見出し画像

「お祭りを盛り上げる」ビジネス

オマツリジャパンが日本の祭りを盛り上げる



 オマツリジャパンという会社の活躍が日経MJで紹介されていました。この会社はその名の通り、全国のお祭りを盛り上げることを業にしています。具体的には、1.お祭りのPR、プロモーション 2.お祭りプロデュース 3.インバウンド対応 4.コンサルティングなどの事業を行っています。

 これを読んでいる皆さんの街にも大小さまざまなお祭りがあるはず。それらは地元の有志や町内会などが中心となって運営されていて、彼らの共通の悩みは、「資金不足」「人手不足」「マンネリ化による集客不足」であることは想像に難くありません。

 オマツリジャパンは、自らが運営を手伝ったり、運営者と協力者をマッチングしたりすることで、お祭りの人手不足を解消し、アイデアや企画を出すことでマンネリの打破をサポートします。

 さらに、お祭りで「テストマーケティング」や「認知度向上」を図りたい企業から協賛金を取り付け、運営者の運営資金が潤うような仕組みを作り、資金不足も解消します。実は、お祭りというのは、企業のマーケティングリサーチ活動の場として最適。

 オマツリジャパンによると「祭りに来る人は好奇心旺盛で、楽しめるコンテンツを求めている。企業にとって活用できる場面は多い」のだとか。例えばキリンホールディングスはオマツリジャパンを通じて、昨年の「目黒さんま祭り」で食品のテストをしたところ大盛況。アンケートにはストレートな意見も多く「バイアスが少ないリアルな検証ができた」と満足顔だったそうです(日経MJ)。

 オマツリジャパンを立ち上げた加藤優子社長は32歳の女性起業家。美大を卒業後、日本の伝統文化が好きで漬物メーカーに就職。お祭りも好きで、働きながら、社会人サークルでお祭りの手伝いとして参加するうちに「手伝ってほしい」という依頼がどんどん増え、ならばとそれをきっかけに起業したそうです。

重要な5つのヒント


 このオマツリジャパンの事例からは、重要な5つのヒントが得られます。

 まず1つ目は、事業が「困っている人を助ける」ところから始まっていること。これは多くの成功した事業に共通します。つまり満たされていない強いニーズがあるからこそ、事業が成り立つ。

2つ目は、創業者である加藤社長の「好きなこと」が中心軸にあること。伝統文化や祭りが好きで、趣味で祭りに参加していたら、運営者たちと知り合った。彼らと深く付き合うと、外からは見えない具体的なニーズ(お困りごと)が見えてきた。それを解決するための必然としてオマツリジャパンが生まれた。

3つ目は地方創生、伝統文化の継承という大義があるため、行政や大企業の他、個人も含めて協力者・賛同者を得やすいこと。オマツリジャパンが活躍すればするほど、これらの人たちがWIN-WIN-WIN・・・とつながっていく。そしてコンセプトやビジョンが明確だから拡散しやすい。まず「オマツリジャパン」という名前だけで、やろうとしていることがイメージできる。

そして4つ目は、時流に乗っているということ。モノ消費からコト消費へと進化し始めたインバウンドのニーズを取り込んでいる。またお祭りの運営に参加し盛り上げる「サポーター」を募るという「一般消費者参加型・巻き込み型ビジネス」の側面もあり、これも時流に乗っている。

5つ目は、これらの不特定多数の参加者や協力者を募り、まとめあげていくためにWEBを積極的に活用して「祭りのプラットフォーム」となっていること。オマツリジャパンのサイトには何度も見たくなるような興味深いコンテンツが盛りだくさんとなっている(WEB戦略にしっかり投資していることが見えます)

自分のビジネスにどう生かすか


 さて、オマツリジャパンのビジネスの概要を見て来ましたが、最後に、ここから私たちが何を学び、どのように自分の事業・仕事に取り入れるか、を考えたいと思います。

まず、自分の好きなことを追求してみることの重要性です。たとえば仕事外の趣味で、そこを深掘りしたら、何かビジネスのアイデアに出会えないか、と考えること。ゴルフが好きな人なら、ゴルフ関係者の共通的な悩み、あるいはニッチなニーズを探ってみる。そこにある「お困りごと」に辿り着いたら、ビジネスの種になる可能性がある。そこと現在の自分の仕事と結び付けて、新たな事業を生み出せないか、と発想してみる。

あるいは、あなたのビジネスと地方創生を結び付けられないか。飲食店なら地産地消をすることで地域に貢献できるし、ものづくりをしている人が空き家でワークショップを開く、というのもその第一歩になるかもしれません。
 
 また、自分たちの事業に、一般消費者を参加させ、「参加・巻き込み型」にチャレンジしてみることも考えられます。ある印刷会社が、本を印刷する工程を見学してもらい、ワークショップを開く、というニュースがありました。自分たちにしてみれば日常で当たり前のことが、他の人にとっては非日常で新鮮だ、ということはよくあること。当たり前を疑って、仲間と参加型のアイデアを出し合ってみてください。きっと何かが出来るはずです。

オマツリジャパン。事業内容を知るほど「おもしろそう!」とワクワクしてきます。それくらい魅力的。だからこそ、多くの人に支持されているんですね。彼女らのビジネスをヒントに、ぜひ自分の事業を盛り上げて欲しいと思います。


【現状打破したい人向け分かりやすいマーケティング入門書「売るため7」。無料ダウンロード実施中!!!↓↓】

無料ダウンロード→→ https://raymac.jp/business/booklet/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?