見出し画像

ようこそ! ちょっと風変わりで、とても短い掌編小説はいかがでしょう。

第19話 選挙(その一)
https://note.com/tozoshort/n/n681937e5fe68

第20話 選挙(その二)

選挙7

 ここは開票所。着々と投票用紙が集められ、候補者名がカウントされていた。
 そんな中、一人の職員がある異変に気づいた。
 そのため、監督している上司が目の前に現れた時、二つの束を見せながら報告した。

選挙8-

「おかしなことに、ある候補の無効票がとても多いです。氏名は記入されているんですが、ほぼ半数が条件を満たしていません」と。
 これには上司も、目を丸くした。どうやら滅多にないことか? そしてその後、当然ながら上司は、無効になった理由を尋ねてきた。
「どういう不具合で無効票になっているのだね?」と。
 職員は言った。
「余計な文言が記入されているんですよ」
「……余計な文言? さてさて、何て書いてあるんだ?」
 すると、職員は一枚の投票用紙を手に取り読み上げた。

選挙9

「概ね、同じ内容なんですが……『山田一郎、お前はうるさい』です」


画像4


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?