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■ 経塚の碑 ■

浦添市の経塚にある「経塚の碑」に行ってきました。昔、このあたりは松が生い茂る人里離れたさみしい場所で、ここに棲みつく妖怪が道ゆく人々をたぶらかしていたそうです。それを以前紹介した「日秀上人」が退治したと言われています。

琉球王朝が尚真王の時代、日秀上人が首里から浦添に通ずる道中の丘に妖怪が出没し、村人を困らせていると聞いて「金剛経文」を小石に写して土の中に埋めました。その上に「金剛嶺」を刻んだ石碑を建てると、それ以降、妖怪は現れなくなったそうです。

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さて、沖縄の人は昔から地震や災害などがあると…

「チョーチカチカ」

と、三度唱えます。これにも逸話があり…

昔々
首里の国王が家来に国頭へ書状を届けるよう命じました。家来は書状を届け終わると、経塚で一休みしようと木陰で酒を飲み寝入ってしまいました。寝ている間に大きな地震が起きたのですが、家来はぐっすりと寝ていたので地震には全く気がつきませんでした。目を覚ました家来が首里城に戻ると、国王から…

「大きな地震があったが、無事だったか?」

と、聞かれました。ですが、酒を飲んで寝ていたと言えず、家来は経塚で休んでいたが気付かなかったと申し上げました。それから、「経塚には地震がない」という噂が広まり、地震が起こると無事に収まるように「チョーチカ、チョーチカ」と、おまじないを唱えるようになったそうです。いつしか地震がないのも金剛経文のおかげと言われるようになりました。

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