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プロセスマネジメントを学ぶ

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定型業務の業務改善、工程可視化などです。
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#業務改善

『プロセス思考でビジネスが変わる』日常業務にプロセスの概念を持ち込もう!

ずっと読みたいと思っていて読めていなかった本を読むことができた。 『プロセス思考でビジネスが変わる』 土方 雅之 「プロセスマネジメント」を極めたいと思って日々業務をこなしている僕ではあるが、実はこの分野、意外とお手本となる教科書が少なかったりする。 IT向けの書籍はたくさんあるのだけれど、僕が求めているのはどちらかというとユーザー部門、オペレーション部署への指南書だった。 そんな中で出会った本が2冊。一冊目は、以前このnoteでも紹介したことがある『ビジネスプロセス

業務プロセスの「広さ」「深さ」、そして「成熟度」

久しぶりにプロセスマネジメントについての記事を書きます。 10,000字くらいの長い記事を書いても良かったのですが、図解も含めてコンパクトにまとめることにしました。 本記事で伝えたいことは以下の3点です。 その① 改善したい業務プロセスの問題が「広い」問題なのか「深い」問題なのかを事前に考える必要がある。間違っても混同してはいけない。 その② 「広い」かつ「深い」問題に対しては先に「広さ」の問題を解決する必要がある。「深さ」のアプローチから始めてはいけない。 その③

マニュアルを作り始める前に気にかけたいこと

どの組織でも知識の共有は課題の一つだと思います。知識を共有化して管理していくことを形式知化とよび、そのためにたくさんの便利なツールが存在しています。 中でも有名なツールがマニュアル(作業手順書)でしょう。先人の知見を書類でまとめたマニュアルはとても便利。うまく活用すれば作業効率化につながります。 わからないことがあったとき、マニュアルがなければ詳しい人を探して聞くしか解決方法がありません。しかし、マニュアルがあれば自分で調べて解決に至ることができるからです。 製造業をは

『カイゼン・ジャーニー』③孤独の改善 マインド編

第二部、第三部もまとめようかと思ったけどやめました 笑 今回は、たった1人で改善を始める場合のマインドについて。 第一部にリッチに3記事使って、本書の紹介は終わり。 前回の記事 『カイゼン・ジャーニー』①一人で始める改善活動 『カイゼン・ジャーニー』②孤独の改善 実践編 『カイゼン・ジャーニー』 市谷 聡啓 (著), 新井 剛 (著) 1人の改善はメンタル勝負?本書の第一部では、主人公の江島の視点で改善活動が語られる。 ここではタスクボードの導入→チームでの共用化

『カイゼン・ジャーニー』①一人で始める改善活動

業務改善を題材にしたビジネス小説はたくさんあるが、ストーリーの導入は実に様々。 経営危機からはじまるものもあれば、謎のコンサル登場から始まるものもある。起承転結の「起」の部分は、読者の興味を引きつけなければならず、役割も期待も大きい。 その点、本書『カイゼン・ジャーニー』はこれまで出会ったなかで最高の導入といえるかもしれない。 『カイゼン・ジャーニー』について『カイゼン・ジャーニー』 市谷 聡啓 (著), 新井 剛 (著) ITエンジニアとしてSIer企業に勤務する

「退屈なルーティンワーク」じゃない、「プロセスが洗練された業務」なんだ!

製造業出身でない僕は、製造業界の優れたところをたくさん見つけることができた。そのうちの一つは、業務プロセスが洗練されているということだ。 これについての詳細は、以前書いた記事を参照してほしい。 ところが、である。ほかの製造業関係者と話してみて気づいたのは、「洗練されたプロセス」の見方を少し変えれば魅力的ではなくなるということだ。 その方曰く、「製造業の仕事はルーティンワークばかりでつまらない」とのこと。 「プロセスが洗練された業務」と「退屈でつまらないルーティンワーク

プロセスマップに対する、ネガティブな反応への対処を考えてみる。

以前ご紹介したこともあるように、プロセスマップを作成することはほとんどの組織にとって有効です。 プロセスマップを作成することで、業務の全体像を知ることが容易になりますし、改善すべきプロセスの議論もしやすくなるからです。 これはBPMNという手法をもって描かれたプロセスマップです。プロセスの関連と分岐を図示した、まさに「業務プロセスの地図」となっています。 しかしプロセスマップを作ってみると、「こんなものを作る必要なない」という反応をうけることも多々あります。(プロセスマ

どの記事も読んでもらえたり「スキ」してもらえたら嬉しいけど、プロセスマネジメント系の記事へ反応をもらえたときは格別。 昔できなかったことの後悔や、将来やりたいことを言語化している最中なので…

プロセスマネジメント成否を分けるオペレーション管理者の存在

組織において、知識をどのように共有していくかは一つの課題だと思います。 知識を共有化して管理していくことを形式知化とよび、そのためにたくさんの便利なツールが存在しています。 これまでの記事で紹介してきたプロセスマネジメントは、形式知化を行うための一つの方法であるといえるでしょう。 プロセスマネジメントとは 業務の結果に至るプロセスを管理することで結果の最大化を目指す。 目指すべき結果に至るプロセス可視化、標準化する。 それによって業務の全体最適と再構築を容易にする。

プロセスマップの描き方を学ぶための教材3選

前回の記事では、プロセスマップが必要な理由について説明をさせていただきました。 今回はプロセスマップを実際に描けるようになるための教材をいくつか紹介します。 プロセスマップは誰にでも感覚的にわかりやすく業務を理解できるようにすることを目的としています。そのため記述ルールはかなりシンプルです。そして、記述ルールを厳守しなくても相手に内容が伝われば目的を果たしているとも言えます。 それでもプロセスマップの目的や用途、最低限の作法は身につけておいたほうが良いでしょう。英会話に

属人化・暗黙知化を避けるためにはプロセスマップが必須なワケ

プロセスマップという言葉を初めて聞く方もいらっしゃると思うので、最初に説明します。プロセスマップとはプロセスを視覚的に表す図のこと。業務を行ううえでの全体像や分岐を図示したもの。まさに業務プロセスの地図です。 たとえばこのようなイメージです。 これはBPMNという手法をもって描かれたプロセスマップです。BPMNについては後日別の記事にて説明する予定です。 プロセスマップがあれば、チームメンバー間でのプロセスの議論が円滑になりますし、問題点の把握、改善点の洗い出し、役割分

『ザ・ゴール』③ボトルネックを探せ!

『ザ・ゴール コミック版』エリヤフ・ゴールドラット 著 前回の記事:『ザ・ゴール』②ビジネスをカネの流れで考える思考 業務改善のバイブル(と僕が勝手に思っている)である本書。これまでの記事では「企業の目的は利益を得ること」「自社のビジネスをカネの流れとして把握すること」の重要性について解説した。今回はそれらを踏まえたうえで具体的な改善方法について考えていく。 交通渋滞を改善するには?本書から少しそれた視点にはなるが、交通渋滞を改善する方法を考えてみたい。これが業務改善の

『ザ・ゴール』②ビジネスをカネの流れで考える思考

『ザ・ゴール コミック版』エリヤフ・ゴールドラット 著 前回の記事:『ザ・ゴール』①生産性の正体 業務改善についてシンプルかつ実用的な手法を教えてくれる本書。経営者目線ではなく、現場からの解決策が示されていることが本書の良いところ。 前回の記事では「企業の目的は利益を得ること」であり、「生産性を高めるとはより多くの利益を上げること」であると確認した。今回は業務改善に必要な思考法について。 ビジネスをシンプルにとらえなおす業務改善を行う時、どこから手をつけるべきかという

『ザ・ゴール』①生産性の正体

『ザ・ゴール コミック版』エリヤフ・ゴールドラット 著 「日本企業の生産性が低い」「生産性をあげろ!」という議論はニュース等でよくに耳にするが、「生産性とは何か」「生産性を上げるためには何が必要なのか」について議論がされることは少ないように思う。 本書では「企業の目的は利益を得ることである」とし、「生産性を高める」とはより多くの利益を上げることであるという。 これを聞いて「いやいや、何をいまさらそんな当たり前のことを」と思った方もいるだろう。だが、よくよく考えてみてほし