リスを実装する を読んだ【書評】
こんにちはtozicaです。
今日はきんきん金曜日!
リスを実装する を読んだ
お試しで入ってるKindle Unlimitedで気になった本を適当に漁って読むというのを相変わらず繰り返しています。
Kindle Unlimitedね~~~、色々読めて悪くないし、たまに当たりはあるんですけど、今のところ月額1000円ほどを払って続けるほどではないなぁという印象。
高い月額の割にラインナップが微妙で、漫画の最初の1,2巻だけとか、昔のベストセラーとか、よく分からないマイナーな雑誌とか、有志が出してる同人誌みたいな本とか、なんかそんな感じのばっかりなんですよねー。
とはいえ、自分でお金を出してまで読むことは絶対に無かったであろう作品に接することができたという点では割と良いなぁとも思ってて、今回の「リスを実装する」も100ページくらいの短編なんですけど、なかなか面白かったです。
円城 塔っていう割と有名なSF作家の人?が書いた作品らしいんですけど、個人的には完全に初見。
ただ、この人の代表作が「Self-Reference ENGINE」っていうんですけど、なんかどこかでタイトルだけは聞いたことあるような……っていう気持ちになった。
あと、さっき調べたら母校がわたしと一緒でびっくりしちゃった。
伊坂幸太郎といい、うちの大学出身の小説家、意外と多いな。
んで、この「リスを実装する」がどういう話かというと、タイトルの通りにリスを実装する話です。
エンジニアである主人公(野見実)がコンピューターの中で作ったリスのプログラムについての話とリンクさせながら、主人公自身のこれまでの人生を追憶していく…みたいな感じの話。
主人公が過去を振り返るだけなので特に大事件が起こったりするわけでもないし、文体もかなり無機質な感じなので、作品全体としてはすごく淡々とした印象があります。
以下は冒頭でリスについて書いてある文章なんですけど、これ以降の文章もずっとこんな調子で続く。
そんな感じで非常に風変わりな作品ではあったんですけど、意外とするする読めちゃうし、読後感もなんか暖かい感じで、読んでて心地よかったです。
意志や人生をプログラムの挙動になぞらえる語り口も、個人的には親しみやすくて良かった気がする。
でも逆に言えば、プログラムに普段あんまり触れない人には、ちょっと読みづらいかも知れないですね。
オブジェクト指向プログラミングとか関数型言語とか、そういう専門用語が途中でしれっと出てきたりするので。
そんなわけで、初めて触れる作家さんながら、なかなか楽しめました。
読み終わった勢いで、代表作である「Self-Reference ENGINE」も買ってみたので、そちらも時間をみつけてちょこちょこ読んでいきたいと思います。
ああ~~~~~積読が増えていく~~~~~。
おしまい。