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パラレルツアー ⑤

noteでこんなものを書き始めて少し経つけれど、思いのほか続いていてかなり驚いている。まぁ インドへ行って帰ってくるところまでは書ききらなきゃな、というある程度の目標があるのは大きいかも。

ただ、こんな長くなる予定じゃなかった。我ながら思う、なげぇよ。まだ1日目かよ。旅への思いが溢れちゃってんね、ウケるね。


みんなはインドカレーと聞いてどんなイメージを思い浮かべるだろう。スパイスがきてそう?米よりナン?ラッシーもセットなかんじ?正直、僕はカレーそもそもに興味がないタイプの人間だった。給食で出たら“ラッキー”くらい。つまり、インドでカレーを食べる、ということに対してのモチベーションは一般的なインドトラベラーと比べ低かったと思う。しかし面白いものでいざインドで食事時を迎えると僕は誘われるようにカレー屋へ向かっていた。

着くと見た感じは屋台の出店のような雰囲気、はたしてここで食べることができるのだろうか。恐る恐る店員に話しかけてみる。すると屋根裏の倉庫のような場所へ案内された。そこにはイートインスペースが。

メニューを渡されたが解読不能、グーグルマップで見た写真のカレーとチキンを注文した。もちろんだが、水などいくら待っても出てこない。しかし、テーブルに銀色の壺のようなものがあり中に水が入っている。ここが砂漠でもない限り決して飲むことはないが(衛生的にね)、興味本位に店員にこの水は飲めるのかと聞いてみる。すると店員は冗談はよせと言わんばかりの表情で、違う 飲み水は買うに決まってるだろと言われそらそうだよなと思った。ではこの水はなんだろう。

そう考えているとカレーとチキンが運ばれてきた。ん 想像と違う。ナンかと思っていたものは異常に薄く小さい。カレーと思われるものは水に近くシャバシャバ、それに加えよくわからない白いものが添えてある。

正直異国での食事には慣れている、なんの躊躇もなく食べようとしたが、ん これらは何で食うんだ。戸惑いの連続、次なるカルチャーショックはこの時だった。何で というのもフォークもスプーンもない。ここでやっとこの国は素手で食べる文化があることを思い出す。

何事もチャレンジ、右手でナンもどきを掴み黄色い液体につけて食べてみた。美味い 美味いぞ。想像以上にしっかりとした味付けで驚いた。水っぽい見た目から薄味を想像していたからだ。次に白いなにものかをつけて食べてみる。クラった。正直先ほどの液状のカレーよりもうまい。味は蟹味噌に近かったと記憶している。何よりうまみがとんでもなかった。

すると向かいの席に男二人組がやってくる。2人は器用に手を使い、片手にスマホ片手にナンもどきのスタイルで食べ進める。その姿に驚いたが、僕らが箸を使いこなす様を外人が驚くのと同じことだと気づく。同時に、僕はこの国では外国人であることを気づかされた。

ここで先ほどの銀の壺の水の使用用途が発覚する。2人は食べる途中何度か右手を壺の中へ突っ込んでいた。おそらく手を軽く洗うような感覚で使うようだ。しかし僕のテーブルからいつ間にか壺がさげられてしまっていた。とんでもない質問をしたもんだから危険人物と見なされたのだろう。

とっくに食事は終わっていたためここらでサクっと手を洗いたかった。2人へ尋ねてみると、下に手洗い場があるから退店のついでに洗って帰るといいよと教えてくれた。突然ロン毛のアジア人が訪ねてきたにも関わらず丁寧に答えてくれるこの国の人達はどうやら優しいらしい。

書き忘れたがチキンも最高だったよ。からあげクンを小さくして少しスパイシーにした感じ。日本人も食べ慣れた味だった。

カレー屋を後にし、まだ少し胃袋に入るなと思いながら通りをフラついてみる。野犬の量が凄まじく、バイクは皆クラクションを鳴らしながら走っている。やけに物騒な街を少し抜けると雑居ビルのような建物を見つけた。その建物には見慣れたMの文字が。

入ってみるとそこはやはりマクドナルドだった。マックでさえもこんなにボロボロなのかとショックだったが、マクドナルドの店員はどの国も愛想がよくてホッとする。ここでも異国ながらどこか日本と同じような居心地のよさを感じた。

と マックへのよいしょをかましたが、とはいえここでゆっくり食事するほどの体力はなかった。そのため、この時はこの国の定番だと思われるハンバーガーと日本では見たことのないパイを買いホテルへ戻った。

そして無事ホテルへ到着。ふと靴を見て驚いた。もともとボロいものを履いてきたつもりだったが、一気に3年ほど経ったかのような様子でそういえば道という概念がなかったなと振り返り思った。いたるところがコンクリと砂と砂利でガタガタ、長時間歩くのには疲れそうだった。

先ほど買ってきたハンバーガー(チキンクリスプのバンズ厚いVer.酸味強め)と、パイ(いわゆるピザパイ 豆が入っててゲンナリ)をたいらげこの日は早々床へ着いた。

 ...と ここまではウォーミングアップ、2日目からはさらなる驚きの連続だったのですわ。次回、何だって現地調達!編で。

(進捗度を懸念し、今回はいつもにも増して長めにしたがどうだろう。読む側としては1エピソードの文量は多いほうがいいのか少ないほうがいいのか。はて 悩ましいところ。からあげクン食べてぇ)


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