秩父夜祭り2023年12月3日


2023.12.03
2011,2016年に続き3度目の秩父夜祭りを観覧にやって来た。今回も前回同様、近隣駅に車を止め、そこから列車乗り換えて秩父駅に降り立った。秩父夜祭りは、日本三大曳山祭り(京都祇園祭り・飛騨高山祭り)の一つとして知られているお祭りで、その歴史は古く、300ほど前から始められ、毎年、12月2日(宵宮)・3日(大祭)の日程で行なわれ、週末にならなければ出掛けることが出来なかったが、今年は幸いに土・日曜日になり出掛ていた。


まずは、秩父神社に出掛けていった。


すると既に神事が始まっていた。秩父夜祭は秩父神社の最も重要な例大祭であり、地域を護る神様へ感謝を捧げる神事として、秩父祭屋台の運行が行われ、秩父祭屋台と言われる山車が4基、笠鉾が2基の計6基からなり、どれも釘を使わず組み立てられ、『動く陽明門』と言われるほど豪華絢爛であった。


【宮地屋台】秩父屋台のうち最も古く、端正な姿をとどめている。


後幕は想像上の霊獣。猩猩(しょうじょう)。


水引幕は飛鶴の刺繍である。


2016年12月1日にユネスコの無形文化遺産として『日本の山・鉾・屋台行事』が登録されました。全部で18府県33件が一挙に登録されましたが、秩父は『秩父祭の屋台行事と神楽』と言う名目でその中の1件に数えられ、元々、秩父夜祭りは国の『重要有形民俗文化財(秩父祭屋台)』および『重要無形民俗文化財(秩父祭屋台の祭り囃子、踊り、秩父神楽)』に登録されており、両方に登録されているのは5例しか無い。


【屋台芝居】屋台の両側に張出舞台を付けて、芸座を組み立てて上演する独特の様式は全国でも珍しく、舞台の準備から撤収までの手際の良さは一見の価値があります。

これは

下郷笠鉾で、明治29年製造で3層の花笠、万燈等を付した秩父地方最大の笠鉾で、大正3年の電線架設に伴い、大正6年から現在の2層の屋型で曳行することになった。


【上町屋台】屋根の4台の屋台の中で最も大きい。軒の出も多く華麗な屋台で、牡丹に唐獅子の水引幕、鯉の滝昇りの後幕の刺繍も見事であった。


【中近笠鉾】総体黒漆で、随所に金具を打ち、鬼板、懸魚(げぎょ)、妻飾りなど極彩色の彫刻を飾った宮殿風な構え。勾欄(こうらん)の丸彫金箔押の龍や内室の二十四考の彫刻は見どころであった。


この祭りは江戸中期、秩父神社に立った絹織物の市「絹大市」の経済的な発展と共に、盛大に行われるようになり、その後日本を代表する祭りとして知られるようになっていった。


今日この日も絹市が開催されていたが、養蚕が盛んな頃はきっと華やかだったんだろう。



17時を回り夕闇が迫り始めると提灯に明かりが灯され始めた。屋台のボンボリの明かりは全て本物の蝋燭を使用し、近年多用され始めたLEDの明かりは使われていないという。


明かり一つでも、しっかりと伝統を守る姿勢が伺え、力強い囃子太鼓の空気の揺れや、進行する時の屋台の振動で、ボンボリの蝋燭の灯が微妙にゆらゆら揺れて、 何とも云えない情緒を醸し出している、夕闇の中美しく浮かび上がる屋台を近くで観たり、記念撮影をするには宵宮のこの時間がおススメで、もう少しこの余韻慕っていたかったが、家まで約3時間掛かるため、後ろ髪引かれる思いでこの地を後にしていた。


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