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わたしたちがこだわる、革靴素材について。

今回のnoteは、靴を選ぶ時のもう一つの軸となる素材のお話です。
キャンパス生地、ゴム素材などその他もありますが、わたしたち「トーヨーシューズ」がこだわっている紳士の革靴というくくりで、お話ししてみましょう。

靴の素材を大別すると

まず、大きく分けて「天然皮革」「合成皮革」に分かれます。
「かわ」は、「皮」、「革」という漢字がありますが、生皮をはいだ状態の動物の皮を「皮」、そして、そのままでは腐食や変質するので、それを防ぐために、なめして柔らかくするという処理をしますが、それをしたのが「革」となります。
なめすというのは、「革へん」に「柔らかい」と書きます。
ちなみに、革で包むが「鞄」、革が化けるで「靴」となります。
漢字は奥深いものですね。

天然皮革は履くほどに足に馴染む。

さて、天然皮革には、牛革、豚革、山羊革、鹿革などがあります。履くほどに足に馴染んできますし、元々動物でしたので、吸湿性、放湿性に優れておりますが、雨によるしみが残ったりします。それに、原料に限りがあり、工程が多いので、その分高価であり、動物の革も、それぞれ個体差もあって、品質が一様でないという特徴もあります。

合成皮革は品質表示が義務付けられている。

一方、合成皮革は、そういった天然皮革の欠点を補うべく、作られ、編み物や織物にウレタンやナイロンなどの樹脂でコーティングして革風に似せたものです。一目見ただけでは天然皮革と間違ってしまいます。
ですので、合成皮革を甲(アッパー)に使用した靴は、家庭用品品質表示法による品質表示が義務付けられています。消費者が見間違わないためです。

また、技術が進歩し、人工皮革という、風合いをより天然皮革に近づけた素材もあります。これは合成皮革のように編み物や織物の基布ではなく、3次元の立体構造を有する繊維層を主とした基材に、ポリウレタンなどをしみ込ませた特殊不織布にポリウレタンなどをコーティングしたものです。これも品質表示の世界では「合成皮革」には含まれますが、同じ種類ではないので「人工皮革」と記載してもよいとなっています。

ただ、どちらも工業製品なので品質も均質ですし、合成樹脂なので水をはじくのでお手入れも比較的しやすく、なにより安価です。いいことづくめのようなこの合成皮革ですが、空気中の水分と結合し、徐々に経年で劣化するという大きな欠点があります。天然皮革のように経年での変化でなく、表面がねばついたり、ぼろぼろ剥がれてきたりします。つまりその変化を天然皮革のように味わいとして楽しむことができないのです。その耐用年数は3年ほどとも言われています。

最近注目されている「床革」について

最後に、天然皮革の中でも最近注目されている、「床革」についても少し触れておきましょう。もともと、牛や豚は食したあとの廃棄物の利用ですので、リサイクルといえばリサイクルと考えられます。
さらに、成牛の分厚い皮膚から、表面の一番いい所をとった後の、残された部分を「床革」といいますが、それに合成樹脂で表面を塗装したものも再利用しています。
これこそ、今までは廃棄されていたものですので、環境保護の点から、素材として広がってきています。
こういった床革を使用した靴もいろいろなネーミングで販売されていますが、しっかりとした床革を使用していないと耐久性に問題がある場合も見受けられます。弊社では品質を見極めて、お手頃な価格帯で提供しています。

ですので、私たちは、
しまい込んでおく靴でなく、よく履いて満足いただける靴を、作っていきたいと思っています。

ご自分の靴の履く目的に応じて、自分のライフスタイルと照らし合わせ、天然皮革がいいのかどうか、価格帯はどのあたりがいいのかを考え、さらに、自分のライフスタイルや、靴が好きかどうか、靴を丁寧に手入れなどこまめにするかどうか、自分の性格などを自身に問うてみて、靴を選んでいきましょう。
そして、私たちトーヨーシューズは、創業以来ずっとコストパフォーマンスのよい天然皮革の靴を作ってきています。ですので、私たちのこだわる天然皮革の靴をお選び下さるとうれしく思います。

最後まで、お読みくださいましてありがとうございました。
次回はそれぞれの素材に合ったお手入れを具体的にお話していきましょう。


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