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プロセスマネジメントを学ぶ

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定型業務の業務改善、工程可視化などです。
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2020年9月の記事一覧

『チェンジ・ザ・ルール!』全体最適への指標を作れ!

『チェンジ・ザ・ルール!』エリヤフ・ゴールドラット 著 全体最適とは何か?経営と現場を結び付けて改善を考えるためにはどうすればよいのか?もしそういった悩みがあるのであれば、ぜひ本書を手に取ってほしい。小説でわかりやすく全体最適について学ぶことができるだろう。 全体最適を目指すうえで考えなければいけないことは多くあるが、今回はその一つである指標(KPI)について考える。 そのKPIは全体最適につながるか?「すべての企業の目的は儲けることである」というのが前作『ザ・ゴール』

『チェンジ・ザ・ルール!』~ITベンダ編~ テクノロジーではなく、バリューを売れ!

『チェンジ・ザ・ルール!』エリヤフ・ゴールドラット 著 全体最適を目指したテクノロジーの導入を描いた小説、『チェンジ・ザ・ルール!』(原作名:Necessary But Not Sufficient)。様々な立場からシステム導入の難しさが描かれている。 今回は、主人公サイドであるITベンダの視点でシステム導入を行う場合に心がけたいことをまとめようと思う。本書以外で学んだ内容と共通する部分も多く、納得しながら読み進めることができた。 膨張する要求を整理せよ!本書は全6章か

『チェンジ・ザ・ルール!』~ユーザー編~ そのシステム導入、本当に儲かりますか?

『チェンジ・ザ・ルール!』エリヤフ・ゴールドラット 著 関係者全員が幸せになれるシステム導入とはどのようなものか?本書、『チェンジ・ザ・ルール!』(原作名:Necessary But Not Sufficient)はそれを考えさせてくれる小説だ。 今回は、本書から学んだITシステム導入時にユーザー側で心がけておきたいことについてまとめる。 システム導入の決裁を得るために近年は様々なITシステムが溢れている。それらを利用することによって苦痛な業務から解放される、データの一

『チェンジ・ザ・ルール!』ザ・ゴールのその先へ

『ザ・ゴール』という有名な小説をご存じだろうか? イスラエルの物理学者、ゴールドラット氏による理論を物語でわかりやすくまとめたビジネス書で、「TOC(制約条件の理論)」を一躍有名にさせた。 『ザ・ゴール』は、マンガ版も出版されているのでぜひ読んでみてほしい。 『ザ・ゴール コミック版』エリヤフ・ゴールドラット 著 なお、今回取り上げたいのは『ザ・ゴール』ではない。その続編シリーズのうちの一冊である『チェンジ・ザ・ルール!』(原作名:Necessary But Not

プロセスマネジメント成否を分けるオペレーション管理者のおしごと

前回記事では、オペレーション管理者がプロセスマネジメント成功のために重要なポジションであることを説明しました。 前回記事: プロセスマネジメント成否を分けるオペレーション管理者の存在 オペレーション管理者の役割は、下記の3つに要約できます。 ①組織横断で業務を可視化しドキュメント管理を行う ②部署間業務の調整を行い全体最適を促す ③決められた通りに業務が実行できているかをモニタリングする 今回の記事では、その内容を具体的に確認していきます。 ①業務可視化とドキュメン

プロセスマネジメント成否を分けるオペレーション管理者の存在

組織において、知識をどのように共有していくかは一つの課題だと思います。 知識を共有化して管理していくことを形式知化とよび、そのためにたくさんの便利なツールが存在しています。 これまでの記事で紹介してきたプロセスマネジメントは、形式知化を行うための一つの方法であるといえるでしょう。 プロセスマネジメントとは 業務の結果に至るプロセスを管理することで結果の最大化を目指す。 目指すべき結果に至るプロセス可視化、標準化する。 それによって業務の全体最適と再構築を容易にする。

『社長失格』しくじり起業家の独白

人の成功談を聞くことは有意義だが、失敗談からも学べることも大いにある。 今回紹介する書籍は『社長失格』。1998年、ITバブルを背景に倒産したハイパーネット社について、その創業者である板倉雄一郎氏が語ったしくじり体験記だ。 『社長失格』板倉雄一郎 著 ニュービジネス大賞を受賞までした著者が、そのわずか2年後に倒産を経験する。本書では、起業→絶頂→崩壊の一連の流れを畳みかけるように綴られている。 読者の視点としては、倒産するという結末が最初からわかっているだけにスリルが

『ザ・会社改造』改革の危機と突破

プロ経営者である三枝匡による、ミスミでの成功体験を描いた小説『ザ・会社改造』。経営改革のためのノウハウを学べるし、小説としても面白い。 今回は、特に僕の印象に残ったカスタマー・センターのオペレーション改革(第7章)についてまとめた。 『ザ・会社改造』 三枝匡 著 本章のあらすじミスミは地方に点在するセンターを東京へ一括移転するという試みを行った。これにより600人体制で行っていたカスタマー・センター事業を、わずか145人でこなせる体制へと移行させた。 しかしその経緯は