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踏んだり蹴ったりなカヌーでの下見

ツアーの予約が入っていない日は基本的に川に出て、釣りポイント、危険箇所などの下見をして、天塩川自体を体で覚えるべく一人で川に出ることが多いです。ちなみにしばらくは下見が続きそうなので、みなさんツアーに申し込んでください笑

昨日ですが、今までほとんど川下りをしたことがない区間を下見しようと思いいってきました。ちゃんと天気予報も見ずに。

まずはゴール地点に回送用のバイクを置きます。このバイク40年くらい前のスズキのエポというものでして、まぁ機嫌が悪いんです。
気温が変わる度にキャブレター(ガソリンと空気を混ぜる機械)の調節をしなくては行けなくて、暑い時はこのくらい、寒い時はこれくらいという感じに毎回、素人調節しています。
ゴールにバイクを置いた時に試しにエンジンをかけてみましたが、今回は機嫌がいいのか1発でエンジンがかかり、今日は大丈夫そうだなということでバイクにしばしの別れを告げ、スタート地点にカヌーを乗せたハイエースで向かいます。

スタート地点は車から川までが腰高くらいの藪で入りたくないなぁを思いながらカヌーを引っ張って川まで出ます。大きな段差もなく意外とすんなり、川まで出られました。
川を出てすぐに良さげなポイントがありましたが、魚の反応はなし。先の行程は長いので、見切りをつけて川下りを始めます。

今回、入った区間の印象は全体的に浅く、カヌーがよく引っかかります。これをラフティングボートで行くとなると結構辛い。魚のいそうなところをボートで行かなくては行けなくなるので、コース自体はあまり良い印象ではない感じでした。

釣りをしながらカヌーで下るわけですが、最近変えた糸が非常に調子が悪い。ルアーとの結束部分から簡単に切れたり、ショックリーダーとPEラインの結束部分からまぁよく抜ける。自分の糸を結ぶ技術不足かと思って何度も試しますが、何度もルアーを無くしました。
こんなトラブル続きなので、良さげなポイントでまともに釣りができずに終了。

さらに、遠くからゴロゴロと雷の音が聞こえてきます。これはやばい。雨足は強くなり、大雨の中、川をくだります。雷が自分に落ちるんじゃないかとドキドキしながらパドルと漕ぐスピードを上げます。幸い雷雨をもたらす雨雲は若干それて、雷は自分の近くに落ちることなく過ぎて行きました。

しかし、その2時間後くらいにまた自分の後方からゴロゴロと音が鳴り始めました。雨がまた強くなり、今度はまともに雷雨が頭の上を覆って行きます。大急ぎでパドルを漕いでなんとかゴールに置いてあるバイクまで到着。

しかし残念なことに、バイクに跨っても全く雷を避ける能力はありません。周りに自分より高いものといえば木くらいしかなく、非常に危険な状態。周りが一瞬明るくなったと思ったと同時にメリメリメリッ、ドッカーン、ゴロゴロと雷が落ち始めました。

そういえば雷が鳴ってる時の木の近くは危ないって、こないだテレビで言ってたよなと思いながら、バイクの燃料コックをONにして、キーを回してニュートラルランプがついたことを確認し、バイクに跨ってキックします。

全然エンジンがかからない。毎度お馴染みのキック地獄です。10回目くらいでエンジンが回り出したような音がしだして、キックと同時にアクセルを回したら元気よくエンジンが動き出しました。さてチョークを戻そうと思ったら、チョークを使ってないという始末。チョークというのはエンジン始動時に燃料を濃くしてエンジンのかかりをよくするものです。

無事エンジンがかかった頃、真っ暗だった雲はなんだか明るくなり、空の下の方には青空が見え始め、助かった・・・と一安心。次はスタート地点に置いてきた車までバイクに乗って行かなくては行けません。

草だらけのじゃり道をバイクで走り、車まで戻ります。車まであと5kmくらいの地点でバイクがなんとガス欠。アクセルと回してもエンジンが動かなくなりました。でも大丈夫。そんな時はリザーブという方向に燃料コックを回すと残り少ないガソリンで、まだ少し走れます。

スズキのエポは燃料タンクが小さく3Lくらいしか入らないので、こまめにガソリンを入れなくては行けません。今回はガソリンの入れ忘れ。まぁこれくらいあればいけるだろうという過信もありました。

とりあえず燃料コックをリザーブに回し、キックするとまたエンジンが復活し、車まで走り始めました。次にエンジンが止まったらもう、あとはバイクを押して歩くしかありません。

エンプティ状態のバイクにドキドキしながら乗って、やっと車で辿り着きました。よかった・・・しかし車に乗ると、アリがやたらたくさん車内にいる。どうやらアリの巣の上に車を停めたらしく、冒険心の強いアリたちが私の車の中を物色しているようです。

あまりにも小さい敵に何もすることもできず、とりあえずゴールに置いてあるカヌーやら自分の道具をとりにまたゴール地点に向かいます。
ゴールにつき、ずぶ濡れのライフジャケットなどを車に放り込み、カヌーを車の屋根に乗せ、やっと家に帰れます。

釣り糸のトラブル、雷と大雨、アリにやられた下見。天気予報としっかりみてから川に出ようと思いました。そして私の車の中にはアリの駆除剤「アリメツ」が置いてあります。アリメツはシロップ状の薬を専用トレーニ入れ、アリの列の近くに置いておくと、それをアリが食べ中毒死するものらしい。かわいそうだけど、早く車からいなくなってくれ。

今回は「踏んだり蹴ったり」な川の下見でした。でも日本語的には「踏まれたり蹴られたり」なのではないかと昔から思っています。


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