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初めて 2019.12

台湾で四度目の冬がきた。

一年目は夫の転勤に伴って初めての海外生活・台湾生活、初めての専業主婦生活、社会人になって初めての学生生活。

二年目は初めてのマタニティライフ。待ちに待った我が子との日々を想いながら、学校にも通わず家事もそこそこに、のほほんのんびりと気ままに過ごす日々。

三年目は初めて母となり、子育てに勤しむ日々。満足に眠れず、家事と育児の両立も器用にできず、いっぱいいっぱいの毎日を過ごしながらも、いつ何時も傍らにあったかくて柔らかくてまんまるの小さな生き物がいる奇跡としあわせを感じていた。


そして四年目の今年。

そう、今年は初めて、特筆すべき"初めて"がない年だ。子の一歳を過ぎてからの成長は目を見張るばかりで、殊に一歳半を過ぎてからのややこしさは凄まじい。だけれども一児の母という立場にも慣れてきて、ある意味そこまで変わりばえの無いルーティンの日々。


そんな中で、同じ時期に出産を経験した日本の友人たちが春頃から次々と職場の戦力に戻っていく様子を見聞きしたり、彼らから何気なく"日本に戻ったら何をするの?"と聞かれたり、台湾人の友人からはズバッと"これから何をするの?育児以外で"と聞かれたりも。

加えて駐在員の家族という立場で四年目となった今いつ帰任になってもおかしくないこの状況。


2016年6月末日に新卒で入った会社を辞めてからちょうど三年が経った頃に、ずっとお世話になってきた上司から転職の報せが届いた。そこで初めて実感を伴って、わたしが台湾にいる三年の間に東京でも三年という月日が流れてしまったんだということにようやく気づいた。

現時点で既に流れた三年半という月日はキャリアの空白期間として決して短くはなく、とにかく焦燥感ばかりが募る日々。

退職が決まったわたしに尊敬する先輩が話してくれた言葉がある。"ひとつのことで突き抜けるのは凡人にはすごく難しいことだけれどあと2つ、今ある能力とはなるべく遠いことであと2つ何か少しでも作れるといい。そうするとその3点が描く三角形がそのまま自分の可能性になる。


そこに台湾生活で足していくことは、きっと語学力や台湾での人脈になるのかなぁとぼんやり思っていたのが三年半前のこと。

その二点に関していえば、現時点で到底何か仕事に生かしていけるレベルにはないとはっきり断言できてしまう。

だけど仕事云々とはまた違った観点で、中国語を少しだけ操れるようになったことと、台湾でできた友人関係はわたしの人生に大きく、すごく良い意味で影響を与えたことは確信している。

目の前にいる丸々とした子どもをのぞくと、この三年半ぼーっと生きてたわけじゃないぞという証はその二点だと思っている。


とかく減点評価されがちな家事育児に向き合う毎日、自分くらいは、"足りない""できてない"ばかりじゃなく、小さくともできてること頑張ってる面を見て自分を励ましていきたい。何事もポジティブに捉えていきたいなあ。


"自分が本当に何が好きで何が得意でこれから誰のために何をしていきたいのか、何をもたらしたいのか、どう役に立っていけるのか"を未だに見つけられていないことで頭がいっぱいで、とても焦っていた数ヶ月。

今の自分にすごくフィットする文章をいくつか見かけて、なんだか良い方向に思考も行動もシフトしていけそうだなと思い始めたここ数日。

そのあたりも今後書いていこう。


ひとまず、台湾在住四年目の年の瀬、初めてnoteの記事を書いてみた。


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