将棋ウォーズ初段への道。一歩目は「猪突猛進!」棒銀戦法
4/7にcakes連載の第5回が公開になりました。
第5回の後半で扱う棒銀戦法について、noteでは『鬼滅の刃』を交えて解説します。
なお棒銀の基本については、こちらの記事でご確認ください。
将棋ウォーズ
将棋ファンなら誰もが知っているであろう、将棋ウォーズ。
将棋ウォーズで初段=『鬼滅の刃』の選別試験にクリア
という感じです。なかなか大変ですね。炭治郎でも試験の合格には年月を要しました。
それだけ将棋ウォーズには腕に覚えがあるファンが多く、ある程度同じレベルの人と戦うとはいえ、初級者が勝つのは大変です。
でも、今回の解説を理解すれば勝てるはずです!
そして初段を目指す第一歩としてください。
炭治郎・善逸、そして伊之助の3人が胡蝶しのぶの屋敷で行った、ひょうたんを割るような楽しい修行(?)を意識して、解説していきます。
平手
棒銀は伊之助のような存在です。
合言葉は「猪突猛進!!」
今回は平手(ハンデなし)での棒銀について解説します。
将棋は「飛+銀」が攻めのキホン。そのキホンに忠実なのが棒銀です
前回も書きましたが、このキホンを忘れずに。
初手から、まずは飛車の前の歩を1つ(▲2六歩)、2つ(▲2五歩)と進めます。
△3二金と受けたらさらに歩を相対させます(▲2四歩)
このままだと▲2三歩成で歩を成ることができます。
そこで相手も歩を取ってきます(△2四同歩)
取り返して(▲2四同飛)、
ここで相手が放置すると、
「歩の手筋」が炸裂します。
私の新刊にも似た問題が出ています。
正解は▲2三歩です。
これで相手角の息の根を止めました。
金で歩を取ってくれば、飛車を成りながら金を取って大成功です。
伊之助の頭突きくらい威力のある手です。
相手も頭突きを避けて△2三歩と受けるのが正解です。こちらも飛車を逃げておきます(▲2八飛)。
さぁ、棒銀の始まりです。
棒銀戦法を指す際は、伊之助になった気分で、「猪突猛進」とつぶやきながら銀を前進させましょう!
この気持ちを忘れずに!
受け
平手だと、相手も飛車や角がいるので攻撃してきます。
上図から銀を繰り出す最中に、相手が飛車の前の歩を1つ(△8四歩)、2つ(△8五歩)と進めてきました。
ここで初めて「受け」が必要です。
相手が飛車の前の歩を2つ動かしたら、必ず▲7八金!
伊之助に守りの概念はありませんが、将棋では1回だけ金を上がって守りましょう。
相手が歩を相対させてきたら(△8六歩)
取って(▲8六同歩)、取り返してきた(△8六同飛)ときに
▲8七歩と打っておくのが、ポイントです。
この歩は伊之助の猪の被り物と一緒で必要なもの。
寝てても猪の被り物をする伊之助のように、角の頭に歩の被り物をしましょう。
これも「歩の手筋」の一つです。
猪突猛進!
さて猪の被り物をしたら、あとは猪突猛進あるのみ!
銀を一直線に前進させます。(▲2六銀△5四歩▲3五銀△5三銀)
そして「合わせの歩の手筋」(▲2四歩)で銀をさらに一歩前進させます。
前回も出てきた、棒銀の重要手筋です。
△同歩に▲同銀
△2三歩と打ってきたら、
猪突猛進!(▲2三同銀成)
(全=成銀)
△同金に▲同飛成となれば、
これはほぼ前回と一緒で、棒銀成功の図です。
駒の損得は、
・金と歩を取って
・銀を取られて
なので、ちょっと駒得しました。
なんといっても飛車を「成る」ことができたのが大きいです。
獣の呼吸-参ノ牙-喰い裂きが決まった図、と覚えておきましょう。
勝つまでの道のり
喰い裂きが決まって優勢になりましたが、勝つまでの道のりは続きます。
まだ中盤戦なので、
・駒得
・成る
この2点に力を注ぎ、戦力を増強してから相手玉をつかまえます。
例えばここで△6二玉としたら、
▲3二金が覚えておきたい手。
△同銀には▲2二竜と取ります。
これで角と金の交換になり駒得です。
銀取りを避けて△4一銀と逃げたら、▲2一竜と桂を取ってさらに駒得を重ねます。
△5一金と銀にひもをつけたら、▲7六歩とします。
これで次に角を「成る」手を狙います。
こうして、「駒得」と「成る」に力を注いでいきましょう。
ぴよ将棋など、将棋AI相手に同じような展開を何度か練習した後、将棋ウォーズで人間相手に試してみましょう。
伊之助になったつもりで銀を猪突猛進!
そして技が決まった後は「駒得」と「成る」に力を注ぐ、これを守れば将棋ウォーズでも白星を重ねられるはずです!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?