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肥料撒きはバルビゾン。

今ぐらいはコシヒカリに穂肥をあげる時期です。稲が、よーし穂を出すぞーってやる気になってるところをサポートするのです。

しかしながら田んぼに入ると根を痛めてしまうので、畔から撒くことになります。でも田んぼは一反。10a。いくら昔ピッチャーだったからと言っても、中心部にまんべんなく投げ入れるのは容易ではありません。

そこで考えました。これは、アレだ。クロダイ釣りなんかでコマセを撒くやつ使えばいいんだ、と。

これです。まあ、柄杓ですね。

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これ、その名も遠投柄杓。

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早速使ってみましたが、大変すばらしい。中心部に届く。ピンポイントで狙ったところに届く。クロダイのウキ釣りなんかでは、遠くのウキにぶつけるように点でコマセ撒くからね。

・・・しかし、この「ピンポイント」というのが問題で、例えていうならダーツのように、ズドッズドッと田んぼに肥料が突き刺さる感じ。これだとバラまけないので、肥料の効き方が偏ってしまうのではないかと不安に。

そこでいろいろ試しました。まずオーバースロー。これはズドッとダーツ的。サイドスローは投げ慣れていないので、足元にバラバラと肥料をこぼしちゃう。アンダースロー然り。

こりゃあれだ、野球をイメージしちゃいけないんだ、別の何かだ。としばし考えまして。

思い浮かんだのが武道。緋村剣心。そう抜刀斎。

左脇にかかえたバケツという鞘に柄杓という刀を収め、神速の抜刀術で柄杓を抜く。

ところが神速すぎて狙いが定まらない。

それではと、左下から右上へとゆっくり剣を振り上げる動作に変えてみる。これがうまくいきまして、非常に効率よく作業を終えることができました。

カラになったバケツ鞘に柄杓刀を収め、作業後も何度も同じ動作を繰り返す。いや、また例によって技名つけなきゃと思ったんですね。でもよく考えたら、これって「逆袈裟切り」だ。もっと言うと、ミレーの「種をまく人」だ。フランス絵画バルビゾン派だ。

普通の動作じゃないか。

場合によっては奥義として、、、なんて考えていたんですが。昔に倣うのが王道のようです。

農の道は一日にしてならずぢゃ。


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