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Qujila EPIC期リマスター記念クロスレビュー(1) 「MIX 花カラスNEON」バージョン聴き比べ大会(その1)

 しばらくお休みしておりました別邸のアーカイブ企画ですが、1度お休みすると再開するのにかなりのメンタルが必要でして、筆が進まないモヤモヤした気持ちになっていました・・w しかしながらそろそろしれっと再開したいと思います。
 本日からはまた@junnoviさんとのクロスレビュー企画なわけですが、今回のテーマは80年代を代表する(?)個性派トリオバンド、Qujila(くじら)です。これまでのPINKやJADOES、小川美潮や松岡英明と比較しても、やや人を選ぶといいますかややマイナーな印象のある彼らですが、根強いファンが存在しているのも事実です。その証拠に、彼らが全盛期に所属していたEPICソニー期の作品は、SONYレコードの復刻サイト「SONYオーダーメイドファクトリー」で、2014年から2017年にかけて全てリマスター再発に成功するなど、ファンの思い入れは非常に強いものがあると言えるでしょう(似たような例に同じトリオバンドの「135」があります。そして全く反対の例が「詩人の血」ですね。今のところはw)。
 実際のところ、レビューの相棒であるjunnoviさんもQujilaの大ファンの1人でして、2015年に彼らの1988年リリースの3rdアルバム「MIX」がリマスター再発されたのを機会に、junnoviさんからレビュー企画が持ち込まれたわけです。しかし今回はEPIC期全曲レビューというわけではありませんで、少し趣向を変えた形となっています。といいますのは、この「MIX」というアルバムは彼らが87年にリリースした「花」「カラス」「NEON」という3枚の12インチシングルをミックスし直してアルバムにしたもので、今回の再発では、「MIX」としてのリマスターと、「花」「カラス」「NEON」それぞれのシングルバージョンのリマスターが両方収録されています。そのようなわけで、今回はこの「MIX」収録曲のバージョンを聴き比べしてレビューしようという、かなりマニアックな企画となってしまいました。(Twitter上では2015年4月に実施したものです)
 というわけですので、今回はわかる人にしかわからないような内容になっていると思いますが、Qujilaファンでそういう聴き比べしているような奇特な方に捧げる企画ということでご容赦願いたいと思います。それでは本日は何と本題に入る前の前説(?)まで、ということでスタートです。

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〜オープニング〜

@tpopsreryo:
 さて、本日はリマスターレビューシリーズ(勝手に名付けましたw)のPINK、JADOES、小川美潮、松岡英明に続く第5弾ということで、Qujila「MIX 花カラスNEON」のバージョン聴き比べ大会となっております。
 ちなみに今回もjunnoviさんとの相互会話形式レビューとなります。Qujilaに関してはワタシより余程造詣の深いjunnoviさんについていくのがやっとかもしれませんが、ワタシなりのいつもの感じで進めていきますので、皆さん程々にスルーして流して下さい。よろしくお願いします。

@junnovi:
よろしくお願いします、センセ。今日は準備万端だよ~w それにしても玄人は「花カラスNEON」の順番で聴くみたい。そんなこと言われても、頭が混乱する私。「MIX」で行きましょうね。

@tpopsreryo:
本日はよろしくです。「花カラスNEON」の順番というのは、その12インチ3枚がリリースが先だからということでしょうね。しかし今回はあえて「MIX」の順番でいきましょう。恐らく今回のテーマは「MIX」の存在意義というのも1つだと思いますので。

@junnovi:
え。私は私の勝手でしか聞いてないから、いつもの通り全く客観性の乏しい思い込みばかりのコメントを付けそうでござんす。作品横断的なコメントもしないつもりだしね。センセの方が鋭い気がするよ。てか、こちらこそよろしくお願いします。
個々の楽曲に入る前にこの「MIX」というアルバムについてちょっと話をしたいところ。私は実は余り聞いて来なかったアルバムなんです。あと金色のジャケットは、触ると脂っこい手の私の指紋が付くだけ付いて、金色がどんどん灰色に変色して扱いにくかったのもあるw

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@tpopsreryo:
おっと先を越されてしまったw  「MIX」の話に行く前に今回のQujilaリマスター作品群についてちょこっと触れようかと思っていたのでした。
それでは始めたいと思います。まずソニーOMFでのQujilaリマスター祭、「パノラマ」「Tamago」「MIX 花カラスNEON」に続いて「島の娘」も復刻対象に上がるなど(後に当然のように復刻)、2015年にもなって急に再評価の機運が高まってファンにとっては幸せなんじゃないでしょうか。

@junnovi:
そうですセンセ。嬉しい限り。最近の中古CD市場はもう欲しい人のところに欲しい作品が行き尽いてしまって、殆ど興味のないものばかりがあふれかえている状況になってしまって。そうなるとQujilaの作品は全く以って見なくなるわけです。だから音も良くなって発売というのはやっぱり何よりうれしい知らせでしたね。まさに福音。ただ今回募集中の「島の娘」の予約数の伸びを見ても分かる通り、それ相応に需要はあるのだから、単発で出すよりもEPIC期の作品をすべてBOX化した方がよっぽど嬉しかったという欲を出してしまう私です。

@tpopsreryo:
実はワタシはそれほど熱心にQujilaを聴いてきたわけではないので、そういう意味では少し引いた目線で聴いてしまう面もあるのですが、今回のリマスターはどれをとっても丁寧な仕事ぶり、しかも解説にもこだわっていて、作り手の心が良く伝わってくる素晴らしい作りだと思いますね。

@junnovi:
そうなんです。リマスターの音はなかなか良くてうれしいかぎりです。だからチョイ出しなんてセコイことをせずに、ドーンと大江千里とかPINKみたいにBOXにして出したらよかったのにって思うのは、私だけでしょうか?w

@tpopsreryo:
どうせならBOXで、というのはファン心理なんでしょうけど、その潜在的ファンを探っていたと思うね。だからまず1stと2ndで様子を見て、今回の「MIX」を12インチと一緒に。評判が評判を呼んで4th「島の娘」〜5th「メロン」まで。そして絶対「Cobalt Boy」(EPIC期ラストアルバム:実質杉林恭雄ソロ)は忘れられるw(しかしながら2017年に奇跡の復刻!)

@junnovi:
だろうね~w 何で私がこんなにBOXに拘るかって言うと、今回の「MIX花カラスNEON」に付いてきた手帳(注:Qujilaのリーダー杉林恭雄のセルフライナーノーツ)、私全然わからないんですわ、意味が。比喩が。設定が。頭悪いんだから、こんな変化球、私に投げないでほしいんですwww だからいっそBOXで統一感貫いてと。
「in my soul」と「Cobalt Boy」は完全に忘れられるだろうね。「メロン」まででしょうね。ライブでもそんな感じだもん。何でかなぁって、そういうものを彼らにファンが強く求めてるもんね。

@tpopsreryo:
まああれは、曲の雰囲気自体をつかむものであるからね。意味は各自で把握していればいいんじゃないの?w  ワタシは結構雰囲気感じられたけどね。曲によっては投げやりな解説もあったけどw

@junnovi:
大体ね「MIX 花カラスNEON」手帳の、先生って誰? 全然わからないわ~。今日はNEONが居ないって言うけど、誰? キオトのこと? だとしたら、大体キオトと連絡取ったの?って感じ。(もうキレてる

@tpopsreryo:
あの「先生」はワタシは勝手に福岡智彦氏(太田裕美の旦那さんね)のことと解釈しています。当時のディレクターだからね。NEONはキオトだね。でもキオトとはもうやらないんでしょうかね。出口(雅之)と上領(亘)(注:性懲りも無くGRASS VALLEYの2人)は一緒にやるけど本田(恭之)とは決してやらないとかそういうアレですかね?w

@junnovi:
センセもそう思った? 私も福岡氏とキオトだろうなと思った。でも何でNEONがキオトなんだ? 「花」や「カラス」の裏ジャケとかにヒントはあるし、文脈を辿れば判るかも知んないけど、チョット不親切って思うわw キオトとの間に何があったんだろ。彼も出てくるべきやわ。

@tpopsreryo:
閑話休題。さて、今回Qujilaのレビューをする上でPINKのように全曲レビューという思いもありましたが、ああいうのは結構心身共に疲弊するのでw 今回は12インチ「花」「カラス」「NEON」とそれらをMIXし直したCD「MIX」の聴き比べ、そしてEPIC期ベスト10ということになりました。

@junnovi:
PINKはしんどかったけど、ホントに面白かったね! 「RED&BLUE」で想定外のどんでん返しがあったもんw あれは全曲レビューして正解だったよ。小川美潮や松岡英明も楽しかったね。とくに松岡英明の時はイイタイコト言ったからホンマにスッキリしたよ!

@tpopsreryo:
あのPINKのレビューは最後に「RED & BLUE」が最高傑作だと言わんばかりになってしまって、かなり総スカン食ったんじゃないかと思うけどねw そういう意味ではあのテンションはなかなか生まれないかもね。とりあえず今日はQujilaですよ〜w

@junnovi:
いやいやセンセ、最高傑作とまでは言ってないはずだけど、言ってますねあの流れはw そうなんだ総スカン喰ったんだ・・・。残念だね。ホント素晴らしい作品なのにね。PINKのアイデンティティというかDNAの定義づけにズレがあるとこういう結果になるのかな。

@tpopsreryo:
さてさて、そろそろ本題に入っていきますが、今回のリマスターで「MIX」はマスタリングで音質向上、「花カラスNEON」は初CD化ということで、個人的には非常に価値あるリリースだと思っているのです。まさに聴き比べしなさいよ、と言っているようなもんで。特に12インチの3枚はずっと聴きたかったので。

@junnovi:
そう!これはね聴き比べをしない訳にはいきません。12インチシングルなんて、私もう20年近く聴く術を持ってませんから。そういう人多いと思うんだけど。だからどうして「MIX」を録り直したのかを含め、同じ土俵に並べて聴き比べるのはとても価値のあることだと思う。

@tpopsreryo:
興味本位でどのあたりが異なっているのかは知りたかったので非常に良い機会であったと思います。実はどちらかというと「花カラスNEON」の音の方が好みじゃないかと思っていたんですよ。87年リリースだからあの時代の音してるかななんて。でも実際は思ったよりシンプルでw

@junnovi:
そうやね。総じて「花カラスNEON」の方がバンドサウンドに近い音作りやったね。私ももっと実験的な、バランスとかを完全に無視したような、好きな人は好きだけど、ダメな人は全くダメみたいな音楽をやってるって思ったけど、そうじゃなかったね。

@tpopsreryo:
なんか基本に立ち返ったニュアンスのことをコメントしてましたね手帳で。だからワンコードで音もシンプルで。「パノラマ」がテクノロジーだったし「Tamago」は清水靖晃&小野誠彦で濃厚だったしで、その反動があったのが87年ということだったんでしょう。

@junnovi:
ふむふむ確かに。とはいえあの時代に3枚も立て続けに12インチシングルは出すわ、まとめてタイトルに「MIX」と付けて録り直してたりしてるわで、結構先鋭的な印象が強かった私。だから「カラス」のPVを見たとき、たまげたもん。
あとセンセの場合、やっぱり12インチシングルと言えば、「Hit by a Time Shower」(久保田利伸)とか「Bedtime Stories」(大江千里)とかもあるけどw、「砂の子供」(Qujilaインディーズ時代の12インチシングル)という作品があってそのあとの12インチとなるとどうしても気になるというのもあったんじゃない?

@tpopsreryo:
ほかにも吉川(晃司)のレインダンス(「Rain Danceがきこえる」)とか原田真二の「伝説KISS」とか立花ハジメ「Beauty」とか12インチには思い出深いものがあるけど、当時はQujilaといっても「おー頑張ってるなー」的な他人事でしかなかったので意識したことは余りなかったなw ただMIXは少し気になってた。

@junnovi:
で、出た吉川!!12インチってやっぱり楽しい媒体だったね~! そっか「砂の子供」の伏線があると思ったのは深読みだったね。「MIX」はホントにね、金色のジャケットがね、手垢で灰色に・・・(略

@tpopsreryo:
でもよかったじゃない。リマスターは奇しくも灰色ジャケになったよw

@junnovi:
そうそう安心したよ、じゃなーーーい!w 入手後早々に中途半端な状態でフタをして要らぬ折り目がついてしまって、それはそれで悲しい定めなのであります。やっぱり私にって「MIX」は鬼門やわ!w

@tpopsreryo:
まずはどんどんリリース期間を短くして曲を連発していこうという意図があったんでしょうね。で、やはり時代はCDに差しかかっていたので3枚まとめてCDにしてみよう→でもただ収録するのは面白くないからLAでリミックスしちゃえ!ってところでしょう、と思っていたんですが・・。

@junnovi:
なるほどね。そういうところなんだろね。レンタル屋で行くたびにタイトルが増えてて「この人らどうなってるん?」って注目してしまって、今日に至る訳で、そういう意味でしっかり販売戦略に乗せられていたことに今日になって気が付いた私www

@tpopsreryo:
そうそう、で、しまいに人まで増えていってね。そして最後はいきなり1人になってねw 杉林1人になったQujilaを見てサエキ1人になったパール兄弟とダブりました。パール兄弟の方が後だけど。

@junnovi:
なんでサエキと・・・。たしかに倍々ゲームみたいに膨れ上がったもんね、一時期。一人になったときは何か、白色矮星みたいな感じ。ん~。
あと「MIX」は曲順も変えて、半分まっさらな新作としてCDリリースしたわけだけど、そのあたりってセンセはどう思ったん?

@tpopsreryo:
恥ずかしながら12インチ3枚を当時は聴いていたわけではなかったから、「MIX」というタイトルの新作だと思っていたので問題はありませんでしたw なので個人的には「MIX」がオリジナルという気持ちで今でも聴いてしまうんですよね。良いか悪いかは別にして。

@junnovi:
良いと思います。

@tpopsreryo:
そしてこのままだと前座が全く終わらないw というわけでそろそろ本編に行きましょうか?各曲レビューでそれぞれの印象の違いを述べていくような感じで。曲順は当然「MIX」で!

@junnovi:
ホントだ、もう◯時間以上経ってるよw! では始めましょうか。曲順はセンセと同じ「MIX」でw あと私は曲のコメントも付けたいと思います。あと私なりの好みの優劣も付けてみたいです。つまり「MIX>花カラスNEON」とかいった具合にオチも付けますねw

@tpopsreryo:
さて、長々と前置きしてしまいましたが各曲を見ていこうと思います。曲順はお互いの思い入れから「MIX」の曲順でいきたいと思います。

@junnovi:
はい、じゃセンセよろしくお願いします。


というわけで、各曲バージョン聴き比べが始まっていくわけですが、あまりにも前置きが長くなってしまったので、本日はここまで。(ホントすみません!) 明日から本格的にレビューが始まります。



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