22歳なのに、「○ね!クソジジイ!」と言われてしまった話
と言われました。22歳なのに!!笑
言われた時のシチュエーションを説明します。
その日、彼は日直でした。そして、その日のミッションとして(うちのクラスではその日のミッションを日直さんに決めてもらいます)、「先生を助けよう」に設定しました。
そして、早速助けを必要とする機会がありました。「先生を助けてくれる人」と言うと、彼を含めた、何人かが手を挙げました。
そこで僕は、一番最初に手を挙げた子を指名しました。
すると・・・日直の彼は途端に機嫌が悪くなりました。口も悪くなり、僕への暴言も増えました。その度に僕は無視していました。
そして、彼が落ち着いたかな・・・と思った頃合いに彼を読んで、
「どうして嫌なことばっかり言うの??」
と尋ねました。そうしたら、
「助けようと思ったのに、助けさせてもらえなかったから!」
そして、
「死ね!クソジジイ!」
と言われてしましました。
正直、イラッときました。でもここで喧嘩を買っても、売り言葉に買い言葉になると思って無視しました。
しばらく時間が経って、もう一度話す機会を作り、尋ねました。
「まだ謝ってもらってないんだけど」
すると、彼は素直に
「ごめんなさい」
と謝ってくれました。
「先生も謝ることある?」
「手伝わせてくれなかったこと」
「じゃあ、先生どうすればよかった?あなたと同じように、手伝いたいと思っている人がたくさんいたんだよ。良いアイデアがあったら教えてほしい。それに納得できたら謝ります。」
「じゃあ、もう良いです!!」
と言って、彼は去っていきました。
僕はこういう彼の行動を見ていて思いました(同じようなことは過去に何度もありました)。
「彼は困っているに違いない」
そう思って、感情のコントロールについての論文を読み(軽くですが)、次の日、素直に彼に尋ねてみることにしました。
「困っているよね?怒ってしまうこと。」
そう聞くと
「困っている」
彼はそう言いました。「やっぱり!」と思って、
「怒ってしまう時、自分じゃない感じがする?
と聞くと、
「うん」
と言いました。
「そのとき言ってしまったことを後悔したりする?」
と聞くと、これまた
「うん」
と言いました。
「それを直したいって思う??」
そう聞くと、やっぱり、
「うん。」
と言いました。
彼は、自分が困っていることを自覚し、それが好ましくないことを自覚し、なんとかしたいと思っている。
その意志さえ確認できれば、ここからは僕の出番だと、僕がやらねばとそう思いました。
でも、その方法があまりわかりません。知識も経験も足りないからです。だから、正しいかはわからないけど、前日に勉強したことを伝えてみることにしました。
僕が伝えたことはこんなことです。
自分にはコントロールできない自分がいるって言ってたよね。それを”ハルク”と名づけるよ。ハルクっていうのは、怒ったら緑色の怪物に変身しちゃう、アベンジャーズのメンバーのことです。
ハルクはね、悪い子じゃないんだ。君が嫌な思いをした時、不快な思いをしたとき、「彼を助けなきゃ!」と思って君を守るために出てくるんだって。でも、出てきたハルクは暴れん坊だから、いっつも怒られちゃう。君を守ろうとしているだけなのに。かわいそうだよね?
だから、ハルクはいじけちゃっているんだよ。「どうして自分だけ・・・」って。だから、もっと暴れん坊になっちゃう。
そこで、君にはハルクを理解してあげてほしいんだ。「僕を守るために出てきてくれたんだね」って。そうしたら、ハルクもどんどん大人しくなると思うんだ。
だから、君にお願いしたいことは二つ。
一つはブチってきた時に、「ハルクが出てきたな」って思おうとすること。
もう一つは、ハルクを認めてあげること。
先生もハルクを受け入れられるよう、努力します。協力して、ハルクと仲良しになろうね。
っていうことを伝えました。途中で自分も「何言ってるんだ??」ってなりましたが、意外にも彼は納得したようで、その日は一度もハルクが出てくることはなく終わりました。
そして次の日。こんな姿が見られました。
自分の思い通りにならないことがあり、ハルクが出てきました。
僕が、
「ハルクが出てきているよ。いつも○○さんを助けてくれてありがとう。でも、そんな態度とるとみんな怖いんだよね。」
と言うと、あらびっくり。彼がハッとして戻ってきました。
その後もイライラしている様子は見られましたが、懸命にジッと耐えていました。
一生懸命克服しようとしているんだな、、、
成長しようとしているんだな、、、
健気な彼の姿を見ていて、なんだか涙が出そうになってきました。
「死ねクソジジイ」
そう言われて、彼を突き放していたら彼のこんな姿は決して見られなかったと思います。
今後も嫌なことをたくさん言われるでしょうし、その度にしっかり傷つくと思います。
それでも、突き放したり、諦めたり、嫌いになったり、そんなことは決してないようにしたいなと思いました。
本当に難しいんですけどね!!
というか、よくよく考えたら四年生に
「死ねクソジジイ」
って言われる僕の学級経営がまずいんでしょうね、、、。
前の担任の時は全くこんなことなかったらしいし、、、。
いやぁ、奥が深いなぁ教育は!
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