそ売上も厳しかった)と思っていますので、今回はランク外でした。以上のファンの皆様方、今回はゴメンなさい!
 そのようなわけで、本日は第60位〜第51位まで。いよいよ折り返し地点です。お楽しみ下さい。



60位:「ホレたぜ! 乾杯」 近藤真彦 (1982)

 作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:後藤次利

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 近藤真彦の楽曲はとにかくコーラス隊が抜群。この楽曲でもイントロから印象的なフレーズを連発しています。サビでも活躍するよく動くストリングスに耳を奪われがちですが、アレンジはあの後藤次利なのでやはりベースに粒が立っています。決め台詞「ホレたぜ乾杯〜♪」後のブゥ〜ンブゥ〜ンブゥ〜ンのベースがなんとも可愛らしいです。


59位:「黒の似合うひと」 中井貴一 (1987)

 作詞:松本隆 作曲:中崎英也 編曲:鷺巣詩郎

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 中井貴一は当時はまだ20代であったと思いますが、既に歌にアダルティな貫禄があります。2ndアルバムの先行シングルであったこの曲も、非常にムーディーなAORバラード。鷺巣謹製のねちっこいポルタメントシンセにフリューゲルホーンが悲しく咽び泣き、それでもドラムはエレトリックというインパクト。いかにも80年代らしいサウンド志向のバラードソングです。


58位:「悲しみ2(TOO)ヤング 」 田原俊彦 (1981)

 作詞・作曲:網倉一也 編曲:船山基紀

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 皆知ってたトシちゃん絶頂期の6枚目。それまでのシングルと比べて網倉一也の哀愁メロディを全面的にアピールしたドラマティックな曲調が最大の魅力です。聴けば聴くほど沁みてくるサビの転調が本当に美しい。後半の盛り上がり前のキザな台詞も嫌味にならないほどの楽曲の訴求力です。ぶん投げるようなトシちゃん唱法も市民権を得ました。


57位:「処女的衝撃!(ヴァージンショック)」 シブがき隊 (1983)

 作詞:三浦徳子 作曲:井上大輔 編曲:水谷公生

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 ジャニーズ80年代前半を席巻したトリオアイドルの4thシングル。前3枚と比べて格段に激しくなった曲調と、炸裂音を多用するリズム、ショーーークッ!の尋常でない音の広がり方にその後の名曲の数々の片鱗を感じます。せわしないストリングスや自由に跳ね回るベースラインも印象的で、格段にクオリティが向上したことは明らかです。


56位:「カンフーチェン」 高木淳也 (1983)

 作詞:康珍化 作曲・編曲:芹澤廣明

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 自身が主役に抜擢された伝説のカンフードラマ「激闘!カンフーチェン」主題歌。自身の出世作で遂に歌手デビューを果たした初代JAC御三家の1人ですが、喉をぶっ壊すかと思わせる独特のハスキーボイスと美しい展開を見せるBメロにおける恐るべしフラットな音の伸ばし方がクセになります。どちらかといえば歌に不思議な力が欲しいですw(権利関係が複雑過ぎてどこにも音源はUPされていませんので、下記オムニバスを購入して下さい。)


55位:「ヤバシびっちな女(め) デイト・ナイト」 とんねるず (1982)

 作詞:渋谷蒼吉 作曲:馬飼野康二 編曲:大村憲司

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 お笑い新世代もアイドル扱いか・・。企画シングル扱いのこの楽曲ではジョン・マッケンローの声も麗しいですが、特に間奏のセリフ部分における82年型大村憲司ギターも炸裂するYMO系アレンジが実にカッコいい。特にAメロ前の狂ったようなリズム連打の焦燥感は尋常ではありません。


54位:「ブルージーンズメモリー」 近藤真彦 (1981)

 作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:馬飼野康二

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 熱狂的な人気を誇ったマッチの3rdシングル(3枚目多いなw)。渾身のセリフ「バカヤロー!」が「ヴァガーラーッ!」に聞こえるところに当時の勢いを感じます。ハードボイルドな馬飼野アレンジにも勢いがありますが、それ以上にサビの哀愁筒美メロが美しいですね(あと、やはりこの曲もコーラスが実に良い)。


53位:「不自然な君が好き」 C-C-B (1986)

 作詞:松本隆 作曲:関口誠人 編曲:大谷和夫・C-C-B

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 一旦筒美京平を作曲から外して、低音担当メンバーの関口誠人がまさかの作曲を担当した8thシングル。トリッキーなスタートからのテケテケテケテケなシンセリフは見事です。スネアもパワフルな音作り、関口の哀愁歌謡メロディもなかなかハマっていて、大谷和夫がサポートするサウンド面ではワンランク上がった印象です。ここまで来たらもはやアイドルではないのですがw


52位:「挑発∞」 シブがき隊 (1983)

 作詞:売野雅勇 作曲:井上大輔 編曲:馬飼野康二

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 83年のシブがき隊の4枚のシングルはどれも狂ったような勢いが素晴らしい。そんな次々と過剰な勢いの楽曲を畳み掛けていた時期の7thシングル。タイトなドラミングとせわしないストリングス、場面転換の激しい構成が楽しめます。特に不穏な空気からの恥ずかしいセリフ→力強いフィルインの流れは抜群です。



51位:「とび色の瞳」 羽賀健二 (1984)

 作詞:山川啓介 作曲:大野雄二 編曲:松下誠

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 いいとも青年隊のメガネ君であった羽賀健二の84年は徹底的に良曲シティポップを集めたアルバム「硬派美学」でアダルトに攻めていましたが、シングルカットされたこの楽曲の恐ろしく玄人感の溢れたサウンドに、よく伸びる歌唱はまるで布施明のよう。ルパン三世の音楽で有名な大野雄二が作曲、プログレフュージョンバンドAB'sの中心人物、松下誠のアレンジも渋さ全開です。











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