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パラレルツアー ③

自粛生活。これだけ長いこと家にいることもまぁない。それゆえ気づくこともあったりなかったり...。

僕がここ最近で気づいたことといえば、その日の気分と天気が密接に関係しているということだ。普段であれば天気などどうであれ、朝はなんとなく憂鬱だし何より眠い。それに比べ近頃はそれなりに睡眠をとり、起きてからリビングのソファーに座るまでは毎日同じ時間に同じ行動をとるわけだ。するとどうやら毎日同じ気分ではないことに気づいた。もちろん晴れていれば最高だし、雨だとどうにもノってこない。

ちなみにインド到着時の天気はというと

今回は皆様が僕の心中をお察しする番だ。そう、お気付きの通り最悪。到着時の気分が最悪だった理由はこれだけではない。着陸から遡ること12時間前。

出発は成田空港より。空港に到着し、エアインディアのチェックインカウンターを探しつつあたりを見渡すとひときわ目立つ長蛇の列が。まさかな、と思いつつ近づくとそのまさかなは少しずつ確信へと変わっていった。並んでいる人のほとんどの人がインド人。まだインドへ着いてもいないのにすでにインドへ来たかのような気持ちになる。行列へのイライラとワクワクがいい勝負といったところだ。

結局出発数時間前には着いていたのにも関わらず、チェックインが終わる頃には出発30分前。そこから手荷物検査等々を済ませ、搭乗ゲートに着く頃には最終案内をしているところだった。この一連の旅のスタートにインド“らしさ”のようなものを感じ、この頃にはワクワクが圧倒的な勝利を収めていた。

そして飛行機へ乗り込むと、独特な香りに驚かされた。これは嘘でもなんでもなく飛行機の中からすでにスパイスのような香りがしたのである。さすがこれがインドか、とファーストインパクトを受けた。

到着は約8時間30分後を予定しているとのことだった。次の衝撃は出発後しばらくしてドリンクのサービスと一緒に出て来たスナック。見た感じはポテトチップスを細くしたようなものがベビースターのサイズの袋に大量に入っている。味はコンソメだろうか(これ、激辛です)、隣のインド人はワインを片手にボリボリと(これ、激辛です)食べ始めていた。僕のオレンジジュースに合うかは分からない(これ、激辛です)がひとまず食べてみる。袋の口を開け、ザザァーっと(これ、激辛です)口に流し込んだ。おそらく日本人の僕には致死量だった。過去1で咽せた。手元のオレンジジュースは明らかに足りなかったがなんとか食べきった。それも2袋。

インドの洗礼をうけた僕はすでに出発前の僕とはレベルが違った。いわゆるレベチ。機内食はもちろんカレー。これは格別だった、機内食のクオリティーとは思えないほどだった。今思えば、飛行機に乗った際のスパイス達はここから来ていたのかもしれない。

そしていつものことながらイヤホンの片耳が聞こえなくなり(なぜか僕の席のイヤホンは高確率で壊れている)仕方なくダウンロードしてきたネトフリ見て過ごした。

数時間後、着陸態勢に入ることが告げられる。ここからが地獄だった。窓の外は明らかに厚い雲と雨で覆われていた。時には雷がすぐ隣で落ちたかのような光と音で機内は悲鳴が上がる。その光景はまさに、奇跡体験!アンビリーバボーの飛行機墜落事故の再現映像(あれで多くの日本人が飛行機に乗ることを恐ろしく感じるようになったと思う これマジで)と完全に一致し泣きそうになった。それに加えジェットコースターのフワリとくるあの感覚が繰り返しやってくる。僕はあの感覚が大の苦手だ。小6でワン泣きしながら乗ったタワテラを思い出した(それ以来乗れない)。目をつぶりうずくまるようにして難を逃れるを待った。その間、後ろの席のCA達は楽しそうにゲラゲラ笑っていたのを僕は絶対に忘れない。

当初の飛行時間を3時間ほどオーバーし、到着した頃にはいわゆる完全なバット状態に入っていた。そんな状態で天候は最悪、ここで僕はインドへ来たのをちょびっと後悔した。というか今日じゃなかったわ、と。

しかしインド人の優しさに触れる最初の出会いがこのあとすぐに訪れる。ストーリーにでてきたおっちゃん含め次回はそのあたりから。到着後の話もする予定だったのだけれど、思っていたより行きの飛行機だけでもネタがありすぎた...。

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