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乳がんになった時のこと 1

「はじめに」

39歳の秋、右胸に乳がんがあることがわかった。

その時の私の状況といえば、小学校5年の長男、1年の長女、保育園年少の次女を抱えたシングルマザーで、同居の両親に助けてもらいながら、シャカリキで働いてた。その4年前、夫の元から3人の子どもを連れて逃げ出し、ほぼ無一文の状態からようやく安定して仕事をもらえるようになり、なんとか生活が軌道に乗り始めた時だった。

最初に行った病院でその病名をほのめかされたとき、思考が停止した。何か言えるとしたら「は?」だけ。その何秒後かに「30過ぎてからやってくる不幸が大きすぎるな」と思ったりした。

その時の情景を思い出すと、なぜか白とグレーの2色になっていて、全てが寒々しい。私はショックを受けると色彩をなくすらしい。(なんか村上春樹っぽいな)

あれから3年経った。タモキシフェンは10年飲んだほうが良いと言われているので飲み続けている。3ヶ月に1度の検診も受けている。

そしてわりと、いやかなり、元気に生きている。
朝、ブラジャーをするときに左右の胸の大きさが違うので、右だけスッカスカという状況以外、自分ががんだった事をほぼ忘れて生きている。

あれだけ恐怖に怯えた日々も結構記憶が薄れて、文章にできるようになった。当時は考えを文章にまとめるとどんどん落ち込む一方だったので、Twitterでつぶやくぐらいしかできなかった。

人間の忘却とは本当によくできたシステムだ。
人間がよりよく生きていけるようになっているんだろうなと思う。そして生きてるだけで、過去にあった話は武勇伝。私も頑張ってんな〜と思える調味料みたいな感じ。

そんな30代から色々あった43歳のおばさんが
自己肯定感を上げるためだけに書くnoteです。

お付き合いいただければ幸いです。

#がん #健康 #シングルマザー  

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