新卒PMがいきなりシニアのベトナムメンバーとタッグを組んだ話


自己紹介

こんにちは、株式会社Sun Asteriskでプロジェクトマネージャーをしている松本陶矢(マツモトトウヤ)です。PMといっても、今年の4月に入社したピチピチのひよっこ新卒社員です。わからないことがまだまだ多く、常に試行錯誤しながら日々の仕事を進めています。

最近ハマっていることは、自分の家のアップデートです。4月から一人暮らしを始めて、そこからずっと部屋のインテリアをいい感じにすることに時間を割いています。最近はクリスマスツリーとリースを部屋に飾り始めました。家にいるだけでクリスマス気分を味わえるのでおすすめです。

部屋の扉にリースを飾ってます。見てるだけでなぜかテンション上がります。

Sun* Advent Calendar 2022 13日目の記事担当として、タイトルにもある通り 新卒PMがいきなりシニアのベトナムメンバーとタッグを組んだ話 をみなさんにご紹介します。Sun*のベトナムチームのケイパビリティや、海外チームと上手く連携するコツを知りたい方はぜひ続きを読んでみてください。


この記事で伝えたいこととその背景

この記事では以下の2点をみなさんに伝えようと思います。

  • Sun*のベトナムメンバーはすごく優秀だということ

  • 母語や文化的背景が異なるベトナムメンバーと一緒に仕事をする上で意識したこと

※この記事では適切な言葉が見つからず「優秀」というワードを使用しています。本来「優秀」という言葉は、上に立つ者が人の能力を判断する際に使うものかと思います。しかし「すごい」「かっこいい」という言葉だけではベトナムメンバーの素晴らしさを表現しきれないため、あえて「優秀」という言葉を使用することにしました。Sun*ではベトナムチームと日本チームの間に優劣は一切ありません。ちなみに今回の関係性は僕が後輩、BrSEの方が先輩といった立ち位置です。日々いろいろ学ばせてもらっています。

まずは、この記事を書くに至った経緯を説明します。僕は10月から新たなプロジェクトに入りました。プロジェクトのゴールは 2ヶ月で動くものを作ること です。体制は以下のように日本側のメインメンバーは僕だけです。

  • Sun* JP→新卒PM(僕)、PMサポート2人

  • Sun* VN→シニアBrSE(BrSEについては後述)、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア

シニアPMがサポートとして陰ながら見守ってくれつつ、僕とベトナムメンバーが中心となってプロジェクトの推進をしていきました。Sun*として日本人新卒PMとベトナム人BrSEの組み合わせが上手くいくのかを検証したいという目論見があり、上記のような体制になりました。

2ヶ月というタイトなスケジュールでしたが、結果としてプロジェクトは無事成功に終わりました。僕な率直な感想としては、大きなトラブルなくプロジェクトを完遂できたことにホッとしています(笑)。

この検証を他のプロジェクトにも展開するためにプロジェクトメンバーと振り返り会を行いました。結論として、①ベトナムメンバーがとびっきり優秀だったことと、 ②チームとしてどのように動くかをしっかり擦り合わせ続けたことが成功の要因だと理解しました。この2点がまさに、上に書いた「伝えたいこと」の2点です。

1点目について、Sun*に入社してから、幾度となく先輩から「ベトナムメンバーはマジで優秀だぞ」と聞かされてきました。この言葉を疑うつもりは全くなかったのですが、今回のプロジェクトを経験するまでは、僕自身ベトナムメンバーがどのように・どれくらい優秀なのかいまいちピンときていませんでした。しかし今回のプロジェクトを経て、Sun*のベトナムチームがなぜ優秀と言われるのか解像度が上がりました。そして、それをより多くの人に伝えたいと思いました。本気でプロダクト作りに向き合える人たちが海を超えた先にいて、そういう人たちとワンチームで価値創造に夢中になれるのって素敵だと思いませんか? 少し頭出しをすると、彼らはただの開発部隊ではなく、最強の相棒だということを語らせてください。

2点目は少しスキル的なところです。PMとして僕はまだまだ未熟ですが、今回のプロジェクトの経験から 海外チームと仕事をする上で意識すべきこと を少しは伝えられるようになったと実感しています。母語が違う・文化的背景が異なる人たちと同じゴールに向かうにあたって気をつけるべきことをお伝えできればと思います。

ということで前置きが長くなりましたが、次の章から上記2点を説明していきます!


Sun*のベトナムメンバーはすごく優秀だということ

※ここで語るSun*ベトナムのメンバーについての印象はあくまでも僕個人の感想です。ご了承ください。

まずはSun* VNとSun* VNにおけるBrSE(ブリッジSE)について説明します。Sun* VNは株式会社Sun Asteriskのベトナム子会社で、Sun*が推進しているプロジェクトにおいて主にシステム開発を担当しています。

BrSEは、一般的なプロジェクトマネージャのように、プロジェクトの管理・推進を担当しています。その上で、職種名にブリッジとついている通り、日本とベトナムの橋渡しが主な業務です。日本人クライアント・日本人プロジェクトメンバーの意向を翻訳してベトナム人に伝え、開発を進めることが責任範囲です。

Sun* VNとBrSEについての説明をした上で、彼らはどのように優秀なのかをお伝えします。色々な観点で優秀さを伝えられるとは思いますが、僕はひとえに 同じチームとして動く意思が非常に強い ことです。弊社のベトナムメンバーと一緒に仕事をしたのは今回が初めてなので、他のプロジェクトについては語れません。ただ少なくとも今回のプロジェクトでは、日本側から受け取った要求や仕様を言われた通りに実装するのではなく、開発観点からアドバイスをしたり、実装方法についての提案をしたりしてくれました。

一般的にオフショア開発と言われると「海外チームが下請けのように仕様を受け取って、指示される通りに開発を進めていく」みたいなことを想起される方は少なくないと思います。Sun*のベトナムメンバーは、僕たち日本人メンバーとワンチームで、最強の相棒としてクライアントの課題と本気で向き合える。その上で必要な提案やアドバイスをして、議論をして、要件を固めていく。そういったところにまで入り込んでプロダクト作りをできたため、本当に心強い存在だと思いました。

特に本プロジェクトではシニアのBrSEの方と頻繁にコミュニケーションをとっていました。彼は元々日本企業で働いていて、中途でSun* VNに入り、BrSEとして4年ほど働いている経験豊富な方で、時には僕のメンターとしていろいろ壁打ちさせていただいてました。彼はクライアントとのミーティングで積極的に開発の進め方について提案したり、ディスカッションの場面で意見を出してくれたり、開発面でプロジェクトをグッと推進してくれました。

Sun* VNにはこういった、主体的にプロジェクトに参画して、責任感を持ってプロジェクトを推進できるBrSEがたくさん在籍しています。そして僕はプロジェクトを通して、この事実がSun*の強みの一つだと実感しました。

ただ、そんな強いベトナムメンバーがいれば放っておいてもプロジェクトが完璧に進むのかと言われるとそういうわけでもありません。ベトナムメンバーと実施したプロジェクトの振り返りで今回プロジェクトが上手くいった要因を洗い出したので、次の章では ベトナムメンバーと一緒に仕事をする上で意識したこと について共有しようと思います。特にこれから海外チームと働く方の参考になれば幸いです。


母語や文化的背景が異なるベトナムメンバーと一緒に仕事をする上で意識したこと

プロジェクトでは主に以下の2点を意識していました。

  • 日本語/日本文化にまつわる文脈理解の補助

  • 互いの役割/タスクの明確化

日本語/日本文化にまつわる文脈理解の補助
日本語で意思疎通ができるBrSEとはいえ、日本人同士の会話を完璧に理解することは難しいです。また、日本とベトナムで商習慣が異なったり、文化的な背景が違ったりするため、単語を拾えても文脈を取り違えてしまうことも起こり得ます。したがって、僕はミーティングで話したことをきちんと構造化して議事録を作成することを徹底しました。クライアントとのディスカッション内容・合意したこと・ミーティング中に発生した余談も含めて、一義に理解できるかを気をつけながら議事録を作ることで、BrSEがミーティング中に全てを追いきれなくても大丈夫な環境を作れたと思います。

また、整理した議事録をもとに、クライアントミーティングのラップアップも毎回行いました。議事録を見ながらミーティング中に発生した会話を一つずつ振り返り、口頭でも認識の齟齬を解消していきました。テキストで整理した内容を読んだとしても全ての認識が完璧に合うわけではないため、口頭でのラップアップはやって良かったです。

互いの役割/タスクの明確化
これはそもそも日本人と働く時でさえ意識すべきことですが、やはりバックグラウントが全く異なる人に対して「暗黙の了解」は全く通用しないため、今回は明確に・かつこまめに互いの役割分担を確認しました。具体的には、BrSEの方と毎朝会話して、現状のプロジェクトのフェーズを見ながらそれぞれのタスクを振り分けていました。

動き方の具体例は以下のような感じです。クライアントから新たに要求をもらったというケースを取り上げます。

  • クライアントミーティング後に、僕の方で要求の整理をする

  • 要求を構造化した上で翌朝にBrSEと会話して、どのように開発するかを決めた上で実装のディレクションをBrSEにお願いする

  • 今回必要なドキュメントとして開発を再現するためのマニュアル作成がスコープに入っていたので、開発が進んでいる間は僕がマニュアルを執筆する

  • マニュアル作成に必要な開発側の知識や手順はBrSEと朝会で口頭確認したり、BrSEに開発メモを作成してもらう

このように、BrSEの方には開発周りのことを見てもらう・僕はドキュメンテーションやクライアントからの要求整理をとりまとめる、といった役割分担を前提にして、具体的なタスクを振り分けていきました。それと併せて、朝会の場でお互いの進捗を共有したり、困っていることを相談したり、進め方について議論したりなど、役割分担をした上でも密にコミュニケーションをとりました。タスク振り分け後にも会話をし続けることで、小さな認識の齟齬を素早く修正することができ、方向性を大きくブラさずにプロジェクトを進められたのではないかなと思います。

少し余談ですが、朝会ではアイスブレイクを兼ねて雑談も欠かさずやりました。僕とBrSEが初めましての状態でプロジェクトに入ったため、お互いのパーソナルな部分をゆるく話しました。結果にチームとして結束力が高まり、心理的安全性も確保されたため、議論や相談を遠慮することなく投げかけることができるようになったと感じています。

まとめ
新卒PMがいきなりシニアのベトナムBrSEとタッグを組んだ結果、Sun*のベトナムチームがとんでもなく優秀だということに気づき、彼らとうまく連携する方法を知れました。最後に、この記事を書きながら感じたことが二つあるのでそれを最後に記事を締め括ろうと思います。まずは、ベトナムメンバーだから〜とか日本人だから〜とか、そういう話ではあまりないということです。どういうことかというと、Sun*のベトナムチームは他のオフショア開発チームと比べて優秀だ!みたいに比較するつもりは全くなくて、単純にSun*には優秀な人たちがいて、たまたま彼らがベトナム人だったということです。

次は、「互いの役割分担が大事だ」と上で書いていますが、これは海外チームと働く時に限らず大事なことだということです。チームメンバーが日本人だから暗黙の了解でよしなにプロジェクトを進められることはないはずです。自分で書いておいて難ですが、チームで働く時は常に役割分担を明確にしたいですね(自戒も込めて)。

さて、次回のSun* Advent Calendar 2022は14日目、僕の同期であるタムちゃんの 初めての画面設計書(+Notion活用方法公開!) です。お楽しみに!


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