外山恒一&藤村修の時事放談2017.06.08「ファシスト&天皇主義者、Fラン国家ニッポンを憂う」(その4)

外山恒一&藤村修の時事放談2017.06.08「ファシスト&天皇主義者、Fラン国家ニッポンを憂う」(その4)

外山恒一

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 「その3」から続いて、これで完結〉
 〈全体の構成は「もくじ」参照〉

 2017年6月8日におこなわれ、紙版『人民の敵』第33号に掲載された対談である。
 第4部は原稿用紙換算26枚分、うち冒頭9枚分は無料でも読めます。ただし料金設定(原稿用紙1枚分10円)はその9枚分も含みます。

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 藤村氏、左派インテリ集会にも潜入!

藤村 で、その“ネトウヨ集会”の前日に行ったイベントが、西田亮介さんと石橋学さんのトークで、石橋さんというのはさっきも云ったとおり“しばき隊”とかにも近い……。

外山 結局また“しばき隊の話”じゃないか(笑)。

藤村 石橋さんは神奈川新聞の記者で、何だったっけ、ちょっと話題になった……。

外山 つまり“しばき隊”や野間さんにも好意的なスタンスで、在特会のデモなんかへの“カウンター行動”を取材してるような人?

藤村 そうですね。あ、「時代の正体」だ。神奈川新聞のシリーズ企画で、その取材班のたぶんメインの記者。

外山 たしかにそのタイトルは聞いたことがある。

藤村 そのシリーズについて“偏ってる”って批判が殺到したらしくて、それに対して石橋さんは署名入りで「ええ、偏ってますが、何か?」っていう反論記事(それは文中の一節で、タイトルは「『時代の正体』批判について」。神奈川新聞のサイトで15年10月16日に公開された)を書いて、これがまた話題になったって人。つまりこれまでマスコミが“客観・中立・公正”みたいなくだらない理念を掲げていたがために、露骨なヘイトスピーチについても何か“1つの意見”のように扱って、それを批判する人たちとの間で“中立”を保たなきゃいけないかのようなバカバカしいことになって、在特会とかを増長させてきたって側面はたしかにあるでしょ。そんな“客観・中立・公正”なんかもう、かなぐり捨てたっていいんだ、と。

外山 「時代の正体」というのも、ヘイトスピーチ問題を扱った連載なの?

藤村 いろいろだけど(沖縄の反基地運動やシールズの反安保法制デモなども大きく扱っているようだ。『時代の正体──権力はかくも暴走する』15年8月、『時代の正体2 語ることをあきらめない』16年4月、『ヘイトデモをとめた街』16年9月として現代思潮新社から単行本化。版元名の太字化に深い意味はないが紙版『人民の敵』第32号掲載の絓秀実氏との対談など参照)、それもかなり大きな1つとして組み込まれてる。全体としては……。

外山 “右傾化を憂う”みたいな?

藤村 そうそう。で、その石橋学さんを呼んで話を聞こうって企画を主催したのは、西田亮介さんという今けっこう売り出し中の社会学者で、まだ若くて、30代前半じゃないかな(83年生まれ)。宮台真司の弟子ですよ。『ネット選挙』(東洋経済新報社・13年)って本を出してて、オレはその1冊しか読んでないけど、他にも何冊か書いてる。

外山 (ネットで検索して)名前は見たことある気がしてたけど、『思想地図』(東浩紀が中心となって08年4月から13年11月まで刊行されていた雑誌状書籍)に書いてるんだね。

藤村 『ゲンロン』(『思想地図』の後継誌。15年12月〜)にも書いてるはず。

外山 あ、ほんとだ。“ネット選挙”関係の本もいくつかある。

藤村 オレが読んだ本では本山君(本山貴春氏。82年生まれ。福岡在住の右翼活動家。紙版『人民の敵』第6号に藤村氏を含む鼎談あり。11年4月の福岡市議選出馬に際して、選挙期間中にツイッターやブログでの発信はおろかユースト中継まで“自主的に解禁”し、後に書類送検されたが不起訴となり、マスコミが総務省の“見解”を垂れ流しにしていただけで、もともとネット選挙は“禁止”などされていなかったことを体を張って証明した)のケースにもちゃんと触れてたよ。懇親会で西田さんに「ご著書に福岡の友達も登場していて、嬉しかったです。本山君という人なんですけど」って云ったら、「あーっ」て西田さんも覚えてたみたいで、そこまではよかったんだけど、べつに悪意とかではなく単に自然に「あ、覚えてらっしゃるんですね」と云ったら一瞬ムッとした顔をされてさ。インテリを自負してる人にそういう、記憶力を疑うかのような発言をしちゃいけないんだっていう(笑)、いい勉強になりました。

外山 でもぼくなんかも、過去に書いた文章でチラッと登場した人なんか、だいぶ忘れてるよ。たまに自分で読み返して、そういえばそんな奴もいたような気もする、ぐらいの感じだもん(笑)。たぶん西田さんがそれだけちゃんと本山君に注目した、ということだと思う。

藤村 そうだよね。しかしオレもコミュ障で、思ってもみなかったところで相手を怒らせたりしちゃうことも多いから、その時も、自分はこういうところがダメなんだな、と反省してさ。

外山 そんなつもりないのに、「失敬な!」みたいな反応が……(笑)。

藤村 オレとしては、「ずっと覚えていてくださって友人の本山君も喜ぶと思います」ぐらいの、むしろ感謝の気持ちを述べたつもりだったんだけどなあ。もちろん“ムッとされた”というのはオレの印象でしかなくて、実際はそんなことなかったのかもしれないけど……。ともかくその、西田亮介さんが主催するイベントに行ったわけです。西田さんは“しばき隊”とか“カウンター”とかとは何の関係もない人で、どっちかと云えば、野間さんたちから今は東浩紀みたいな“スカしたインテリども”は敵視されてる、そっち側の一員だよね。

外山 “西田亮介主催のイベント”というのは、“シリーズ企画”とかなの?

藤村 “この人に聞きたい”だかってタイトル(「いま、この人と考える」)でシリーズ化していく予定らしい、その“第1回”(「現代メディアの中立と偏向」)だったんです。ところが集客があまり良くなくて、来てたのは西田さんと仕事上の関係がある編集者とか、それは石橋さんの関係なのか新聞記者とか、他は「主権者教育の会」とかいうリベラル派の団体のメンバーが集団で来てるぐらいでさ。全部で20人ぐらいだった。そりゃそうだよね。“石橋学さんが来る!”っていうんで仮にその知名度が好意的に一定浸透してるとすれば“しばき隊”周辺とかでしょ。でも“しばき隊”の人たちがそんな知的なイベントに興味を持つわけないもん(笑)。

外山 そんな“しばき隊関係者”は藤村君ぐらい(笑)。

藤村 そうそう、実際オレがどうもその中で一番“しばき隊寄り”だったし……テーマと客層のマッチングについてもっと考えたほうがいい。西田さんも「思ってたより人が集まらなかった」ってちょっと落ち込んでたけど、それは石橋さんとかを呼ぶからであって……(笑)。


 トンチンカンなリベサヨ論客たち

藤村 トーク自体は面白かったんだけどね。打ち上げというか懇親会というか飲み会というか、そこに残ってたのも、たぶん西田さんの担当なんだろう編集者と、新聞記者と……ってオレ以外はそんな人ばっかりなんだ。その中で最も“しばき隊”に近いのはやっぱりオレでしょう(笑)。で、石橋さんというのも、話を聞いてたらやっぱり体質的に完全に“しばき隊”的な人なんだよ。イベントの中で、「メディアが“客観・中立・公正”とか云ってるのは、要は責任を取らなきゃいけなくなるのが怖いからだ。萎縮してそういう建前に逃げ込んでるんだ」とか云ってたんで、質疑応答でオレが、「そうは云うけど、『ニュース女子』みたいに愚劣な、唖然とさせられるような番組も存在してて、自分は一応“保守”の側の人間だけど、その自分から見ても信じがたいほどの愚劣な番組が放映されてる。しかしあの番組に出てるのも“マスコミの人”じゃないですか」って指摘した。「ニュース女子」で司会をやってる長谷川幸洋って奴は、たしか東京新聞の論説委員でしょ。長谷川以外にも有名な“ジャーナリスト”が山のように出てる。彼らはべつに“中立”に逃げたりしてなくて、それぞれの信念に基づいて、あのように愚劣な番組を作ってるわけですよ(笑)。「もし石橋さんの云うような風潮がメディアを覆ってるんだとしたら、じゃあ逆に彼らはどうしてああいうことがやれてるんでしょうか?」って質問したんです。そしたら案の定というか何というか、石橋さんは、「ああいう番組を絶対に許してはいけません! ああいうことに対しては絶えず抗議の声を上げていかなければいけないんです!!」って、ひたすら熱く語るだけなんだよね(笑)。

外山 それにそれじゃあむしろMXテレビに対して、“中立”を要求する意見になっちゃってるよなあ(笑)。

藤村 もちろんオレの質問に対する答えにもなってない。さすがに西田さんはインテリだし、全然答えになってないことは当然分かるんで、石橋さんがひとしきり熱く語った後で、「ちょっと補足します」ってマイクを握った。そこで西田さんが云ったのが、「MXテレビというのはものすごく小っちゃなテレビ局で、人員もまったく足りてないんです」って話。

外山 “チェック機能”が働いてない、と。

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外山恒一
革命家。マルクス主義、アナキズムを経て03年よりファシスト。福岡市在住。九州ファシスト党〈我々団〉総統。サイト「外山恒一と我々団」(link: http://bit.ly/1wp0Ggi)