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【エッセイ】祖母のセンスが独特すぎる話

金曜の夜から、実家に子連れで帰省した。
長女が保育園から帰宅して、急いでお昼寝のふとんやシーツを一度洗濯機で回し、生協の食材を受け取ってからドタバタで電車に乗り込んだ。

海外出張中のパパの帰りは翌日の夜。
なので子供とともに二泊して日曜の朝に帰ろうという算段だった。

実家には、私の祖母がふたり同居している。
90歳近い実母と義母の両方の介護を一手に引き受けている母は、いつ見ても中々に大変そうだ。

そんな母が、ソファの下にハエ叩きを仕込んでいるのを見つけた。
虫でも出たのか?と聞くと、
「おばあちゃん(母の実母)がな…」と深刻そうな顔。
またボケが進んで妙なことでも言って母の頭を悩ませているのかなと思って前のめりで聞いた。

「和室に蜘蛛が出たらしいんよ」
「ほお」
「ほら私、蜘蛛苦手やんか。だからばあちゃんに聞いたんよ、どれくらいの大きさやった?って」
「ほお」

「そしたらな、
『中学生くらいかな』って…どれくらいやと思う?」

祖母の独特すぎるワードチョイスに、思わず笑ってしまった。

結局、蜘蛛は取り逃がしてしまったらしいが、
高校生くらいのサイズになる前に見つかることを祈っている。

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