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山芋と鶏肉のあんかけ丼 ~疲労回復薬膳~

今週の薬膳は開発している薬膳丼のサンプルについてです。

甘辛い味付けと出汁をきかせ、とろみをつけたあんかけが食欲を誘う一品です。今回のサンプルは提携している医師と料理店の協力の元に検討し、作成しました。
材料や開発経緯についてもご紹介しますので、是非ご一読いただけますと幸いです。

1. 開発経緯

題名にもあります通り、「疲労回復」を念頭に置いた材料選択や調理を実施いたしました。

中医学における疲労とは何か?を考えた時に弊社のNoteでも何度か取り上げている気虚証と診断されることが多いです。

気虚証とは
体内には生命活動をコントロールする「気・血・水(き・けつ・すい)」があり、疲労はこれらの不調和が原因であると考えられています。
特に気が不足している状態を気虚証と呼び、「」は生命エネルギーの源ととらえられているため、疲労を解消するには気を補うことが重要とされています。

本レシピでは気虚証の中でも脾気虚証の改善をコンセプトに作成しました。
脾気が不足すると、脾の機能である食べ物の消化・吸収や全身に栄養を運搬する働きが低下してしまいます。
そのため、脾気虚証は疲労感や食欲がない、四肢のだるさといった症状が現れてきます。

共同開発している医師と相談した結果、疲れの診断として多いのは脾気虚証ではないかという仮定を立て、脾気虚証を改善するレシピを検討することになりました。

2. 山芋と鶏肉のあんかけ丼~疲労回復薬膳~

脾気虚証の改善を目標にまずは材料の選定から始まりました。
医師と薬剤師としては、気虚証の治療となるとまず漢方の補中益気湯が浮かびます。

そこで我々は補中益気湯の内容を調べてみることにしました。
補中益気湯は、10種類の生薬を使用した薬剤です。
構成生薬の役割をみてみると、補気、養血、理気で構成されており、気や血を補い、巡らせる内容となっていました。

我々はこの処方内容を食材で再現できないかと検討を重ね続けました。
山芋や鶏肉は補気作用として優秀、かつ食べやすいという点から採用となりました。詳細は下記の記事をご覧ください。

そこに血を補う食材も必要であることから、相性の良さそうなニンジンや卵を加えました。

さらに砂糖ではなく、蜂蜜を用いることで血糖の上昇も緩やかにし、アミノ酸スコアも100点満点と非常にバランスが取れています。
蜂蜜も補気作用を持っています。

エンドウ豆やショウガを用いており、これらは気を巡らす作用と身体を温める作用を期待して加えました。

これらの材料を一つの丼として、まとめていただいたのが下記になります。

弁当サンプル

作成の様子です。(店長は珍しく緊張してました笑)

作成シーン

完成したサンプルは本当に美味しかったです!
店長の目に見えない部分(秘密の出汁をきかせたり、冷めても味が落ちない工夫等)にもこだわった一品でした!
食べてもしつこさは全くなく、丼なのにするすると食べられてしまう感じでした。

こちらのサンプルはこれからテストマーケティングを実施していきます。
そこでフィードバックを頂きながら、最終調整を経て完成する見込みです。

まだ一品だけですが、かなり完成度が高くこれからが楽しみな一品となりました!
テストマーケティングの実施が今からワクワクしています!

今週の薬膳は以上となります。
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