将棋級位者にオススメ!~振り飛車の呼吸 参ノ型「三間飛車」~
将棋を始めて最初に覚えるべき戦法は棒銀戦法です。
こちらの記事でも棒銀を解説しています。
しかし棒銀だけだと、段々と勝てなくなっていきます。
なぜなら、棒銀だと攻めは覚えられますが、守りを覚えられないからです。
そこで棒銀に行き詰まったら、振り飛車を覚えるのがオススメです。
振り飛車の中でも三間飛車戦法が一番のオススメです。
ここからは、私が将棋級位者の方にオススメしている三間飛車について、『鬼滅の刃』を交えながら解説していきます。
なお指し手の内容は、cakes連載とほぼ一緒です。
連載では『鬼滅の刃』要素は抜きで、より詳しく解説しているので、ご参考ください。
はじめに
将棋には2つの呼吸があります。
・居飛車の呼吸
・振り飛車の呼吸
居飛車の呼吸は、大駒(飛車、角)はあまり動かさず、小駒(金、銀、桂、香、歩)を素早く配置し、「全集中」して技を出します。
『鬼滅の刃』でいえば、一気に相手を切り裂くヒノカミ神楽のイメージです。
振り飛車の呼吸は、最初に飛車を動かして、でもそこを定位置とせず、相手の動きによって飛車の位置を変えていきます。そして飛車を動かしながら技を繰り出します。
『鬼滅の刃』でいえば、水の呼吸のイメージです。
水の呼吸は、『鬼滅の刃』の主人公である竈門炭治郎と、柱の一人である冨岡義勇が使い手です。
炭治郎を育てた鱗滝左近次は水の呼吸について、
水はどんな形にもなれ、升に入れば四角く、瓶に入れば丸く、時には岩すら砕いてどこまでも流れていく。水はどんな形にもなれ、決して流れは止まる事がない
と語っています。
振り飛車もこのイメージです。相手の出方によって柔軟に指し手を変えるのが特徴です。
振り飛車の呼吸は守りから入ります。
しっかり守ってから技を出すイメージです。
この「しっかり守ってから技を出す」のは、将棋で重要な要素です。
そのためにも振り飛車を覚えるのが上達において大切です。
振り飛車の呼吸 参ノ型
さてここからは【振り飛車の呼吸 参ノ型「三間飛車」】を解説します。
水の呼吸の参ノ型は「流流舞い」。
下のGIFは手毬鬼と矢印鬼との戦いで炭治郎が放ったときのもの。
揺らめく流水のように移動しながら斬りつける、回避と攻撃を合わせた技です。
炭治郎は「流流舞い」で手毬を避けながら斬っていきました。
居飛車の呼吸による攻撃を避けながら斬りつける、三間飛車のイメージにとても近いので、三間飛車は「流流舞い」をイメージして指しましょう。
ここからは【振り飛車の呼吸 参ノ型「三間飛車」】の具体的な形を解説します。
まずは理想図を。
この理想図に向けて、駒を動かしていきます。
飛車と角を動かす
三間飛車を組むにあたり、優先度があります。
大きくわけると
優先度1:飛車と角と銀を適切なポジションにつける
優先度2:玉を囲う
ただし、相手が攻めてきたら、それに対応するのが最優先となります。
優先度1の中でもまた優先度があります。具体的にみていきましょう。
1−1.角と角がぶつかったらすかさず角の道を止める。
三間飛車は角を交換しない戦法です。なので▲6六歩と歩を動かして、角を交換させないようにします。
1−2.相手が飛車の前の歩を2つ進めたら、角を1つ上がる。
角は相手の飛車による技を回避するため、ここに配置します。
角がいなくなると相手の飛車による技を回避できないため、角交換を避けるのです。
優先度1−1と優先度1−2をクリアしていれば、次の「1−3」のとおりに指します。
1−3.飛車を左から3番めに持ってくる。
飛車を左から三番目に持ってくるので「三間飛車」といいます。
1−4.銀を角の隣に持っていく。
左の銀は角の横に配置して、角のききがない7六の地点を守ります。
相手が攻めてこなければ「優先度2:玉を囲う」に移り、守りを固めるために玉の囲いを作ります。
玉を囲う
玉は禰豆子だと思ってください。しっかり箱に入れて守らないといけません。ただ、禰豆子と一緒で玉は強い駒です。ときには箱から出て自ら戦いに参戦できるのです。
(竈門禰豆子)
将棋で箱を「囲い」といいます。三間飛車では「美濃囲い」を作って玉を守ります。
「美濃囲い」は、
・玉は元々飛車がいた位置
・銀は一つ上に上がる
・左の金を左斜めに上がる
これで完成します。
こちらも囲いを作るにあたり、優先順位があります。
1.玉をもともと飛車がいたところに動かす。
2.銀を真っ直ぐ上がる。
3.左の金をくっつける。
これで美濃囲いが完成しました。
先ほどと同様、相手が攻めてきたら最優先に対応しましょう。
おわりに
改めて理想図を再掲します。
これが【振り飛車の呼吸 参ノ型「三間飛車」】の立ち姿です。
しっかり覚えておきましょう。
実際に対局する際にどう組んでいくのか。
その辺りは次の記事で初手から一手ずつ丁寧に組み方を解説しています。
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