外山恒一&藤村修の時事放談2019.12.12「進次郎を総理にしてサミットから追放されよう!」(その2)

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 「その1」から続く〉
 〈全体の構成は「もくじ」参照〉

 かれこれ4年ほど半年おきに続けている、福岡在住の同い年の天皇主義右翼(でもインテリ!)・藤村修氏との〝時事放談〟シリーズである。
 2019年12月12日におこなわれた。
 年末だし〝今年を振り返る〟的な内容だが、過去の対談を今読んでも滅法面白いように、べつに2030年ぐらいになってから読んでも引き続き面白いだろう。

 第2部は原稿用紙23枚分、うち冒頭7枚分は無料でも読める。ただし料金設定(原稿用紙1枚分10円)にはその7枚分も含む。

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 〝小泉進次郎総理〟に期待!

外山 あ、小泉進次郎には期待が持てるなあ。

藤村 えっ、どういうこと!?

外山 安倍ちゃんより〝下〟の人間なんて想像しがたかったけど、小泉進次郎は……(笑)。

藤村 たしかにそうだね(笑)。

外山 明らかに安倍ちゃんよりバカだよね。

藤村 うん、バカでしょう。

外山 しかも、はるかにね。安倍ちゃんより〝下〟というだけでも想像しがたかったのに、〝はるかに下〟というのは、これはなかなか得がたい人材ですよ。

藤村 でも、政治的な見識という点ではたしかに安倍ちゃんよりバカだと思うけど、ある種の〝賢さ〟では安倍ちゃんより上だという気もする。

外山 それは〝空気を読む力〟みたいなこと?

藤村 うん。……いや、どうだろうな。何だかんだ云っても、そういう点でも安倍ちゃんがパイオニアだもんね。

外山 パイオニアは小泉だよ。

藤村 あ、そっか。

外山 パパ小泉

藤村 たしかに安倍ちゃんは自分の支持者のほうしか見てない。小泉純一郎はまだしも……。

外山 広く〝世間〟を意識してたよね。

藤村 もちろん、世間から出てくるいろんな批判に〝応答〟してたわけではないのは安倍ちゃんと一緒だけど、安倍ちゃんのようにハナから相手にしてないんじゃなくて、うまくごまかしてケムにまく術には長けてた。安倍ちゃんにはそれがない。最初から自分の味方であるような人間以外を納得させる手法を、安倍ちゃんは何も持ってないんだ。

外山 小泉もべつに〝納得〟させてたわけではないけどね。空疎な〝一言コメント〟を連発して、何か内容のあることを云ってるかのような気にさせてただけなんだけど、大多数のアホな日本人にはそれで充分通用した。

藤村 安倍ちゃんにはまだ、政治家としての情熱があるでしょ、情熱なり信念なりというものが。

外山 それがどんなにろくでもない、バカウヨ水準の信念だとしても、あることはある(笑)。

藤村 しかし小泉にはまったくないと思う。

外山 パパ小泉にもなかったし、進次郎にもまったくない。これも安倍ちゃんより〝下〟が想像しがたかったのと同じで、パパ小泉よりも中身スッカラカンの政治家は想像しえなかったけど、進次郎は恐るべきことに、あのパパ小泉よりも中身がない(笑)。

藤村 世間の空気を読んで、自分の立ち位置をコロコロ変えるだけの人だと思う。

外山 いや、そもそも〝立ち位置〟なんてものがあるのか、というぐらいの親子だよ。


 クールでセクシーな国辱発言

藤村 たしか中島岳志が云ってたんだけど、小泉進次郎は本を1冊も出してない。つまり彼の政治的な信念がどういうものなのか、まったく知りようがない、と。

外山 まあ政治家の著作なんて、日本の場合はまずゴーストライターが書いてるに決まってるけど……。

藤村 それでも自分の名義で本を出した以上は、その内容に関して政治家には責任が発生するんだからさ。

外山 一応は本人や秘書にインタビューなり何なりして、作られる本だろうしね。しかし進次郎にはそういうものすらない、と。

藤村 とにかく彼がどういう政策を持っている人なのか、まったく分からない。親父が急に〝脱原発〟とか云い出したもんだから、進次郎もそうなんじゃないかと期待してる人も多いような気がするけど、そんな保障は何にもないわけだ。

外山 そもそもパパ小泉の〝脱原発〟もまったく信用ならんけどね。でもまあ、単に人気者になりたいだけの人間だから、原発はやめると云ったほうが人気が高まると思えばそう云うでしょう、進次郎も。ただし云うだけで実際にやるかどうかはまったく分からん(笑)。

藤村 現に進次郎は、ハタから見てて脱原発派であるようなないような、どっちにもとれるような態度をずっと取り続けてるじゃん。

外山 うん、そういうところだけ〝巧い〟人ではあるでしょう。

藤村 つまり……ダメだよね(笑)。でも外山君が〝期待できる〟というのは分かる。安倍ちゃんよりもさらに〝ダメな政治〟をやってくれるのは間違いない(笑)。

外山 ぼくとしては、もう世界に相手にされなくなってほしいんだよね。民主主義である以上、劣等民族の日本人の議会政治はどんどん悪くなる一方だから、いっそ早いとこ行き着くところまで行き着いて、世界じゅうの笑い者になって国際的地位を下げまくってほしい。
 すでにだいぶそうだと思うけど、まだまだ行けるはずだ(笑)。安倍ちゃんもなかなか頑張ってくれてるけど、進次郎ならもっとやれる(笑)。

藤村 すでにその片鱗を、こないだ見せてくれたよね(笑)。

外山 あの発言でしょ、〝環境サミット〟か何か(国連気候行動サミット)の時の、〝クールでセクシーな何たらかんたら〟っていう(日本の環境大臣として出席し、記者会見で「気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきだ」と発言して大方の失笑を買った)。まさに国辱モノだよな(笑)。あれは素晴らしかった! 

藤村 いや、世間では〝セクシー発言〟のほうに焦点が当たってたけど、ほんとに問題なのはそっちじゃなくて、記者に「地球温暖化のために日本はどういう対策をとるんですか?」というようなことを訊かれて、「まだ環境大臣になりたてで、よく勉強しておりませんので」云々っていう発言のほうだよ。
 国際会議での記者会見って場でそういうことを云うか? これは完全にアウトでしょう。


 政治の世界でアイドル稼業をやってるだけの人

藤村 だって政治家というのはジェネラリストであることを求められてるはずじゃん。革命家もそうだろうし、政治家もジェネラリストでなきゃいけないはずだ。
 スペシャリストである必要はないんだから、例えばCO2をどうやってどれだけ減らすかっていう、技術的なことや数値的なことは云えなくても何の問題もないけど、どういうテーマについて訊かれても、少なくともそれが世間的に広く認知されてる種類の話題であれば、おおまかな方向性はパッと答えられなきゃいけない。
 極端な話、「CO2なんかたいした問題じゃない。べつに無理して減らさなくてもいい」みたいなことでもいいんだ。実際、トランプ大統領はそんな感じのことを云うし、それはそれで政治家としては合格ラインなんだよ。

外山 うん、トランプは何について訊かれても、とりあえず何か答えるよね。

藤村 「地球温暖化説なんか陰謀だ、フェイクニュースだ!」って(笑)。だけど政治家としてはそれでいい。その方針に人々が賛同できるかどうかはまた別の話で、それは個々人が考えて、トランプを支持するかどうかを決めればいいんだからさ。だけど何の立場も示せないのは政治家として失格だよ。「まだ勉強しておりませんので……」とか、あり得ない。

外山 とうてい国際社会では通用しないよな。

藤村 まったく恥ずかしい。

外山 うん、とっても恥ずかしくてよろしい。進次郎、でかした(笑)。

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