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私は、まだHIPHOPが聴けない

3年半付き合ってた人と別れてから1ヶ月がたつ。


彼は高校の同級生。ただ、高校のときはほぼ一言も話したことがなかった。互いに上京して、たまたま仲良くなって、3年半前の七夕、2人でディズニーに行ってその帰り道に付き合った。それまで2人とも続かないタイプで、お互いが「続かないんだろうな」と思いながらも始まった。

でも違った。

HIPHOPと車が大好きな彼。
顔がタイプなのはわかりきっていたことだったけど、趣味も合うしファッションセンスも良いし賢くて話が面白くて、そしてなによりも私を大切にしてくれた。

1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月…月日を重ねるごとに「これまでとなんか違う」そう感じるようになった。次第に私たちは周りの友達からと「結婚式呼んでね」とチャカしではなく言われるような仲になっていた。

自分でも「この人と結婚するんだ」と確信していた。こんなに"許せる人"は初めてだった。


だけど、私たちは変わってしまった。

理由は一言で頑張ってまとめると"価値観の違い"ってやつ。

3年半あれだけ楽しくお互いを思って日々を過ごしてきたのに、少しずつ歯車が噛み合わなくなって、気づいたら別々のところで回っていた。

歯車のずれは最初は全然気づかないものだ、と今振り返って思う。全然気づかなかった。

そりゃ付き合った頃と比べて生活に変化はあったけど、「3年半付き合えば誰だってこうなる、我慢我慢」と思っていた。

でも気付いたころには「私はこの人とこのままいて、互いに良いのだろうか?」と真剣に考えるようになっていた。見えていた明るい将来に靄がかかり始めた。

喧嘩ばかりの毎日になっていない。相手が極端に冷たくなったわけでもない。むしろ仲が良かった。でも何か違った。

街中のカップルがキラキラして見えた。ふと、繋いでる手が離れそうになって怖かった。

そのもやもやの答えはいくら探しても見つからなくて、その辛さに家出もした。

答えが出ないから「でもこんな人と巡り会えることなんてそうそうない。3年半一緒にいられたんだからこの先もきっと大丈夫」そんなヘンテコ理論で、自分を説得した。

なのに、説得したのに、また私は気持ちが揺らいだ。
ある人に告白されたのだ。ちょうど私が悩んでいたときに仲良くなった人だった。その人といる自分は好きだった。

揺らいだ。というか、70°くらい傾いた。

3年半で他の男の人に心が揺らいだのは本当に初めてだった。そんな自分がショックだった。もう彼との将来を確信していた自分とは違ってしまっていた。

彼とは何があっても真っ直ぐ向き合いたかったから、揺らいでしまった自分の心を素直に伝えた。

彼は判断を私に委ねた。この場面になったら私もそうするだろう。

私の中で"3年半上手くいってこの先もきっと上手くいくだろう人"vs"一途な私の気持ちを揺るがせたよくわからないけど好きな人"の戦いが始まった。

こうやって文字にすれば明らかだけど、"LOVE"って理論じゃない。今思えば戦いすら始まってなかった。

私が告白されたことがトリガーにはなったけど、もう私たちの関係は恋愛関係ではなかったのだ。

互いに将来ともにすることを憧れていたのに、それが次第に義務になって、お互いを苦しめるようになっていた。

いわゆる"情で付き合ってる"だったのかな。


12月24日クリスマスイブ、ケーキだけ一緒に食べて2人で号泣しながら「うちら変わっちゃったね、寂しいね」って話して、私たちは親友に戻ることを決めた。

話を聞くと、同じ時期に彼自身も同じように悩んでいたそうだ。同じことを同じ時期に悩んじゃうその気の合いかたも憎い。「仲の良いルームメイトになっちゃってたね」そう言っていた。


それから1ヶ月、私は彼と聞いていたHIPHOPがまだすんなり聞けない。

未練たらたらなわけじゃない。むしろ未練が全くないことが辛い。

もう彼は私の中では恋人ではない。荷物を引き取りに来た時、そう感じた。

あんなに大切で大好きだった人なのに。いや、今でも人としては最上級に大好きだ。

なのに、人間関係でこれほどまでに正確に残酷に「この人とはもう合いません」と思い知らされることがあるのだろうか。

なんで変わっちゃったんだろう。考えても仕方ないことは痛いくらいわかってるけどまだ考える。社会人と学生になってしまったことも同棲したことも何も悪くない。時がそうしたんだ。納得いかないけれど。

彼と過ごした3年半は私の人生は薄れることはないだろう。この3年半があるから、この先幸せになれる確信が持てる。2人とも互いにこの先絶対幸せになれる。


本当に楽しかった。
新しい世界をたくさん見せてくれた。
あなたといて、私はたくさん成長できました。
本当にありがとう。


母に別れを報告したら
「こないだたまたま誕生日占いの本を立ち読みしたら、パパと私は"運命の人"だったの!でも、みきの"運命の人"には彼の誕生日は確かになかった。けど、そのかわり"ソウルメイト"にあったの!」
と言っていた。前半の惚気は置いておいて、そういうことなんだと思う。


彼が許してくれるなら、時間がいくらかかっても良いから私は彼とソウルメイトでいたい。

そして、また一緒にHIPHOPを聴きたい。


この記事は自分の気持ちを昇華するために書いた。人の心は私が思う以上に複雑で文章にするまでに時間がかかったけれど。

軽い女と思われる部分もあるかもしれない。でも、私は寝坊して会社に遅刻するくらい一生懸命考えて出したこの選択を後悔してないし、これから大正解にする。


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