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マット・シャープとWeezer

The Rentalsの新譜も出たのでマット・シャープとWeezerについて
Weezerをよく知らない人にも分かるよう
そしてマット・シャープと言う重要人物について書こうと思います。

The Rentals 日本のWikipediaが1行と言うことでこの文章でWikipediaを超えます。
ちなみにその「Wikipedia 1行」のバンドは日本のフェスにも出演しています。※後述

レンタルズ on Wikipedia(1行)

Weezerってどんなバンド

Weezerとか分からないですよね、洋楽を掘って聴いている人なら知っているかもですが。そうでもなければ、Weezer自体知らない人も多いだろうと思います。
なのでWeezerについても書きます。

1992年にロスアンジェルスで結成された4人組オルタナティブバンドWeezer。

現メンバーは...
ボーカルギターのリバース・クオモ
ギターのブライアン・ベル
ドラムのパトリック・ウィルソン
ベースのスコット・シュライナー

タイトルに出てきたマット・シャープというのは
初期Weezerのベーシストです。

どういうコンセプトのバンドかは、この動画が凄く分かりやすいのでぜひ。
逆ドラえもんみたいな色の服着たベースがマット・シャープ、90sアメリカンドラマのカレッジスチューデントみたいなボーカルがリバース・クオモです。

音としてはPavementやGuided by Voices系のバンドで、オルタナティブやアメリカンロックをベースに途中音程がはずれたような突拍子もない音が鳴り出すバンドです。

Weezerのはじまり、順風満帆からのコアメンバー脱退

当時ドラムのパトリックがバンドをいくつか掛け持ちしていて
そのバンドのメンバーだった人たちが集まって結成されたのがWeezerでした。

学生みたいな見た目の4人
そこから放たれるガシッとしたオルタナサウンド
なよなよして女々しい歌詞。

それまでグランジを聴いて育った人たちにとってはこれはとても衝撃でした。個人的に当時はまだ、Nirvana以後が受け止めきれないなぁという中で現れたバンドでした。
でも徐々に喪失感から意識が戻ってくると「ロックンロールってロックもロールもしないで片思いの女の子のことを女々しく歌ってもいいんだ...!」
その後、その魅力にどっぷりハマる。

結成して1年、1993年に有名レーベルGeffenの子会社DGCと契約します。1994年に1stアルバム、通称ブルーアルバム(背景が青いので)をリリース。この1stが330万枚近く売れます。
このジャケット、パシャって適当に撮ったかと思いきやPlayboyで売れっ子だった超有名写真家にブルーバックで、ビーチボーイズの非正規アルバムのジャケットぽく撮ってくれと頼んだそうです。
しかもリバース・クオモは表情を差し替えてくれとお願いするこだわりっぷり。
アルバムからのシングルUndone – The Sweater Songはスパイク・ジョーンズがディレクターをしMTVで放送されると人気を博す。同じく1stアルバム収録のBuddy Hollyもスパイク・ジョーンズがディレクターを務めMTVでヘビーローテーションされる。

1996年、歌川広重の浮世絵ジャケット2ndのピンカートンをリリース。
色んな人の心にどっしりと残る、内容が重いせいかユニークなサウンドでありながら1stほどの売れ行きがなく、その中でバンド内にたくさんの問題が発生。暗くて大人なWeezerで個人的に一番好きなアルバムですが。
ピンカートンリリース後から2年、1998年にマット・シャープはWeezerを離れます。

当時の詳しい状況はredditに記載があります(噂や予測の部分が多いかと)

人間関係もあったと思いますが、一番の理由はマットシャープが
自分100%の音楽をやりたかったから脱退したんだと思っています。

一方のマット・シャープ、The Rentals

マット・シャープはWeezer加入前から構想を練っていたThe Rentalsの活動を着実に進めます。当初バンドはプロデューサーのトム・グリムリーにThat's Incredible!と命名されていましたが、後にThe Rentalsとします。

The Rentalsの由来は、色んなミュージシャンを他のバンドから借り入れて一緒にバンドをするからThe Rentals。
固定メンバーは基本的にマット・シャープのみです。

奇妙奇天烈なポップセンスがまさにマットシャープで
それはWeezerの1st, 2ndで現れていたファルセットのコーラスや抜けた感じのハーモニーが彼の特徴です。
あの謎のゆるポップさは、リバース・クオモの「人の心を魅了するメロディー」をいい具合に蹴っ飛ばしてひしゃげさせる。マットシャープのセンスがなかったら実現されなかっただろうと思っています(逆もしかりです、リバース・クオモのメロディもあって超名盤の2枚があります)

The Rentalsは1995年、1stなのにReturn of the Rentalsをリリース。
1999年に2nd、Seven More Minutesをリリース。
両方ともギターロック、オルタナティブの超が付く名盤(個人的見解)

MOOGのドライブしてはねる音と、地を這うような重めの歪み、ポップな男女混声のメロディー。好きなものが全部詰まってる音を聴いたあの時、マット・シャープとThe Rentalsのとりこになりました。

The Rentalsのメンバー、そうそうたるミュージシャンが音源やライブに参加しています(Weezerpedia参照)
That dog, Yeah Yeah Yeahs, The Killers, The Black Keysなどなど。

マット・シャープがいなくなったWeezer、2000年に3rdアルバムで復活

ここからもハードな問題が続くWeezer。

1998年からマットの代わりに入ったベース、マイキー・ウェルシュは精神的な問題で2001年に脱退、オーバードーズで死去。

2002年にWeezerの権利問題でマットシャープがWeezerを訴える。
そしてWeezerはどんどんとハードロックとメタル路線になっていき、古参ファンが聴かなくなっていく。

フライングVでNirvanaのノースリーブ着ているリバースは死ぬほどダサいけど、強くなりたいとか強く見せたいが、色んなことに勝ってしまいそうなったんだろうと思います。

2004年2月 リバースとマットが同じステージに

仲直りの一報を聴いた時は「もしかしたら二人の新譜が..!」と期待したが
その音源を聴くと両手を上げて喜べるようなものではなかった。
道を分かつと言うことは、こういうことなんだろうなと思う。

音楽は素晴らしくても、ハーモニーやパッションは人から産まれるものだから。別々だったとしても、一番情熱を注ぎ込める形で落ち着いてくれたらそれで良いと思う。

実際15, 16曲のアイデアはあったが、それが音源として録音されることはなかった。

そしてマット・シャープがもう何してるのか分からなくなった頃に、来日してアジカンとやり出す

激震発生。

マット・シャープがアジカン招致で来日してフェスに出ている。
嫉妬した、見れなかった自分の頭をポカポカ叩きながらバカバカバカバカって一晩中言った。

YouTubeを見た海外の人たちには好評だった、でも観客はどう見てもポカ~ンしてた。

普通、The Rentalsのためだけにナノムゲン行かないし
誰のためにマット・シャープ招致したのかって、そりゃアジカンメンバーのためだ。

これだけ壮大なオ○ニーを、自分たち主催のフェスで、大衆の前で堂々とやり切るアジカンはカッコいいと思う。
見てる人はマット・シャープが出てきて「あのベース持った外人のおじさん誰??(ポカーン)」である。

Weezerの超名曲である「Only in Dreams」聴いてポカーン、
感想はきっと「早くリライトしてよ」である。

ここまで愛のあるオ○ニーならセ○クスと言っても良いだろう。
アジカンはマット・シャープを呼んで大衆の前で公開セ○クスをした。
(AshのKung fuまでやっちゃってたし)

そんなThe Rentalsが2020年に新譜を出した

突如、iTunesにとんでもない数の新曲をアップしているのに気がついた。最近再度チェックしたらニューアルバムがリリースされていて歓喜。

しかし気がついた時には限定レコードは売り切れていて、色々探したけどオフィシャル以外で売っていないようなので諦めた。

ちょうど2ndの頃のような音像で、アレンジがさらに成熟されているのが聴いて取れる。MOOGの使い方がめちゃくちゃ大人の風情。ぜひレコードで聴きたかったし、できれば来日公演を見てみたい。

まとめ

The Rentalsのニューアルバム「Q36」がリリースされたけど
日本で人気ないし、情報回って来ないし、知らぬ間に限定レコード売り切れていてくやしくてこの記事を書きました。
少しくらいはThe Rentals普及しようと思ってさ(そうしたら限定レコード見逃さないかもじゃない、アジカンが日本盤レコード出してくれるかもだし)

最後にもの凄くしょうもないことを言うと、今この現代で90年代のWeezerの新譜を聴きたいと思ったらZerweeを聴くことをオススメします。
初期Weezerっぽい音を1人で全部鳴らす、Billy CobbによるZerwee。声までどこかリバース・クオモだし、マット・シャープのエッセンスもあるし。

最近2ndが出まして、こちらもどうしようもなく最高なので
どうにかこれをレコードでリリースしてくれないかなと思っています。

僕からは以上です、The Rentalsのレコード欲しい。
解散!

外部リンク

Matt Sharp - Twitter

The Rentals - Twitter

The Rentals Official Website

おまけ

>ウィーザー『ブルー・アルバム』知られざる10の真実
1stの頃の比較的リバース・クオモ目線な詳しいお話はこちら

>ウィーザーのリヴァースが語る、90年代回帰と出会い系アプリを活用した曲作りとは

>Chopper One - Free Lunch (1995)
今回は端折りましたがWeezerの初代ギタリストのバンド
流石のオルタナ感

>Scott & Rivers - HOMELY GIRL
英詩の時はめちゃくちゃオルタナポップなのに日本語になると急にアニソンになる感じスキ。リバースとALLiSTERのScott Murphyによるユニット。
1番サビ前の「僕は君が好き」からのサビ、畳み掛け方が好き。Weezerがサンリオアニメの主題歌歌っているみたいで最高。あ違う、これ初期TOKIOだ。



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