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パラレルツアー ④

いよいよインドの地に足を踏み入れることになるわけだが、ここでこれからの記述に誤解を生まぬよう言っておかなくてはならないことが1つある。

この旅で様々な人とコミュニケーションをとった、インドの人々はみなフレンドリーで気さくに話しかけてくれる。それに甘え、僕も僕なりにコミュニケーションをとった。いいチャンスであることは間違いないからだ。ただ、僕は英語がバリバリに喋れるわけではないため、大まかにこんなようなことを言っているのではないかと僕なりの推測が入ってきてしまう。

これからの文で、さも現地民と流暢な会話をしているような表現が含まれるがそれはかなりなんとなくであることを念頭に置いておいていただきたい。ではいこう。


前回申した通り、大雨の中迎えられたインド。もはや迎えられていたのかどうかも怪しいが、無事入国審査を終えホテルまでの送迎車を探す。するとすでに僕の親世代の日本人夫婦が先に乗っていた。彼らのホテルを経由し向かうらしい。

飛行機も同じ便だったようであの惨劇を語り合っていると、すぐにその夫婦のホテルへ着いた。見る限り周りにもホテルが多く、何より人通りが多い。どうやらデリーの中でも特に栄えた地域だそうだ。

伝え忘れていたが、この送迎車には日本語が喋れるインド人が1人(ホテルのチェックイン担当)と日本語が喋れる様子のないインド人が1人(運転担当)が前に乗っていた。察しのいい人は気づいたかもしれないが、ここで僕は日本語の喋れる様子のないインド人運転手と車に2人きりになった。き...気まずい!これは何か切り出さねばと慌てた僕は、なぜかインスタのストーリーのフィルター機能を思い出した。これだ(は?)と思い、僕の画面に彼の顔を写した。そのフィルターというのも口を開けると口の中から蜘蛛が現れ、顔中を駆け回るというなんとも微妙なチョイス(僕のストーリーのハイライトからチェックできる)、しかしなんとも言えない顔ながら応じてくれた。

これが功を奏したようで、彼から話しかけてくれた。お前は英語を話せるかと聞かれ自信満々におうと答えた。すると、彼は今までの様子からは想像もできないほどのテンションでデリーの街について語り出した。なんて可愛いんだ。このシャイボーイからはデリーの駅ではひったくりに気をつけろということや、24時間空いてる店はほとんどないことなど、インドの基礎を教わった。自分の準備不足さにヒヤリときた瞬間だった。

しばらく待たされた後、もう1人が帰ってきた。僕のホテルまではもう少し車を走らせるらしい。しばらくたったところで僕はインドへ来て初めてのカルチャーショックを受ける。それは大きな交差点の信号で車が止まった際のこと。

窓から外に目をやると、高架下に人が肩を寄せ合って生活をしていた。ホームレスだ。ここで僕は誤ってまじまじとその様子を見てしまった。すると小さな少年と目が合った。交通量の多い大きな交差点にも関わらず、そんなことに恐怖を感じる様子もなくこちらに向かって笑顔で走ってくる。するとその少年は車の中を覗き込みお金が欲しいとせびってきた。僕は首を横に振ると、少年は細い棒のようなもので窓ガラスをコンコンと叩き始めた。運転手のシャイボーイは気にするな無視し続けろと言う。車が動き出すと諦め離れていったが、なんとも言えない罪悪感に襲われた。日本では決して起こりえないことを経験した。

そんなこともありつつ、ようやくホテルに到着する。先ほどのホテルと違いひと気が少なくいわゆるじめっとした場所だった。ここで僕はポジティブシンキングを働かせ、インドはこうでなくっちゃ!と思うことにした。チェックインをサクッと済ませいよいよここからは僕1人きりになった。ここへきて急にドキドキしてきた。

さて先ずは腹ごしらえ、インドへ着いて初めに食べるものといえば1つしかない。カレーだ。近くにローカルなカレー屋を見つけさっそく向かうことにした。このカレー屋で次なるカルチャーショックを受けることになる。それは、また次回。

(読み返してみると今回若干暗めなテイストだったな...。ホームレスの件を思い出して若干凹んだからかもしれない。改めて旅って学ぶこと『考えさせられること』が多くてマジサイコウだね。)



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