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何があっても寛容な気持ちを持ち続けるための管理職の心得 重職心得箇条 第11条

管理職は、心を大きく、広く持ち、
社員を分け隔てなく受け入れる寛容さがなければならない。

細かい事に囚われて、
自分のやり方を主張し、
頑固を通して、自分の価値観で相手を見ると、
幾ら優秀な能力があっても、管理職として職務を果たせない。

管理職で必要なことは、寛容さ。
多くの人を受け入れる器こそ、管理職に必要なものなのだ。

そうはいうけれど、それではどうしたら、寛容な人間であり続けることが出来るのか。

佐藤一斎先生の重職心得箇条 第11条
胸中を豁大(かつだい)寛広にすべし。僅少の事を大造(=大層)に心得て、狹迫なる振る舞いあるべからず仮令 才ありて其の用を果たさず。人を容るる気象と物を蓄うる器量こそ、誠に大臣の体と云ふべし。

この佐藤一斎先生の重職心得箇条は、
重職(管理職)への条文なので、
寛容さは、誰に持つかというと、社員だけではなく、
社長に対しても向けられている。

そもそも重職心得箇条とは、岩村藩の若き藩主を支えるために、重職に向けて戒めた「管理職心得マニュアル」。

そのため、どんなに社長が頼りなくても、寛容さをもって育てなさい。

ということ。

社長と共に会社の中枢を創るのが重職の仕事。

「寛容とは山の如し」
自らは動じず風雲(新しい時代の風)をおこす存在

会社理念は動かさず、時代を切り開くアイデアや創造性や時代の変化を引き起こす存在こそが、会社中枢部の役割だ。

中枢とは何だろうか。
例えば中枢神経とは、神経系の中で多数の神経細胞が集まって大きなまとまりになっている領域のこと。
つまり、会社の中枢とは、多数の幹部が集まっておおきなまとまりになっている領域であり、社長一人では成り立たない。

初代社長は、新しいものを創り出す力はあるが、維持管理は苦手、二代目・三代目は継承するのが精いっぱいで、初代社長の力強さはないものだ。
会社というのは多角性を求められるから、一人のリーダーだと幅がでない。
だからこそ、必要なのが重職なのだ。

お互いのないものを補填する事こそが、重職(管理職)の役割だ。

今朝の勉強会で、渡辺知樹氏は、寛容さを次の3点にまとめてくれた。

寛容さとは何か。
①承認力(任せる力・認めてあげる力) 
②細かいことを言わない
(一度任せたら、細かい事は言わず、見守る姿勢を貫く) 
③存在価値を認める(自己肯定感を下げないようにする。それがチャレンジする個・組織を作る)

重職(管理職)とは、組織の扇の要を担う役割。
社長を支えると共に、部下にも寛容な態度で接し、中枢をつくりあげなければならない。

寛容さなど、今のような激動の時代に入ると忘れがちになってしまう。
激動の時代は、何が良いのか悪いのか不透明、故に、ひとの心に焦燥感が生じ、イラっとしている人が増えてくるので、ちょっとした上司(社長)や部下のミスにより、会社そのものの興亡が関わってくる。
平和な時は「いいよ、やり直して」で済んだことも、現在のような時代になると、そんな悠長な事など言ってはいられない。

それでは、どうすれば寛容な気持ちを持ち続けることが出来るのか。そこで、今朝の勉強会の「上司に使われる立場にいる人たち」の意見を聞いてみよう。

「ミスした時に、指摘することは当たり前。だからこそ、感情的にならない。そんな上司に報いたいと思う。」
「ミスしたことはわかっているから、感情的になりそうな所をグッとこらえて欲しい。そして私の存在価値を認めて欲しい。」
「私の上司は人一倍努力をしている人。だから私も安心して相談できるし、失敗しても、私がこれまで頑張ってきている事はわかってくれると思う。」

佐藤一斎先生は、言志四録 第19条でこのような事を述べている。

面は冷ならんことを欲し、背は煖ならんことを欲し、胸は虚ならんことを欲し、腹は実ならんことを欲す。

何があっても、
感情を押し隠して、顔には感情を出さずに冷静に、
ひたすら目的に向かって努力する情熱的な後ろ姿を見せれば、
人々は安心する。
虚心坦懐、我欲を抱かず、偏見を持たずに相手を平等に捉えて接すること。
何よりも必要なものは、何があっても動じない胆力(肝っ玉)。
それこそが、寛容たる人間の姿である。

そんな人間を育成するのに有効なのが武道。武道が出来なければ書道でも良いらしい。(言志録によると)
私は華道しかやったことがないけれど、
確かに、たった1回の鋏の入れ方で、
花材が生かされるかどうか決まるから、真剣勝負の連続だった。

しかし、本音は本日の勉強会での経営者サイドの意見、
「たったひとつの小さなミスが、会社全体の存亡にかかわる時代だから、中々寛容になどなっていられない。」

確かにその通り。

自分の感情を抑えるためにも、毎朝15分間、まずは東洋哲理を読んでいきましょう。昔の人も恐らく後継者にイラついたもので、これは恐らく永遠のテーマなので、読んでいる内に何かが見つかるかもしれません。
それではまた明日。

山脇史端

※毎朝15分間の言志録勉強会
オブザーバー参加は無料なので、気軽にお問合せ戴けたらと思います。

日本の経営を元気にしたい、そのソリューションとして学んでいます。

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