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「松岡英明」リマスター記念1st〜3rdアルバム全曲クロスレビュー(2):1stアルバム「Visions of Boys」後編

 昨日は冒頭で脱線しまくったというわけでもないのですが、前半の布袋寅泰サイドまでしかいかなかった松岡英明1stアルバム「Visions of Boys」の全曲クロスレビュー。実は私の本家ブログ(http://reryo.blog98.fc2.com)の前身にあたるブログをlivedoorで書いていた際に初めて取り上げたのが、松岡英明の1stシングル「Visions of Boys」だったほど(その前身ブログは楽曲単位のレビューでした)個人的に大好きなアルバムなので、当然内容も読み応えのあるものになっていると思います。
 本日は後半戦ということで、7曲目からボーナストラックまで、対談形式の各曲レビューです。お楽しみくださいませ。


〜インタールードその2〜

@tpopsreryo:
それでは松岡英明初期3部作全曲レビュー1枚目「Visions of Boys」後編を始めたいと思います。今日もjunnoviさん、よろしくお願いします。今日は7曲目からですね。

@junnovi:
このアルバムは後半が本丸やからね、どうなることやら。ボートラは例のごとく軽く流してしまうかも。

@tpopsreryo:
そうですね。多分ボートラは今回の本意ではないので、まずは本丸を攻めていきましょうか。よろしくです。
昨日、吉川晃司〜松岡英明という流れのお話をしましたが、ニューウェーブを意識してたといえば本田恭章が吉川よりも早かったとも言えますが、彼の場合はサウンドが弱かったのと本人がもう少しロック志向だったので、まあ少し違うかなと。吉川は運動神経がスゴかったし、やはり新しいタイプでしたね。

@junnovi:
シンバル蹴って3回骨折ってヤツ?w ま~それにしても、震災支援のためのCOMPLEXの時の吉川、めちゃくちゃカッコイイおっさんやんなぁ。あんなん、おらんで。♪モーダーン、ビジュオーーーー!!


そうそう、本田恭章。いたね~。その後もいたね~。出口(雅之)に似てない? GRASS VALLEYにも本田(恭之)おるし、出口おるしで、何が何だかごっちゃになってた時期が実はありましたw ごめんねセンセw

@tpopsreryo:
そうなのよ。実はGRASS VALLEY出始めのとき本田恭章がキーボード?って勘違いしたよw 吉川はアイドル時代から動きが半端なかったからね。やはり水球やってて逆三角形だったから体型がすごくてw ってそんな話ばっかしてたらまた脱線してしまうw

@junnovi:
一時期、KDDのCMで、股の間に電話を置いて、「tell me」なんてこと口走ってたけど、あのころが一番スランプだったかもなぁ。アメリカに行ったりして、悪い薬を覚えて帰ってきたのかって勘ぐったほどでしたな。グッ、サベージ!!グッ、サベージ!!

@tpopsreryo:
その頃になると全然吉川は意識してなかったのよねw やっぱり自分にとっての吉川はアイドル時代に自立しようと背伸びして後藤次利とかと組んでやんちゃしてた時までで。で、自立したらもう関心がなくなったていうw
そして吉川の後は湯江健幸とか長島ナオトとかフォロワーっぽいのが登場してきましたけど、松岡はまた違ったタイプで。他はみんなそういう雰囲気を飾り付けられてたけど、松岡は自分から好んで着飾ってきたタイプなのでこういうのが好きなんだーっていう潔さが感じられたのです。

@junnovi:
出たっ!湯江健幸。漢字、こんなんだったっけ?w 大映ドラマかで、真木蔵人とかにエラソーなセリフ吐いていたのを覚えてます。「何不自由なく育てられて、何が不満なんだよ(アーン)?」ってやつw

@tpopsreryo:
湯江健幸はスタンドマイクでロカビリーぽかったのが印象に残ってるわ。今聴くと吉川と全然違うw 長島ナオトは声が高くてね。でもデビューシングルは完璧なオケヒット歌謡ですよw あとなぜか木村一八や哀川翔も同じような路線を目指していたような気がするw そんな時代でした。

@junnovi:
センセ、その長島ナオトって知らんわ~。竹中直人なら知ってるけどw 木村一八って何してるんだろうね。

@tpopsreryo:
仕方ないなw 長島ナオト↓

木村一八↓

なんか木村一八は人生相談とか環境問題とか社会貢献活動とかしてるらしいよw

@junnovi:
知らんわ~長島ナオト。GIオレンジとかチャーリー・セクストンみたいな髪型やんかw

@tpopsreryo:
そりゃ意識してたでしょうなw オケヒットがスゴいでしょw

@junnovi:
歌、へったくそやな~(爆)!それと、妙に身軽やなw

@tpopsreryo:
そう、歌下手なのよ。だからシングル2枚、ミニアルバム1枚で消えてしまったよ。全部持ってるわなぜかw しかも未CD化。実は密かにCD化期待してますw あのオケヒットだけでも名曲なんでw

@junnovi:
今頃何してるんだろ、湯江健幸? 竹本孝之なら、こないだからやたらと懐メロ系の番組に登場して、衰えない容姿でスカした歌を歌ってるのをテレビでみたけど。べつにどうでもいいけどね。もう本編いこか、センセ。

@tpopsreryo:
てれてZinZin!ははは。湯江のスタンドマイク逆さ持ちって当時面白かったなあ。まあ結局吉川を凌ぐ運動神経を見せたのは風見慎吾だけだったということでw では本編いきますわ。7曲目から。

@junnovi:
風見慎吾は本当に痛ましい不幸が思い出されるね。♪な・み・だ・のテーカチャン!テーカチャン!
あと、しょこたんのお父さんの中川勝彦とかも入るんかなぁ?

@tpopsreryo:
風見慎吾のブレイクダンスはスゴかったよ。そしてアルバム「Woopee!」も結構スゴかった。今度聴かせてあげるよw 中川勝彦も初期はやらされてたニューロマでしたね。これが白井良明プロデュースでね。特に1stはアレンジが変態でしたw これもまた聴いてもらうわw


7.「Virtue & Vice」

 作詞・作曲:松岡英明 編曲:ホッピー神山

@tpopsreryo:
では後半いきます。7曲目「Virtue & Vice」。これが素晴らしくてね。ギターとシンセのうなり合いっていう楽しさがねw 爆音ドラムのビートも強烈だし、割り込んでくるシンセベースのシーケンスとかかなりカオスですよこれは。名曲です。
イントロからドラムソロ、その裏で唸るギターとシンセの掛け合い、ホッピーvs布袋の仁義なき戦いって感じがもう今でもクセになるというか。シンセフレーズもフィードバックを効かせてギターを意識した音色で。またブレイクではガキーンッ!って音がロボットアニメのSEみたいでもう聴いてて楽しい!

@junnovi:
一切の妥協なく、どこまでもマシナリーでインダストリアルで、メタリックなところが本当に稀有で潔くって好きな曲やね。何度聴いても胸がすく思いがするもん!
この曲はこのアルバムの3つのハイライトのうちの1つで、とても重要な曲ですね。OPからホッピーのねちっこいシンセフレーズとドリブンなギターサウンドで最初から一気に持って行かれます。センセのおうむ返しになるけど、激しく攻撃的なドラムもたまらん。
サビに入って「ヴ」が否応なしに連呼する訳だけど、それがまたとりわけキチャナイよねw ダーティーやわ。そこがまたいいんやけどw 下世話さは最初のシンセフレーズから狙っていただろうし。あと、2番からの音楽的素材の大量投入の潔さも素晴らしいね。傑作です!

@tpopsreryo:
「ヴァ!」の破裂音ねw あれは歌唱指導あったんちゃう?そこ強調しろってw ただサウンド的にも歌唱的にもそういうダーティーな部分も押し出そうという意志は感じられるよね。若くてやせっぽちな少年ぽいヴィジュアルだけどこういう路線もこなしますよって。それが成功してる。

@junnovi:
そう。この1stや2ndは、悪いけど、ギリギリのバランスというか奇跡的なテイクで、大人っぽい、堂々と安定してやりこなした姿が見える。その後、バランスを失ったり、奇跡の数が減って行ったりして、哀しい気持ちになるわけなんだけど。

@tpopsreryo:
少年っぽさを逆手に取った背伸びした感覚、自身の音楽体験に相当の自信を持っていたことが窺えるんですよね。サウンド的にもヴィジュアル的にも先に行こうっていう進取性に富んだ意識。こういう冒険心っていうのが松岡もそうだけど、80's全体の空気でもあった気がしますね。

@junnovi:
そして大きな山はやっぱり間奏やろね。ガラスを割ったようなギターストロークが入って、またしても攻撃的なプレイが登場し、そこに前半から聞こえてたチョッパーが「ベコーン!」ってどぎつくクローズアップされて聞こえて来るし、どうなっていくんやろうとw
そしたら淫靡なシンセフレーズがまたしても登場して、そこを割り込んでくるようにシンセフレーズが、バッハのフーガの伴奏部の様なジュクジュクした匍匐前進をしてどんどん迫ってくる!怖い!スゴイ!かっちょええ!! なんしか、ホント重量感のある楽曲だよね。

@tpopsreryo:
そうそう。この間奏部分はリマスターで聴きたかったところでね、得体の知れない怪物(顔がたくさん埋め込まれていて足が10本くらいあるみたいなヤツw)がシャーって言って高速でこっちに向かってるようなw 怖いけどギター&シンセのプレイも含めて妙な臨場感だよね!

@junnovi:
こ、こわっ!!怖いわいっ!! ビグザム?キングギドラ?阿修羅? このシンセベースの細やかなジトジトと攻め立てるのはセンセの言う通り、EDでもう一回出て来るんだけど、そこもまた、すごくて。本当にこの曲には知恵と時間を費やしたなって感動するんよ。

@tpopsreryo:
個人的には仮面ライダーアマゾンの十面鬼を思い浮かべてたわ。あれは足がないから10本足つけてねw 後半単調になりがちな部分をあのモンスターシーケンス(新キャラw)の登場で、一気に曲が活性化したんですよ。これはアレンジの勝利ですね。何度聴いても飽きないしね。

@junnovi:
終わりあたりはいい加減にして欲しいとツッコミたいほどの繰り返しがあるけれど、松岡自身の声でBメロを重ねて、最後にはサビを負かしてBメロが勝利するねんな。この逆転させるという発想がホンマすごいわ! この曲を松岡英明ではない人が歌ったらどうなるだろね?

@tpopsreryo:
しっかりディスってるのが笑えるわw でも最後にまた怪物が襲ってくるので気が抜けないw 当時は本当に好きな曲だったわ。新人捨てたもんじゃないって驚いたもんね。この曲を松岡以外だったら? うーん、やっぱり吉川かなw 全盛期の風見慎吾かなw しゃれたギャグ思いつかない。

@junnovi:
だって、繰り返しが多いのってそれだけで嫌いやねんもん。私は実は福岡ユタカ(PINK)を想像してたよ。結構面白いことになるんじゃないかって思ったよ。吉川晃司か。それも悪くないかもね。♪ドーン、ストッ、マイラーー!恋をとめないで~。ってCOMPLEXばっかやんw

@tpopsreryo:
ああ、なるほど福岡ユタカか〜。変なフェイク入れ出して台無しにするところまで想像できるなw まあ確かにホッピー&布袋に恐らくドラム矢壁ベース岡野だろうからまんまPINKだからねえ。それぞれのパフォーマンスが光ってましたな。

@junnovi:
PINKのまんまか。そうなっちゃうね。PINK本家だったら、ここまで潔く、かつスタイリッシュに仕上げることは出来なかっただろうね。松岡英明だからこそできた若い身のこなし。だから活き活きと栄えたんかも。
本当によく練られた楽曲で素晴らしいと言わざるを得ないです。松岡英明もここではどこまでも果敢に挑戦しており、応援したい気持ち(30年も前のパフォーマンスやんか!)と感謝の気持ちを抱かずにおれません。以上ですセンセ。次行きましょ。

@tpopsreryo:
あれから30年近く経つんか!それが一番の恐怖やなw 少し時間かけ過ぎたけど次いきます!


8.「歳月きみを待つ」

 作詞:松尾由起夫 作曲:村松邦男 編曲:ホッピー神山

@tpopsreryo:
8曲目「歳月きみを待つ」。人体星月夜ばりのシンセコーラスと高速シーケンスでファンタジックに幕を開ける曲ですが、作曲は元シュガーベイブの村松邦男なのでなんか素直なメロディで。それも若さを表現する上では生きてきているような。布袋の乾いたギターソロもいい味出してます。

@junnovi:
あれだけ嵐のように攻撃的な楽曲の後、どういう展開があるんだろうって期待してたら、ビジュビジュいうOP。益々胸が広がっていくのに、次に来るのが、ピロピロピロピロ~。嘘やろ!? TOYBOXひっくり返した様なチープなフレーズと音色。耐え難い。
曲のメロディは嫌いじゃないし、むしろ良い曲だと思うのに(メロディアスで軽い哀愁すら漂ってる。)、あのコズミックなOPの音は一体何なんだと。何の為に入れたんだと。全く異質だし、違和感がいつまでも拭えない。説明を聞きたいほどw もういいけどw

@tpopsreryo:
なんか既聴感があるんだよね。オーソドックスな展開というか。チープなフレーズに続くAメロとかまさにそうでしょ? 個人的にはあのメロディはちょっと気恥ずかしくてねw あとあのコズミックなOPは歳月を待つんだから、時間旅行的なイメージもあったんじゃないかと。知らんけどw

@junnovi:
たしかにどっかで聴いたような。「♪初めのチャンスを~」っていう所は、本当にどこまでもチープで、間違いなくそれを意図してるんだろうけど。これこそたとえば、山下達郎とかが歌ってみたら、また全然違う印象になるんだろうね。

@tpopsreryo:
山下達郎は想像できないなあw 確かにCメロぐらいになるともうなんかワザとじゃないかって思うほど素直過ぎるんだよねえ。というわけで次いきますよ。

@junnovi:
はい。次お願いします。


9.「夜空は星の宝箱」

 作詞:松岡英明 作曲:根岸孝旨 編曲:ホッピー神山

@tpopsreryo:
9曲目「夜空は星の宝箱」。本作唯一のバラード。個人的にバラード嫌いなのですが、当時のホッピー特有のシンセコーラスによる荘厳なイントロと超ロングリバーブのスネア一発は気に入っています。ちなみにこの曲だけギターが下山淳で、後のRAELの原型かもしれません。

@junnovi:
この曲のドラムの音は、本来のドラムの音の輪郭すら分かりかねるような加工っぷりでそこばかりに目が入ってしまします。曲そのものはさしたる説明は不要かと存じます。

@tpopsreryo:
そっけないw 確かにドラムの加工はこの時代の常とはいえ、大胆ですよね。ただこうしたある意味凡庸なバラードでもエレクトリックに飾ってあげていると世界観の広がりが違ってくると思うのですよ。その点では最低限の仕事はしていると思います。というわけでさらっと次にいきますw

@junnovi:
ゴメンゴメンw ものすごい睡魔が一瞬襲って、それに負けてましたw 結構力のあるメロディラインだとは思うんだけど、やっぱり如何せん、どこか足りないものがあって、何かフトした時に口を突いて出て来ることはないなぁ。後に残そうとする意志も伝わるんだけどね。
アレンジについては透徹な世界をピアノ系のシンセと、息の長いギターとで表現していて。でもやっぱり「足りない」。ん~改めて読んでるんだけど、歌詞も、イマイチ弱いなぁ・・・。

@tpopsreryo:
こういう素直な歌詞は初めて書いたような印象ですね。だから慣れてないことも差し引いてまあいいんじゃないかなと思うんです。いわゆる箸休め的な、アルバムの最後を盛り上げるための「タメ」ですね。


10.「Absence」

 作詞:川村真澄 作曲:原田真二 編曲:ホッピー神山

@tpopsreryo:
10曲目「Absence」。原田真二作曲の失恋ソングのミディアムバラード。これは良いですよ。出しゃばらない程度の控えめなシンセに、布袋らしいギターワーク。そして何といっても矢口博康のサックスソロは名演だと思います。彼のプレイの中でも1、2を争うほどのフレーズだと思います。

@junnovi:
これはね、前曲と良く似たトーンかと一瞬思うんだけど、違うよね。プツンプツン、ポツポツと切って切って仕上げた曲だけど、盛り込まれてる音楽的な要素の量が全然違う。前奏からは想像もできないようなサビと間奏のサックスソロ。ピアノとのユニゾン。
「Virtue & Vice」とは違うアプローチなんだけど、中々渋い名曲だと思う。Aメロの終わりの部分「雨が落ちてゆく」のところやサビの後の呟きや余韻の様な英語部分など、展開が読めない。それを一つの中に入れてみせるセンスを思うと。感心しきりです。
英語の2つの文章をそれぞれ、3回こだまのように繰り返すけど、それってどういうアイデアなんだろう・・・。余韻をたっぷり残して消えてゆく。それなのに、尋常じゃないほど奇天烈な音色のサックスが縦横無尽に駆け回る。しかもそれが「歳月・・・」の様な違和感がなく。

@tpopsreryo:
この曲ほんとに好きでね、やっぱりサックスが素晴らしいの。物凄くフレーズが上下するでしょ? で、これは矢口の特徴なんだけどサックスらしい情感がないのね。非常に機械的で。でもそれがスゴくいい。今まで矢口ソロは結構聴いてきたけどこれに勝るフレーズはほとんどないなあ。
まず最初が淡々としたインダストリアルなビートでしょ? そして布袋特有のガチャガチャしたカッティングが原田真二らしい哀愁のメロディラインを守り立てている。サックスソロの裏で鳴っている布袋のギターは上から降ってくるような渋いプレイで。なんか涙雨みたいなグッとくる感じ。

@junnovi:
ガストロノミック(注:矢口博康の88年リリースの1stソロアルバム)。種ともこの楽曲とも相性良かったような記憶があるんだけど。ここまで譜面に落とし込めないような演奏はなかったね。どういう思いでこんなことを・・・。このアルバムはそういうことも含め色んな人の気合いと善意と奇跡の融合やと今回強く思うねん。

@tpopsreryo:
そう、物凄くスタッフに恵まれてるというかね。アレンジャーに布袋とホッピーを起用してるというのもズバリ当たってるし、彼らのニューウェーブ人脈であればクセのあるプレイヤーを揃えられるし。松岡の音楽性に呼応して集められたと言えなくもないけど、プロデューサーがグッジョブでした。

@junnovi:
うんうん。そうなんやと思う。松岡英明自身が、当時どこまで成熟していたか勿論分らないけど、それを無理から棒に大人に合わさせて、見てられないなんてことはなくて、破綻することなく今以ってしても十分に楽しめる立派なアルバムだと思うよ~。これくらいでしょうか。

@tpopsreryo:
そういうことですね。では最後の代表曲いきますよ。


11.「Visions of Boys」

 作詞・作曲:松岡英明 編曲:ホッピー神山

@tpopsreryo:
11曲目「Visions of Boys」。記念すべき彼の1stシングルにして代表曲。やっぱり最初聴いたときは驚きました。全編にわたって布袋ギターが動き回るし、矢口サックスはフリーキーに暴れ回るし、シンセは妙に荘厳かつ大げさで。しかも全部英語で。デビュー曲としてインパクト抜群。

@junnovi:
私は全くの後からの追いかけだったんだけど、この曲の持つ暗いトーンは本当に魅力的で、そのシリアスさにいつも引き込まれてしまう。この曲の持つ独特の磁場は、他にはなかなか見当たらなくて、その感触を味わうにはの曲を以ってしか感じることが出来ないのです。名曲です。

@tpopsreryo:
彼のようなキャラクターであればもっとポップなデビューでもよかったんですよね。でも自身の好きな世界観を貫いたんだよなあ。そこがまずストロングポイントで。イントロだけでもなんかスゴいの始まるぞーっていう期待感を煽ってるし。

@junnovi:
もろDuran Duranやん、っていう誹りもあるけど、冷静に聴いてもやっぱり単なる模倣というレベルの代物ではないよね。これだけ緻密に、客観的にこの曲の魅力を引き出す計算をしている。あとBメロと言うのかな、Bメロ前半って言うのかな、そこの後半の最後にある英語の「vision、vision、vision、vision・・・」とフェイドアウトしていく所。2つの同じ音程で、しかもすごく暗い音程で「ビジョ、ビジョ、ビジョ、ビジョ・・・」って言ってる。これは本当に何なのだろう。どうしてこういう処理を思いつけるのか。

@tpopsreryo:
ああ、あそこか〜。フェイドアウトさせてさらに左右にパン降って脳を揺さぶるみたいな。この曲はそういう徹頭徹尾不気味さを演出してるのがいいよね。Duran Duranは確かに彼のルーツだけど、あの人たちはもっと保守的だったし。こんなにギターやサックスが暴れ回らないw
後半のセリフ部分もとことんダークに盛り上げてるのも素晴らしい。そして「Virtue & Vice」が布袋vsホッピーなら、これは布袋vs矢口って感じで。この曲の2人やりたい放題やんか!w

@junnovi:
そう、ここでも布袋。この人、スゴイねぇ・・・。矢口!アンタもだよ!w確信犯だろ?w っんとにこういう楽曲を作るってどういう感覚なんだろうね。センセの言うセリフ部分の陰惨なトーンもデビューシングルにはあり得ない冒険だったと思う。けれども曲自体の持つ磁場の圧倒的な強さの前で、矢口や布袋らの何も恐れないような不遜なまでの潔い演奏が、益々緊張度を高めてこの曲を盛り上げていく。本当に素晴らしいメロディとアレンジと言える楽曲やね。この曲が1stアルバムの3つ目に来る大きな山場。それも最後に持ってくる。何故?
あとどこか謎めいた雰囲気もあるよね。それは特に「Try to tune in, tune in me~」っていう所でどんどんと輪郭がぼやけていくようにして、謎めいていく。そしてやっぱり全編英語という大胆さも不思議な印象を増幅させてるよね。

@tpopsreryo:
そこらへんはホッピーのコード感覚なんですよね。ちょっと変わった展開で違和感を演出してるというか。でもさんざん乱痴気騒ぎした間奏明けの「Try to tune in〜」には、大げさなシンセがかぶさってコード展開も違うし、そういう仕掛けもセンスがまさにキレている!

@junnovi:
この時と言うか、このアルバムに携わっていた頃のホッピーって、何かスーパーナチュラルな物が見えてたんじゃないかって思うほどに、鬼気迫る勢いがあるよね。鬼才という言葉があるけど、まさにそれに近いニュアンスかも。考えて考え抜いて出て来るものなのかなぁ。

@tpopsreryo:
うーん、そうですね、そこの部分はまとめとして置いときたいので、後にしときますw で、その前にさらっとボートラへ行きましょうか。

@junnovi:
この陰惨な曲調を構成するところにまで話がまだ言っていないんだけど、もうセンセが結構書いてくれてるから、書かないよ~。ということでボーナストラック行きましょう。


ボーナストラック「Visions of Boys (TV-NOiZ Version)」

 作詞・作曲・編曲:松岡英明

@tpopsreryo:
ボーナストラック「Visions of Boys (TV-NOiZ Version)」。TV-NOiZは松岡が7〜8年前くらいに結成していた3人組エレポップユニットだったと思うのですが、ボコーダーやシンセをたっぷり駆使して頑張ってるけど、やはりオリジナルの熱気には及ばないですね。

@junnovi:
この曲の持つ最大の魅力である陰気さや陰惨さが、残念にもかき消されてる気がする。「真夜中に・・・」という日本語も、夢の世界とか彼岸から急に現実の世界に戻された様な眩暈が起きるような感覚になる。勿論このテイクが失敗とは思わないけれど、元のオリジナルの知ってる私たちにしたら、この曲の最も重要な個性である暗さが削がれてるように感じられて。残念だな。

@tpopsreryo:
あはは。そこはもう妙な虚勢張っちゃった感じですもんねw やはりオリジナルのように「オ、ボーイッ!」(オが大事)で締めるところでしょうね。
まあ結論としてはそのとおりですね。そもそも名曲の別バージョンなんて必要ないんですよね。そこで完成されているから名曲なわけで。いろいろいじくったとしてもオリジナルには及ばないのがわかってるんだから。やはり布袋矢口あってのあの曲だから。というわけでまとめいきますか?

@junnovi:
お、センセ、ごめんね。先に結構どぎついこと呟いたけど、もうええわw 幻と化しました。センセの先のレスで気が済んだから。でもホント最後の雄叫びだけは、残念でならないわ・・・。オ、ボーイッ!


〜エンディング〜

@tpopsreryo:
さて、今回のまとめですが、この「Visions of Boys」という作品で松岡英明がデビューしたのは本当に僥倖であって、しかも布袋寅泰&ホッピー神山という当時最もクセがあり勢いがあった2人のサウンドプロデュースによって非常に冒険心溢れる作品であったと思うのです。

@junnovi:
当時の日本の音楽界において、どういう位置づけとめぐりあわせでこのような企画が成立し、実現したのかと言うことを考えるのは、30年近く前のこととは言え、その時代を生きた者にとってはとても楽しいことです。このような稀有な個性の化学反応は中々ないですものね。

@tpopsreryo:
そこはやはり80年代前半のテクノポップブームの衰退という観点から説明したいところなんだけど、長くなるからいいやw やはり松岡英明というキャラクターがニューウェーブ直撃世代特有の先進性というか、MTV世代のセンスがほとばしるヴィジュアルイメージみたいなものを持ち合わせていたからだと思うのです。そういうキャラを生かそうと思ってプロデューサーが動き、布袋やホッピーのようなサウンドメイカーで脇を固めて彼のような当時新世代の感覚を可能な限り表現し切ったという点では、本作は日本のPOPS史に確かな爪痕を残したと言ってもよい。

@junnovi:
そうやね。あと、私が思うのは、このアルバムの希少性として、職業音楽家としての音楽のニオイが殆どと言って良いくらいないこと。2ndも実は結構良いんだけど、3rdや4thみたく、どこか職業音楽家的な楽曲処理があるなぁって思うんよね。悪いことじゃないんだけど。

@tpopsreryo:
まあサウンドプロデュースがミュージシャンズミュージシャンな人たちだったからね。その後作品を出すにしたがって自分を出し過ぎてしまうわけだけど、もう少しこの布袋&ホッピープロデュースで作品を出してほしかったですね。
布袋とホッピーにとってもこの作品のコラボに手応えを掴んだのでしょう。その後の布袋ソロ〜COMPLEXに至るまで蜜月の関係を築くことになるわけです。そういう意味でも彼らにとってもその後の音楽活動に影響を与えた作品だったのではないでしょうか。

@junnovi:
楽曲の決め手となり、最も重要な個性であるボーカルが松岡英明だったことが全くの正解だったことが良く分かる作品だったよね。悪く言えば、右も左も判らない人を業界人が料理したとの指摘もあるかも知れないし、本人にとっては不本意な点もあったかもしれないけど、私はこの様なアルバムを発表してくれたことに感謝せずにおれません。ありがとうございました。

@tpopsreryo:
本人にとっては不本意だったのかな? デビューアルバムとして最大限の力を引き出したという点では、十分素晴らしいと思いますよ。EPICの数々の個性的なアーティストの中でも象徴的存在になり得たと思う。だから「Just Pop Up」とかの司会にも抜擢されたんだから。

@junnovi:
そうやと思う。まとめてくれてアリガト。

@tpopsreryo:
ということでまとめてみました。ではそろそろお開きにしましょうか?

@junnovi:
ハイ。異存ございませんです。

@tpopsreryo:
では終わります!昨日今日と遅くまでありがとうございました。では明日は2ndアルバム「Divine Design」ですね。

@junnovi:
2夜連続、ありがとうございました。今回は結構盛り上がったね~。思いの外全うなコメントばかりになったけどw

@tpopsreryo:
間違いなく名盤だったからね。ツッコミも優しかったw ではまた明日!

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