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【手品・マジック解説】Ⅼazy man's silk through the glass

長年マジックをやっていても、複数の手品入門書に掲載されているにも関わらず、あまり実演していなかった、という作品は結構あるものです。「シルク抜き」、「グラスを貫通するシルク」などと呼ばれるマジックもその一つでした。

子供向けの入門書などにもよく載っていた作品です。今から思えばシルクそのものの説明や入手方法が書いてないのにこの作品の種明かしだけ載っている不親切な入門書も多かった気がします。その為、演じようと思っても道具的なハードルで手を出せなかった作品です。そして、いつの間にかもっと”高度な”マジックに興味がうつり、いつしか忘れてしまっていました。

しかし、この「シルクがグラスの底を貫通する」というプロットは大変優れておりシルクマジック大辞典にもいくつもの手法が解説されています。東京堂出版が出していた奇術入門シリーズの「シルクマジック」と「ステージマジック」にもそれぞれ解説があるほどです。

実際に演じて見ると、思った以上にビジュアルで効果的なマジックです。グラスだけ調達出来れば、かさばらない道具で準備無しに行う事が出来ます。今回は「シークレットムーブを簡易にする」「貫通の瞬間をビジュアルにする」という2点を考慮しにハンドリングを組みました。結果、実にものぐさな解決法になった為、「怠け者のシルクスルーグラス」というタイトルにしました。

シルクに仕掛けを施して行う古典的な手法を、ファリアというマジシャンが準備無しで即席で出来るようにしました。ファリアの手法よりさらに簡易化させたのか今回の手順です。

【現象】
透明なグラスにシルクを一枚入れます。別のハンカチでグラスの口を覆い、輪ゴムをかけてグラスの口を完全に閉じてしまいます。これで、グラスの中は密室状態になった為、中のシルクを取り出す事は出来ません。
しかし、演者はグラスの底からシルクを抜き出してしまいます。シルクを抜き出した後もグラスの口は輪ゴムで止められたハンカチで覆われたままです。

解説は有料になります。

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