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体力を補充し冬に備える食材! ~卵~

今週の薬膳は日常生活に欠かせない「ニワトリの卵」についてです。

卵はテレビでも完全栄養食と謳われるほど、栄養バランスが整っている食材です。生で食べても、焼く、蒸す、煮るなど調理しても美味しく頂ける卵です。

中医学でも卵は優れた食材の一つになります。中医学、栄養学それぞれ詳しくご紹介しますので、是非ご覧いただければ幸いです。

1. 卵の効果について(中医学)

中医学では、卵は滋陰類と呼ばれ、文字通り陰液を滋養する食材に分類されます。

陰液とは、主に血や津液(しんえき)を指し、主に全身の体液(水分)を意味しています。

人の体内から、血や陰液が不足すると、血虚証や陰虚証と呼ばれる身体の水分が十全ではない状態になります。

血虚証や陰虚証になると症状として、微熱が出る、イライラする、のどの渇き、ほてり、食欲不振といった形で表面化してきます。
いわゆるカゼのような症状が表れてきます。

上記のような症状が続くときは、卵を選択してもいいかもしれません。
卵には、不足した血や陰液を滋養しつつ、五臓の肝、心、脾、肺、腎のすべてに作用する力があります。
血も養うことで、めまいや精神不安、不眠といった症状に。
陰液を滋養することで、ほてりや渇きにも効果が期待できます。

ここまでのまとめ
卵には血を養い、陰液を滋養する力があり、五臓すべてに作用します。
ほてりや渇きといった身体症状のみならず、精神不安や不眠といった精神症状にも効果があるので、優れた食品であることがわかりました。

2. 卵の効果(栄養学)

栄養面でも、卵は優れており、ビタミンCと食物繊維以外の栄養素をすべて持つ食品です。

内訳をみてみると、卵の成分は水分を除くとタンパク質が最も多く、全卵 1 個(M サイズ)に約 6.2 g含まれている。この量は中高年者(50~ 69 歳)が1日に必要とするタンパク質量の約10~12 % にも相当します。
次に多いのが脂質の約 5.2 gで、1日必要量の約 8 ~10 %を補うことができる。逆に炭水化物はほとんど含まれず、全卵1個分で約 0.2 gほどになります。

では一番多いタンパク質の栄養価に着目してみると、アミノ酸スコア正味タンパク質利用率での評価が重要になります。

アミノ酸スコアとは
食品に含まれている必須アミノ酸がどのくらい満たされているかを示す数値になります。
必須アミノ酸は体内で生成することのできない9種類のアミノ酸を指し、それぞれ必要量が国際機関のFAO、WHOなどによって定義されています。
下記の桶の図のように、1番少ない必須アミノ酸を基準に計算されてしまうため、9種類の必須アミノ酸のバランスが重要になります。

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アミノ酸スコアは、100に近いほど評価が高いのですが、卵ではなんと100点満点になります。

さらにタンパク質の栄養価の評価には、正味タンパク質利用率がありますが

正味タンパク質利用率とは
正味タンパク質利用率=体内保留窒素量 / 摂取窒素量 × 100
で計算され、摂取したタンパク質がどれだけ体のタンパク質として保持されたかの指標となります。

卵のタンパク質は、全卵で90~94 % と非常に優れた利用率となっていました。

3. まとめ

卵には以下の効果があることがわかりました。

【中医学】
卵には血を養い、陰液を滋養する力があり、五臓すべてに作用します。
ほてりや渇きといった身体症状のみならず、精神不安や不眠といった精神症状にも効果があるので、優れた食品であることがわかりました。

【栄養学】
ビタミンCと食物繊維以外の栄養素をすべて持つ食品で、特にタンパク質について注目すると、アミノ酸スコア、正味タンパク質利用率のどちらからみても非常に優れた食品であることがわかりました。

卵は他にもコレステロールの部分もありますが、長くなりすぎてしまうのでまた別の記事で挙げさせていただきます!

今週は以上となります。
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