T-POPS的80年代アイドルソングベスト100男性編リマスター(2)

 こうしたランキング企画の場合、どうしても避けて通れないのが、「何であのアイドルは入っていないのか」「あの名曲はランクインしていないのか」「あの曲はもっと上だろう」とか「あのグループの曲ばっかりランクインしていて私の好きなあのグループは1曲もないってどういうこと?」とかそういうクレームです。これはもう仕方ないですよね、個人的な好みですので。本ランキングも相当偏りがこれから出てくると思います。あのアイドル、あのグループはやけに多くて、あのアイドルは1曲もない、とか。問題ありません。全部聴いてますから。その上で個人的にはランク外であったということなので。決して忘れてはいませんよ!
 ということで、本日は第90位〜第81位まで。まだまだ先は長いですが、本日もお楽しみください。



90位:「顔に書いた恋愛小説(ロマンス)」
田原俊彦 (1984)

 作詞:三浦徳子 作曲:網倉一也 編曲:馬飼野康二・新田一郎

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 80年代を象徴するトップアイドル田原俊彦の84年シングル。当時全盛期の網倉一也のハードボイルドなメロディに新田一郎のブラスアレンジが大成功。最近までブギーってこの曲のブラスセクションのことを指していると思っていました。だってブギーって言ってるじゃないですか。顔に書いてあるじゃないですかw


89位:「空想Kiss」 C-C-B (1985)

 作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:大谷和夫・C-C-B

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 85年に大ブレイクしたアイドル的な売り出し方をされてしまった極彩色ヘアーが売り物だった5人組バンドのこの年4枚目のシングル。ドラマ主題歌ながらメロウな曲調ですが、笠浩二のシモンズの魅力を生かしたオープニングや実は印象的なフレーズを作り出す渡辺英樹のベースプレイの主張が興味深いです。


88位:「ナンシー・Chang!」 中川勝彦 (1985)

 作詞:安井かずみ 作曲:加藤和彦 編曲:新川博

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 アニメから飛び出してきたかのようなユニセックスアイドルはこの曲から開き直ったかのようにロックサウンドへと徐々に傾倒していきます。安井かずみ&加藤和彦夫婦の何ともキャッチーなタイトルフレーズも面白いのですが、何と言っても2周目のAメロ〜Bメロでデリンジャーばりに炸裂する高速バスドラ連打に度肝を抜かれます。


87位:「どこまでアバンチュール」 郷ひろみ (1984)

 作詞・作曲:Henry Hamaguchi 編曲:大村雅朗

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 84年型郷ひろみはアーティスティックに目覚め始めた時期で、アルバム「ALLUSION」では大村雅朗と組んで、ギラギラした先鋭的なサウンドを目指していました。この曲も直線的なベースラインが初期吉川晃司との同時性を感じさせます。濃いメイクもニューウェーブを強く意識しているようですね。Henry Hamaguchiはご存知の通り郷本人のペンネーム。


86位:「ラブ・シュプール」 田原俊彦 (1982)

 作詞:三浦徳子 作曲:筒美京平 編曲:大谷和夫

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 田原が主役の映画「ウィーン物語 ジェミニ・YとS」主題歌。ミュージカル調の流麗なストリングスが印象的なエレガント歌謡。まだまだ少年っぽさが残る甘い声質であった田原ですが、面白いのはラストの大サビの愛してる〜♪からの高音がどんどん上に外れていく力の入り方。これぞTHE アイドル。


85位:「千夜一夜キッス倶楽部」 シブがき隊 (1986)

 作詞:森雪之丞 作曲:井上大輔 編曲:鷺巣詩郎

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 もう奇をてらわざるを得ない状態に陥っていた後期シブがき隊の86年シングル。鷺巣詩郎らしい濃い味付けのこってりしたアレンジ。アラビアンなシンセコーラスっぽいイントロ、後半の無茶苦茶な転調、サビに入る薬丸の腰砕け呪文「アブダカタブラ」・・・見せ場も多くお腹いっぱいです。


84位:「スニーカーぶる~す」 近藤真彦 (1980)

 作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:馬飼野康二

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この曲のスマッシュヒットでデビュー曲にして約束されたトップアイドルに。とにかく瞬間風速はNo.1の勢い。ジーグザグザグジグザグジグザグ♪の振り付けを考えた方は天才ですね。Bメロでこのフレーズが出てくるところに筒美京平の類まれなセンスが窺えます。Cメロのジェットサウンドも効果的です。



83位:「冷たいベッドでDance」 池田政典 (1989)

 作詞:松井五郎 作曲:石田正人 編曲:DARLIN'

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 優男エレクトリックリゾートPOPSだった池田政典も、89年となれば男臭さ満点のロック寄りにシフト。後にデビューを果たすロックユニットDARLIN'が作編曲を担当した本作は、いなたいギターをベースに歌唱法もねちっこく進化。随所でテクニカルなギターフレーズが見せ場を作っています。


82位:「NERVOUS VENUS」 吉川晃司 (1986)

 作詞・作曲:吉川晃司 編曲:後藤次利

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 後藤次利のゴリゴリサウンドに囲まれた結果、急速にロック魂に目覚めていった頃の吉川晃司が作詞作曲を手がける12インチシングル。ドンダンドンダンの力強いパワーステーションドラムやトリッキーなサックスが脳髄を刺激。魅惑の低音から始まるAメロで勝ちはもう見えたものです。


81位:「晴れのちBLUE BOY」 沢田研二 (1983)

 作詞:銀色夏生 作曲:大沢誉志幸 編曲:大村雅朗

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 もはや先鋭化し過ぎて何でもありになっていた頃のジュリーの83年の名曲。ジャングルビートを歌謡曲でやってしまう実験性、しつこいほどのリフレインによる中毒性がたまりません。キテレツな歌詞が銀色夏生、既にメロディのカラーが現れ始めた大沢誉志幸のフレーズメイク、そして大村雅朗の大冒険サウンドのケミストリーが大ヒット曲の誕生を予感させます。













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