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【マンガ✖️観光】で町おこし!マンガ・アニメ・ご当地キャラクターを生かしたコンテンツツーリズム成功例

近年、アニメや映画産業、また観光産業で「聖地巡礼」・「コンテンツツーリズム」などのワードが盛んに聞かれるようになりました。聖地巡礼はアニメ・映画といったコンテンツのゆかりの地を、ファンが自発的に巡礼することですが、コンテンツツーリズムはコンテンツを活用した観光誘致活動を指しています。

アニメ・漫画をはじめとする2次元コンテンツを愛するファンの気持ちは強いもの。そのため、ファンにコンテンツを通じた観光を体験してもらえれば、リピーターになったり長年にわたるよい関係を築けたりする可能性があります。 しかし、コンテンツに依存した受け身の観光施策では、コアなファンにはなかなか満足してもらえません。聖地巡礼やコンテンツツーリズムを成功させるためには、地域が主体となってさまざまな施策を立案し、実行することが必要です。

それでは、地域が主体となってコンテンツツーリズムを成功に導くためには、どうすればよいでしょうか。本記事では、マンガ・アニメ・ご当地キャラクターを生かしたコンテンツツーリズムの成功例をご紹介します。

■地域主体で進めるコンテンツツーリズム

コンテンツツーリズムを生み出すきっかけとなるものは、マンガ・映画・アニメなどさまざまな種類があります。映画はどちらかというと単発的・カジュアルなファンを生み出しますが、アニメ・映画は放送や掲載が一定期間あるため、コアなファンを生み出せると考えられます。 

引用:アニメ×町おこし。聖地巡礼や観光誘致に繋がる取り組みとは?

コアなファンは作品への愛が強く、舞台となった地域と深く関わろうとする傾向があります。地域住民は方は訪れてくるファンのマナーを心配することがあると思いますが、コアなファンほどマナーがよいといわれています。
一方で、地域が主体的に施策を考え、実行するためには、地域住民をコンテンツのファンとして育てることも重要です。そのためには、早い段階から住民や関係者の理解を得るための取り組みを行う必要があります。

最初に地域や関係者が作品やファンの気持ちを理解することにより、地域を訪れたファンをより満足させることができ、長期間にわたってよい関係を築くための施策を打ち出せるでしょう。 

■コンテンツツーリズムとご当地キャラクター

ご当地キャラクターといえば、地域のイベントやSNSでその自治体の魅力や特産品をPRすることが一般的です。しかし、近年はご当地キャラクターがあまりにも多いため、これらの施策だけではなかなか自治体のPRにはつながりません。そのためには、まずはキャラクター自身のファンを増やすことが大切です。

高知県須崎市のキャラクター「しんじょう君」を例に見ると、自治体よりもキャラクターそのもののPRに力を入れています。キャラクター自体のファンを獲得するためにコンテンツをつくり、SNSを活用して発信するという施策は大いに有効といえるでしょう。

引用:ご当地キャラなのに町をPRしない?フォロワー総数36万・しんじょう君のファンマーケティングに迫る

ご当地キャラクターが登場するコンテンツはさまざまな種類があります。なかでもマンガは、ご当地キャラクターが生まれる過程やキャラクターが地域を案内したり観光したりする様子を描くことで、ストーリー性のあるPRが可能となります。
そして、そのコンテンツを、キャラクターのSNSを通して発信することで、多くの人に拡散されます。その結果として、コンテンツの認知度をあげるだけでなく、ファンの増加や地域の関係人口(地域と多様に関わる人々を指す)の獲得へとつなげていけるのではないでしょうか。

■コンテンツツーリズム・キャラクターツーリズムの成功事例

ここからは、コンテンツツーリズム・キャラクターツーリズムの成功事例をご紹介します。

『らき☆すた』|埼玉県鷲宮町

『らき☆すた』は女子高生とその友人の日常を描いた、美水かがみ原作のマンガ、およびそれを原作としたアニメ作品です。
この作品の舞台は、埼玉県鷲宮町(現・春日部市)。主人公はこの町に実在する鷲宮神社をモデルとした「鷹宮神社」に自宅がある(主人公の父親が宮司)という設定になっています。

アニメ放映後間もない2007年12月には商工会主催のイベントが開催され、約3,500人の参加者が集まりました。また、2008年4月に旧鷺宮町は作品の主人公「柊一家」を特別に住民登録。その際、1枚300円で特別住民票をファンに交付しました。

 引用:「らき☆すた」神輿の紹介 久喜市商工会鷲宮支所・らき☆すた神輿準備会

 鷲宮町の特筆すべき点は、2007年夏頃に鷲宮神社が『らき☆すた』ファンにとっての聖地となっていることに気づき、ファンへの聞き取り調査を行うなど自発的なアクションを行っていたことです。その結果、ファンがタイアップ企画のアイデアを出してくれるなど地元とファンとの協力関係を早くから築くことができました。

地域がファンの動向・趣向にしっかりとアンテナを張り、積極的にアプローチを行ったことで、地元とファンの長期にわたるよい関係を形成できた好例です。 

『ガールズ&パンツァー』|茨城県大洗町

『ガールズ&パンツァー』はアクタス制作のオリジナルアニメ作品です。茨城県大洗町を舞台に、戦車に乗って模擬戦を行う「戦車道」の全国大会で優勝することを目指して奮闘する女子高生たちを描いています。(作中では「戦車道」が女子の競技として定着している設定)

 引用:大洗観光協会 よかっぺ大洗 大洗町が舞台のアニメ「ガールズ&パンツァー」特設サイト

アニメ放送時から話題となっていたこの作品は、2015年末から公開された劇場版が1年にもわたるロングランを記録し、多くのファンが大洗町を訪れるようになりました。

大洗町はアニメの企画段階から制作会社と連携をすすめ、環境客を受け入れる姿勢を早くから見せていました。そして、地元商店街へのキャラクターパネルの設置やイベント開催など、積極的なプロモーションを展開。さらに2015年末には、ふるさと納税の返礼品に作品の関連グッズを加えたところ、受け入れ額が前年度の26倍に達する結果となりました。

一見すると扱いの難しい「戦車」というコンテンツでも、積極的にプロモーションを行なったことが成功のカギとなりました。伝統を守ることも大切ですが、新しいものを受け入れる姿勢も大切だと気付かされる事例といえるでしょう。

『花咲くいろは』|石川県金沢市

『花咲くいろは』はP.A.WORKS制作のオリジナルアニメ作品です。物語は、東京から石川県金沢市に身を寄せることになった女子高生が、祖母が女将を務める温泉旅館で働く姿を見せながら展開していきます。

制作会社が「仕事をテーマにした作品」を作ろうと企画し、作品の候補地として金沢の奥座敷と呼ばれる小さな温泉街「湯涌(ゆわく)温泉」が挙げられました。そして2009年10月、湯涌温泉観光協会は「アニメの舞台として起用させてほしい」という協力依頼を受けます。 

作品のモデルとなった旅館の代表は、制作会社の担当者から「アニメの舞台になると、多かれ少なかれ聖地巡礼に訪れる人が必ず来ます」と聞いても、“うさんくさい”と思っていたのだそう。しかし、制作会社がこの地域とのコミュニケーションを丁寧に行なった結果、協力体制が構築できました。 

引用:花咲くいろは|石川県金沢市 一般社団法人アニメツーリズム協会

作品に登場する架空の祭り「ぼんぼり祭り」は、2011年から実際の湯涌温泉にて開催が実現。現在では秋の風物詩として作品のファンだけでなく、作品を知らない観光客にも親しまれています。

湯涌温泉観光協会は、この作品が「地域のありのままの魅力」を描いた作品だったことから、特別なことはせず心からファンをもてなしたそうです。その結果、祭りをはじめとする地域の魅力にファンが気づき、毎年多くの観光客が訪れる場所となりました。

『ひこにゃん』|滋賀県彦根市

滋賀県彦根市キャラクター ひこにゃんは、彦根藩に伝わる「招き猫伝説」と、彦根藩を治めていた井伊直弼が使用していた赤備えの兜を掛け合わせて生まれたキャラクター。

引用:ひこにゃんFacebookページ

ひこにゃんは2007年に「国宝・彦根城築城400年祭」のキャラクターとして誕生し、地域の特徴や文化を形にしたご当地キャラ「ゆるキャラ」の代表的な存在となりました。
多くの土産品やグッズが誕生し、地元だけでなく首都圏でも商品等が販売され高いPR効果を発揮しています。今でも、年賀状やバレンタインのチョコレートが毎年たくさん届くなど、人気ぶりは健在です。

■コンテンツツーリズム成功のカギは「地域の姿勢」

コンテンツツーリズムを地域活性化につなげ、成功に導くためには地域の積極的な姿勢が重要です。観光協会や商工会が受け身では、コンテンツツーリズムは成功しません。

地域の姿勢づくりのためにすべきこと

地域が主体となって、地域外のトレンドにもアンテナを張り、作品のファンがどんなことを望んでいるのかを探り出すことが重要です。イベントやグッズなどの企画はもちろん、訪れた人々を地域一丸となって迎え入れ、関係人口につながるコアなファンとの関係を深めることにつなげていきましょう。

■キャラクターツーリズム成功のカギは「地域への根付き」

マンガやアニメ、映画に基づくコンテンツ以外にも、地域のよさを独自のストーリーやその地域に根づいたキャラクターをもって見せることもまた、地域を魅力的に発信する方法の一つです。

地域のよさを地域に根づいたキャラクターから発信

ここ数年続くご当地キャラクターブームに乗ってキャラクターをつくってみたはいいものの、地域の魅力がいまいち伝わっていない……という自治体も多いのではないでしょうか。ご当地キャラクターを最大限に活用するには、地域への根付きを強めること、そしてキャラクター自身のファン獲得が欠かせません。
そのための手段のひとつとして、マンガ活用をおすすめします。観光PRや行政サービスの紹介マンガにキャラクターを登場させることで、新たな可能性が生まれるかもしれません。

 トレンド・プロでは、地方自治体から依頼を受け、観光や教育などさまざまな目的のもとマンガを制作しています。なかには地域のキャラクターを登場させ、マンガ内の案内役として描いた作品なども。
 マンガやイラスト制作をご検討の方は、ぜひトレンド・プロへご相談ください!


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