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名古屋で『スオミの話をしよう』、『インサイド・ヘッド2』、『傲慢と偏見』

昨日はミッドランドスクエアシネマのファーストデイ割引で『スオミの話をしよう』を鑑賞。三谷幸喜監督による、消えたスオミを巡る面白いミステリー・コメディでした。主人公「スオミ」はフィンランド語で「フィンランド」という意味です。時折フィンランドネタも出てきて、面白おかしく😂、また、苦楽交々の記憶ゆえか、うるうるしてしまうところもありました。🥹

三谷監督は9月下旬、ヘルシンキ国際映画祭に招待され、ティーチインを行ったそうです。「柿の種をもらえた」とSNSに投稿していたスオミの知り合いが何人かいました(笑)。

上映はヘルシンキで一番古い映画館「Finnkino Maxim」で行われたそうです。過去の日記を見返すと、ヘルシンキ留学時代の映画祭の写真がありました。新しいアカデミックイヤーと曇りがちで肌寒い日々が始まる9月に開催され、市内各所のミニシアターを中心に誰でも観れる市民向けの映画祭です。テーマはフィンランドらしい「Love & Anarchy(愛と自由・何者にも支配されない)」。

ヘルシンキ大聖堂前に、大聖堂を設計した建築家と同じ名前のカフェ「エンゲル」があります。そこのサーモンスープとIPAはヘルシンキで最もお気に入りの食事の一つでした。奥に中庭があり、ヘルシンキ国際映画祭で『魔女の宅急便』を観たことがあります。キキがおそのさんの家の離れに初めて通されて、箒でベッドを掃いたら埃が舞うシーンでみんな笑っていました。フィンランド人はやっぱり綺麗好きなんだなと思いました(笑)。

フィンランドでは普段の映画上映だと英語字幕が付かず、映画祭を逃すと二度と観れない可能性があったので、2018年と2019年に参加して、それぞれ1週間で10本くらいは固めて観ました(数分間のショートフィルムも含めて)。日記を見返すと面白かった作品があったので、いくつか挙げておきます。


『Tyhjiö / Void』 (2018、フィンランド)
坂元裕二のドラマ『最高の離婚』のフィンランド版のようなコメディで、サウナや森が物語の展開に使われていて面白かった。自分がヘルシンキ国際映画祭で観た中では一番面白かった気がする。小説を書けない作家、キャリアで成功する妻、葛藤を描く上での描かれ方の違い、田舎の森やサマーコテージ、サウナと水辺や海での水浴などが印象的だった。日本でも誰か上映してほしい。
トレーラー:

『Maria’s Paradise』(2019、フィンランド)
トレーラー:

ショートフィルム
『Birds in the Earth』 (2018、フィンランド)
二人の若いダンサーのバレエ公演を通して、サーミの土地の所有権に関する深い問題を検証している。後日、ヘルシンキ現代美術館 Kiasmaでも定期上映されていた。
トレーラー:

『Deepness of the Sky』(2019、デンマーク)
コラージュアニメーション。斬新。
本編:

・アマゾンプライムで観れる
『Tuntematon mestari(邦題:ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像)』(2018、フィンランド)
『Woman at war(邦題:たちあがる女)』(2018、アイスランド)
『Thelma(邦題:テルマ)』(2018、ノルウェー)



昨日は続けて『インサイド・ヘッド2』も鑑賞。「インサイド・ヘッド」シリーズはディズニーの子ども向け映画となっていますが、実は、感情や記憶、意識、自分らしさなどがどのようにして生み出されるか、といった最新の脳科学の知見が映像の細部にまでかなり反映されていると感じます。そして、物語の力は偉大で、とても感動させられました!

続けて『傲慢と善良』も鑑賞。原作者の辻村深月さんは山梨出身で、フィンランド留学前の山梨時代、地方と都市の葛藤を描いた『太陽が坐る場所』にはとても共感しました。山梨で過ごした経験は、比較的小さな街ヘルシンキに留学しようと思った一因にもなっています。今作はイギリスのジェーン・オースティン『高慢と偏見』ならぬ、現代のネット・アプリ社会ゆえの『傲慢と善良』が描かれており、興味深かったです。

スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン先生の『スマホ脳』版インサイド・ヘッドがあれば観てみたい。めちゃくちゃハックされてるんだろうな...。映画を使った脳機能研究をしていたことがあり、脳のはたらきについては多少知っているつもりですが、スマホとは上手く付き合いたいものですね。ハンセン先生の中高生向けに書かれた近著『メンタル脳』は分かりやすくておすすめです。

帰りにななちゃん人形と遭遇。ここから始まったスオミの話をしよう名古屋編もなんやかんやで4年目に突入したんだな、としみじみしました。様々な経験の相互作用が現在の複雑なわたしたちを形作っている!

と、前置きが長くなりましたが(笑)、次回東海フィンランド協会のイベントとして、11月16日(土)に名古屋で、フィンランド人映画研究者によるフィンランド映画トーク&懇親会を開催します!詳細は後日発表します。予定を明けておいてください!

名古屋でスオミと映画の話をしよう!

For our next Tokai Finland Society event, we will be hosting a Finnish Film Talk & Networking Session by a Finnish film researcher in Nagoya on Saturday, November 16th! Details will be announced later, so please save the date!

Let's talk about Suomi and films in Nagoya!


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