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プロセスマネジメントを学ぶ

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定型業務の業務改善、工程可視化などです。
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#マネジメント

業務プロセスの「広さ」「深さ」、そして「成熟度」

久しぶりにプロセスマネジメントについての記事を書きます。 10,000字くらいの長い記事を書いても良かったのですが、図解も含めてコンパクトにまとめることにしました。 本記事で伝えたいことは以下の3点です。 その① 改善したい業務プロセスの問題が「広い」問題なのか「深い」問題なのかを事前に考える必要がある。間違っても混同してはいけない。 その② 「広い」かつ「深い」問題に対しては先に「広さ」の問題を解決する必要がある。「深さ」のアプローチから始めてはいけない。 その③

『クリティカルチェーン』②最適な納期管理

『クリティカルチェーン』 エリヤフ・ゴールドラット 著 前回の記事: 『クリティカルチェーン』①プロジェクトマネジメントの常識を覆す! TOC理論がプロジェクトマネジメントにも適用できることを示した本書。 今回は、納期最適化の方法について。 5+5=13? 本書では興味深いたとえ話が登場する。それが「5+5=13」だ。 常識では、5+5=10である。それがプロジェクトマネジメントの世界では5+5=13となることが当たり前だという。 どういうことか? プロジェク

『クリティカルチェーン』①プロジェクトマネジメントの常識を覆す!

『クリティカルチェーン』 エリヤフ・ゴールドラット 著 なぜ、プロジェクトは予定通り進まないのか? という副題が示す通り、本書はプロジェクトの納期を最適化させるための手法を示している。 これまで読んたゴールドラット博士の著書は、理論よりの説明が中心だった。『ザ・ゴール』ではTOC理論が提示され、『チェンジ・ザ・ルール』ではそれが製造業以外の業界でも通じることが紹介された。 一方、本書ではTOC理論がプロジェクトマネジメントの世界でも生かせることを示している。その内容はか

なぜ僕の残業は無くならなかったのか?2種類の「複雑さ」を考える。

これは僕が意識高い系のサラリーマンだったころのお話。 僕は毎日のように深夜残業に勤しんでいた。いや、僕だけではない。上司を含む、僕の所属するチームメンバーのほとんどが残業していた。 皆が「残業を減らしたい」と願っていた。当然ながら残業を減らすための取り組みが多く行われた。しかし、残念ながら残業が減ることはなく、むしろ増える一方だった。 なぜだろうか? 皆が無能だったのだろうか? それとも気合が足りなかった? もちろんどれも違う。そして今ならその答えがわかる。問題解

『チェンジ・ザ・ルール!』ザ・ゴールのその先へ

『ザ・ゴール』という有名な小説をご存じだろうか? イスラエルの物理学者、ゴールドラット氏による理論を物語でわかりやすくまとめたビジネス書で、「TOC(制約条件の理論)」を一躍有名にさせた。 『ザ・ゴール』は、マンガ版も出版されているのでぜひ読んでみてほしい。 『ザ・ゴール コミック版』エリヤフ・ゴールドラット 著 なお、今回取り上げたいのは『ザ・ゴール』ではない。その続編シリーズのうちの一冊である『チェンジ・ザ・ルール!』(原作名:Necessary But Not

プロセスマネジメント成否を分けるオペレーション管理者の存在

組織において、知識をどのように共有していくかは一つの課題だと思います。 知識を共有化して管理していくことを形式知化とよび、そのためにたくさんの便利なツールが存在しています。 これまでの記事で紹介してきたプロセスマネジメントは、形式知化を行うための一つの方法であるといえるでしょう。 プロセスマネジメントとは 業務の結果に至るプロセスを管理することで結果の最大化を目指す。 目指すべき結果に至るプロセス可視化、標準化する。 それによって業務の全体最適と再構築を容易にする。

『ザ・会社改造』改革の危機と突破

プロ経営者である三枝匡による、ミスミでの成功体験を描いた小説『ザ・会社改造』。経営改革のためのノウハウを学べるし、小説としても面白い。 今回は、特に僕の印象に残ったカスタマー・センターのオペレーション改革(第7章)についてまとめた。 『ザ・会社改造』 三枝匡 著 本章のあらすじミスミは地方に点在するセンターを東京へ一括移転するという試みを行った。これにより600人体制で行っていたカスタマー・センター事業を、わずか145人でこなせる体制へと移行させた。 しかしその経緯は

プロセスマップの描き方を学ぶための教材3選

前回の記事では、プロセスマップが必要な理由について説明をさせていただきました。 今回はプロセスマップを実際に描けるようになるための教材をいくつか紹介します。 プロセスマップは誰にでも感覚的にわかりやすく業務を理解できるようにすることを目的としています。そのため記述ルールはかなりシンプルです。そして、記述ルールを厳守しなくても相手に内容が伝われば目的を果たしているとも言えます。 それでもプロセスマップの目的や用途、最低限の作法は身につけておいたほうが良いでしょう。英会話に

属人化・暗黙知化を避けるためにはプロセスマップが必須なワケ

プロセスマップという言葉を初めて聞く方もいらっしゃると思うので、最初に説明します。プロセスマップとはプロセスを視覚的に表す図のこと。業務を行ううえでの全体像や分岐を図示したもの。まさに業務プロセスの地図です。 たとえばこのようなイメージです。 これはBPMNという手法をもって描かれたプロセスマップです。BPMNについては後日別の記事にて説明する予定です。 プロセスマップがあれば、チームメンバー間でのプロセスの議論が円滑になりますし、問題点の把握、改善点の洗い出し、役割分

企画部署と運用部署の対立は宿命かもしれない。有期プロジェクトを推進する企画と、工程遵守・無事故を重視する運用では大切にしたいものが異なるからだ。 優れたバランス感覚を持つ人でなければ両部署の連携を促すのは難しい。これまで僕が見てきたマネージャーが「超人」ばかりなのも納得である。

ITパスポートが予想以上に実用的な資格だったので取得をオススメしたい。

IoT、RPA、DX などITを使って何かできそう!やってみたい!そう思っている人は多いと思います。 一方で、ITの勉強をしたいけど専門的なことは何もわからない、ITと聞くだけで蕁麻疹が出そう。。。そんな方も多いと思います。 ITパスポートは、ITを使って何ができるか、ITを学ぶためにはどういったことを勉強する必要があるかということを学ぶために非常に役立つ資格です。 難易度については高くないので、これから学び始める人にとってもよい入門編となるでしょう! ITパスポート