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何でもアリすぎる「現代音楽」の作曲法

どうも、作曲家のトイドラです。

いきなりですが皆さん、「現代音楽」という言葉を知っていますか?
「あ~、街中で流れてるような最近はやりの音楽ってこと?」
「あい〇ょんとか米〇玄師とかY〇ASOBIとか?」
と思ったアナタ、残念ながら違います。
それは "現代の音楽" で、いわゆる「現代音楽」とは全然ちがうのです。

それでは、「現代音楽」とは一体どんな音楽なのかというと・・・

こんなのや・・・・・・

こんなのや・・・・・・

こんなの。

?????????
どうしてこうなった。
考えつく限りあい〇ょんやら米〇玄師からは最も遠い音楽で、「現代音楽」っていうけど現代の街中で流れているのを聞いたことがありません。
というかそもそも、こんなの音楽と言えるのか

しかし実は、「現代音楽」はクラシック音楽の立派な1ジャンルです
クラシック音楽と言えば、きれいで美しく厳かでお上品、みたいなイメージがありませんか?
もしかしたら、お上品すぎてちょっとつまんない、と思っている人もいるかも知れません。
それに引き換えこれはマジで何なんだ
見ればわかる通り、「現代音楽」はもう何でもアリの意味不明ミュージックが大暴れしている、超~ワケが分からない音楽ジャンルなのです。

というわけで、今回はそんな「現代音楽」に迫っていきましょう。
しかも、僕の専門である作曲法の観点から。
こんなムチャクチャな音楽がどうやって作られているか、皆さん想像つきますか……???

ちなみに、「ゆる音楽学ラジオ」とのコラボ動画でも現代音楽について語らせていただきました!
必見のコラボ動画はコチラ。


「現代音楽」とは

そもそも、「現代音楽」とは何なのか?
簡単に説明すると、

1900年代以降の、なんかこういうムチャクチャな感じの音楽

です。
「そんな雑な説明でいいの!?」
と思うかもしれませんが、実は明確な定義はないので仕方ありません。
そもそも、「現代」とか言っちゃってるけど、実はもう150年前くらいからある流れなんですよね。

「現代音楽」の「現代」というのは、実際に現代の世の中に流行っている、ということではなくて、「コンテンポラリー・アート(現代芸術)」の流れの中にあるよ~という意味です。
つまり、

人にウケるとかウケないとかじゃなく、ただ純粋にオレがいいと思う表現を突き詰めるぜ!
周りの評価なんてクソくらえ!

という非常に攻めた姿勢のアートだということ。
実際、「現代音楽」はしばしばその時代の評論家たちに
「キモい」
「不快」
「作曲がヘタ」
「キモすぎ」

などさんざんな扱いを受けています。
心が折れそうですね。

現代音楽の始祖・ドビュッシー

そんな「現代音楽」ですが、その始まりはどこにあるのか。
諸説ありますが、個人的にはドビュッシー(1862~1918、フランス)だと思っています。

クロード・ドビュッシー(1862~1918、フランス)

「え、ドビュッシーの曲ってめちゃくちゃキレイじゃない???」
という声が聞こえてきそうですね。
確かに、ドビュッシーの曲はとても美しい響きのものが多いです。

だからみんな勘違いしているのでしょう。
実は、ドビュッシーというのは非常にひねくれた作曲家です。
何しろ、それまでのクラシック音楽で禁止されていたことを全部やった結果が、これらの美しい音楽なのですから。
例えば・・・・・・

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