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本〈ペガサスの記憶〉

認知症を患う桐島洋子。
途中まで書き上げた自伝を子供たちが仕上げたという今作。

彼女はわたしのはじめて触れた「おとなの女性」であり「自由」であった。

小学校低学年のときに、下の名が同じだからという理由でなんとなく手に取った「渚と澪と舵」。ぶん殴られた。
来る日も来る日も貪るように読んだ。
そしてその年の夏休み、読書感想文に。
既婚者のアメリカ人との間に3子をもうけた話に、担任は「まだ早い」と別の本を読み直すように言った。
なんで読み直さなきゃならないんだ、
改稿して再度提出。
わたしのだけ廊下に張り出されなかった。
「自由」とはとても難しいものなんだなと、だからこそいいなって思った記憶。

そんなこんなで、噛み締めながら読んでる。

3人の子供たちは私より年上だけど、なんだか昔からよく知る子供のような不思議な感覚で、この表紙見ただけで「こんなに大きくなってぇ」などとなってしまった。

桐島洋子はある種わたしの始まりなのかも知れない。

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