「親中派」とは誰か 富山のネット右翼が知らない石井知事と中国の深い関係

石井知事と中国

先日は富山県知事選候補者、新田氏を「親中派」とレッテル貼りするネットの声を紹介した。いくつか反響があったようだが、未だに高橋氏が新田氏を擁立した、とか新田氏が移民を促進しているとかいった彼らの主張を裏付ける反論は一切出てきていないようだ。そもそも、高橋氏が中国と組んでそんなにやりたい放題できるならば、自民党は言うまでもなく、なぜマスコミも野党も問題視しないのであろうか。メディアも野党も高橋氏にコントロールされているとでもいうのか。だとしたら、高橋氏は小池百合子も霞んでしまう世紀の女傑である。

 感情的な反論めいたものがいくつかあり、今回の記事ではそれらを相手にはしないが、一つ面白い反応があったのでご紹介を。

 この人物は、前回の記事を読んで、文脈から小生の頭髪の薄さを感知したという。千里眼の持ち主であろうか。サイババの再誕なのであろうか。インド人もビックリ、若者風に言えばドン引きー!である。さてまァ、こんなところで小生の毛髪の残存具合を論じても意味がないので、さっそく本題に移ろう。

二階氏の斡旋で習近平と会談

 さて、前回は新田氏と中国の問題を扱ったが、どうやら中国問題は石井陣営にとっても弁慶の泣き所であったようだ。

石井氏と中国との関係は深く、一帯一路分科会で知事自ら壇上に立つなど、積極的に中国との交流を図ってきた。(一帯一路の危険性については、詳述できないので、これらの関連サイトをご覧いただきたい)


 これらの事実は今回の県知事選ではあまり問題になっておらぬようで、SNSで検索してもごく一部の新田氏支持と思われる数個のアカウントが発信していただけであった。信頼と実績と石井県政、隣国との交流ももっとアピールしてはどうだろうか。



知事の会見によれば、この一帯一路分科会参加に際し、事前に石井氏は自民党二階幹事長のもとに挨拶伺いに行った。その結果、二階氏の斡旋もあり、一介の県知事でありながらも二階氏と習近平中国国家主席の対談に参加することとなったという。ネット右翼が親中派の大親玉として忌み嫌う、二階氏である。


http://chiji-blog.pref.toyama.jp/blog/2019/05/kj000096.html

 これらの内容や画像が、石井氏の公式ブログに掲載されていたが、現在はすべての記事が非公開となっている。是非とも「石井隆一 訪中」などのことばでウェブ検索していただきたい。関連記事はワンサカ出てくる。

 これらのブログ記事がいつ消されたのかはわからない。しかし、筆者の検索記録を探すと、すくなくとも9月15日まではこれらの記事は確実に存在していた。県知事選中はブログを公開しないことにした、との断りがあるので、おそらくは告示後に非公開となったようだ。なぜ公式ブログを非公開にせねばならぬのか、公職選挙法に明るくない小生にはよくわからぬが、そういうものなのだろう。

 しかしながら、日本を含めた自由主義を奉ずる諸国が中国への包囲網を強める中で、石井氏が富山県の代表という立場でわざわざ訪中し、悪名高き「一帯一路」ヨイショを行っていたとは、一体どういうことか。

 中国の膨張戦略に追随する、などとは、石井氏のマニフェストにあっただろうか?いつの間にか、我々の代表は危ない橋を渡っていたのである。

 そして中国も一帯一路の広告塔として石井氏を積極的に使っている。分科会参加後、石井氏の言動は中国で好意的に宣伝された。中国メディアの反応を紹介したサイトには、次のような文面がある。

記事は、25日に北京で開かれた第2回「一帯一路」国際協力サミットフォーラムの地方協力サブフォーラムに出席した石井知事が「一帯一路」構想について、中国が自身の発展と世界の発展をリンクさせた構想であり、県として積極的に協力することを表明したと伝えた。

報道の自由のない国で、このようなニュースが出るということは、本人の意図はともかく、石井氏は中国共産党公認の宣伝塔と見なされているとみてよかろう。石井氏のコメントもまた、一帯一路の問題点を知らぬベタ褒めに終始しており、これでは石井知事が中国の主張する一帯一路の正当性を裏付ける存在と中国でみなされても仕方あるまい。このほか、中国のプロパガンダサイトで石井氏を取り上げるものが、簡単に検索しただけで数件すぐに見つけることができた。このように、石井知事は一帯一路の客寄せパンダとして、ていよく利用されているのである。

 それらのプロパガンダは、今もなお至る所で中国の手によって拡散されている。中国での深刻な人権問題が明らかになった今日、これらの記事は世界中の読者に富山県の誤った像を伝えはしまいか。

まとめ

 日本という国は引っ越せないのだから、隣国と程よい関係を築くのは良いことだろうし、そこから利益を呼び込めるなら、県知事としてどんどん取り組んでいけば良い。しかし、一帯一路という世界の秩序を覆しかねない劇薬に容易に近づくとは、行き過ぎとの批判は免れない。

 先週は、とある県知事選立候補者を「親中派」として非難する動きがあることを紹介したが、本当の親中派はいったい誰なのであろうか。

 さらに言えば、我々県民が石井氏を代表に選んだのであるから、中国政府から見れば我々富山県民も立派な親中派なのかもしれない。

 

 




 



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