【依願退職】は組織によって強要される
こんにちは。
人間らしく生きたい公務員の味方、元国家公務員のとよぞうです。
今回も公務員組織のあれこれを呟きます。
はじめに
これから先、世の中の景気が良くなっていく…という期待はだいぶ難しい。
そんなこの国で景気に左右されず安定した雇用と収入を得ることが可能な公務員人気は不変です。
しかし一方で休職を繰り返す人や辞めていく人も多い。
…病める公務員たち。
入庁する前に組織のあれこれを知っていればできる対策もありますよね。
これから公務員を目指すという方にはぜひ読んで欲しい記事です。
階級制度は組織に従わせるため
公務員組織とは、公務員を配置するために存在するいわば「組織ありき」のもとで編成される集合体です。
それぞれの省庁下で強い統制力のもとピラミッド構造の階級制により上下関係が構築されています。
組織のトップには「キャリア」と呼ばれる特別な待遇を許された人間が1年~2年周期で入れ替わるための席が用意されており、在任中は組織の幹部(取り巻き)達がそのお世話をします。
組織幹部の最も重要なお仕事
組織を統治するために強い権限(階級制)と人事権を与えられている幹部ですが、同時に自分達の後釜を育てていく役割があります。
そして将来的な幹部候補の選定は新卒採用の時から始まっている。
〈成績上位者には入庁へのオファーがあります〉
なぜなら退官後も強い影響力を持ち続けるために「従順な後釜」を育成する必要があるからです。
良い意味で目を付けられた有望な職員は「幹部候補予備軍」としてお膝元に配置された後、お決まりのポスト(出世コース)に配属されその可能性を見定められます。
組織に対する従順さ、派閥への服従、幹部としての資質と適正を兼ね備え「使える奴」と認められれば晴れて幹部候補となり将来が約束されます。
退官後も組織を私物化する幹部達の仲間入りができれば甘い蜜(天下りや出向、利権チューチュー)にもありつく事もできます。
直属の上司が幹部候補かどうか
人事異動を繰り返す公務員職場の人間関係で最も気がかりなのは直属の上司ではないでしょうか。
良くも悪くも2~3年で付き合いが終わる上下関係は公務員ならではの特徴でもあります。
直属の上司が組織のなかでどんな立ち位置に居るのかを知っておくこともかなり重要です。
情報収集を怠るととんでもない地雷を踏むこともありますから…
・幹部候補の上司
充実した公務員人生を送りモチベーション高め。
経歴上の汚点を嫌い部下のミスは容認しない。
情報交換は主に休日のゴルフ場。
・幹部への道を断たれた元幹部候補の上司
有能だがモチベーションは低い。
プライドが高く最もパワハラしてくるタイプ。
・出世に縁のない上司
マイペースだが基本的に真面目。
幹部候補の部下に見下されがち。
直属の上司とうまく付き合うにはどのパターンか知ることが重要です。
幹部候補の上司に当たった時の付き合い方次第でその後の立ち位置が変わったりします。
〈何気にここが将来を左右する分岐点だったりする〉
組織が守るのは幹部だけ
公務員が懲戒処分を受けた後に依願退職するケースで「公務員組織は身内に甘い」というコメントをよく見かけますが、実態は少しばかり違います。
「依願退職」扱いにしておきたい理由は「免職」を避けるため。
「免職」扱いだと上長も処分を受けることになってしまうからです。
「依願退職」は上長の処分を回避するための忖度
組織幹部は懲戒処分を受けた職員に対して「依願退職」を促し(半ば脅し)場合によっては再就職の支援も行います。
そうすることで上層部の経歴に傷をつけることを回避し自らの株も上げる。
まさに一石二鳥。
幹部達は自分を含めた上層部を守ることさえできれば、末端の職員がどうなろうと知ったことではない…それが公務員組織というものです。
社会保険庁(以下、社保庁)解体の際、組織の幹部たちはすべての罪を末端の職員達に負わせて自分たちは何ら処分を受けずに逃げて行った。
所詮弱者は養分になるしかなかった。
〈社保庁解体の詳細はこちら〉
まとめ
組織内のいじめや上司からのパワハラを回避したいという方は、積極的に幹部候補と親交を深めることをお勧めします。
同じ大学、同じ郷里などは強い絆として使えます。
幹部候補と親交のある部下にパワハラを慣行できる度胸のある上司などいません。
それほど幹部というのは強い力を持つ。
ぜひお試しください。
ではまた次の記事で
byとよぞう