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資産運用はここからが本番?

2020年後半から2021年は投資家にとっては楽な相場が続いていました。

よほどタイミングの悪い売買をしない限り、あるいは債券一辺倒で投資などをしていない限り?は収益の確保が可能だったんじゃないでしょうか。

2022年に入り、どうやら状況は変質してしまったようです。

● インフレの上昇
● 財政政策の縮小
● コロナの変異株リスク
● ウクライナ/ロシアを発端とする地政学リスク

年初から2度の相場下落で最悪投資をやめてしまった人も少なくないようです。

年初来の最大下落率

いかんせん2021年が上昇相場だったもので、目が慣れていなかったところがありますが、今回の相場下落はまだ大したことありません。

例えば、米国のNYダウの場合は、年初来の最大下落率は

・1月26日に-7.2%
・3月8日に-11.3%

ちなみに年明け直後の1月5日が年初来最高値みたいですね。いずれにしてもコロナの時は30%以上、リーマンはさらに大きな下落だったので、そこから比較すればまだまだ小さい下落幅です。インデックスで投資している場合には、ここに配当収入が加味されるので、さらに下落幅は小さいはず。

他方、足元はナスダックの下落にも注目されているところ。金利上昇などにより割高だったTech株が変調したことで、ダウより大きな下落となりました。3月14日に年初来高値から-20%を記録しています。

本来の性質から言えばナスダックはダウより値動きが大きくてしかるべきなのですが、コロナの時はTechは相対的に強いセクターだったこともあり、下落率がダウとそん色ない-30%でした。

またその後は、実需に対する期待などもあり力強い回復があり、こうした上昇に着目して需要が集まったのが、SNSでおなじみのレバナスでした。

レバナスに全振りしていたりすると、ざっくり40%以上のインパクトを負うことになるはずなので、今回程度の相場変動でも致命傷(と思うかどうかは、投資スタンス次第ですが)になる可能性があるわけですね。

株式全振りは勇気のいる行動

FIREを目指す30代以下くらいの若い人の場合、株式に全振りするポートフォリオ(というより株インデックス全振り)を組む人も少なからずいるかと思います。

確かに歴史で見れば、S&P500やダウに全集中(ちょっと古くなってきたか?)しておけば、資産形成にはプラスであることがわかります。右肩上がりの市場に投資し続ける、はロジック的には正解です。

しかし、株式は時期によっては大幅に下落することがあります。現代人にとって幸か不幸か、直近の経済ショック「コロナショック」では株価の回復があまりに早かったため「ちょっと持っておけばすぐ戻る」という感覚で投資をおこなっている人もいる気がします。

実際にはリーマンの場合は、ただ指数を保有し続けるだけですと、回復まで数年の期間を要しています。

本当にわかっている人は「数年持ちこたえれば復活できる」から株に投資し続けるのだと思います。それは正解です。

一方で、コロナしかショックを知らない・イメージしていないまま株に全振りすると、精神的につらい可能性があります。

つらいだけで持ちこたえられるのであれば良いですが、焦って売ってしまったり、そもそも信用などをおこなっていてポジションを閉じざるを得ない状況に追い込まれてはいけません。

今回の下落は「単なる調整にすぎない」ことを理解したうえで、最大50%近くの下落、回復まで数年かかるリスクを精神面含めて耐えられる人が、株全振りをおこなうべき人だと思います。

株が右肩上がり=レバレッジが正解とは限らない

さてさて、話題のレバナスは、実は当方も少しだけ持っていて、絶賛含み損です笑。ただポートの1%も入っていないので放置しています。

あくまで個人の好みですが、当方はレバもの商品に全振りすることは、絶対にない、もっというとポートの10%に達することもないと思っています。

株が右肩上がりだからレバレッジで収益を高めるのが最強と考えてしまいがちですが、ちょっと待ちましょう。

実は、ショックなどで株式が暴落すると、レバものは回復が遅れるリスクがあります。下落時のマイナスを強く受けてしまうからです。

例えば極端な例で、5日で株価指数が半値までさがって、5日で元に戻った場合、指数自体は10日で損益ゼロになります。一方で、2倍レバレッジで当該機関投資をおこなうと、約-20%で止まってしまうのです(均等に10ずつさがって10ずつ回復した場合)。

しかもその間、一時レバは100→20前後まで下がります。1/5になる指数を見て耐えていられるかは、自分の心に聞いてみた方がいいと思います。

これを考えると、3-4倍の株式レバレッジなどは、かなり上級者向けの商品だと思います。

ポートフォリオを構築しよう

今回の下落が応えたとしたら、おそらく株式全振りには適さないということだと思います。少なくとも-30%くらいでは気持ち的にびくともしない、半値になって焦る、くらいのメンタルでないとおすすめできないです。

当方もそんなメンタルはないですし、家計資産が半値は全く無理なので、ポートフォリオを構築しましょうということになります。

当方のポートフォリオは足元ざっくりこんな感じ。

・株が合計50%(日本株20%、先進国25%、新興国5%)
・REITが合計15%(日本、先進国、新興国各5%)
・債券が合計10%(新興国・先進国で5%ずつ)
・その他合計25%(金、インフレ連動債、VIXなど)

年初来の最大下落率は-3%程度で、ここ数日年初来プラスに転じています。REITと日本株が損失を抑え、そして早期回復に貢献してくれています。特にバリュー株がかなりの防御力を見せました。

見通しは外れてもいい

投資をおこなうとなると、一応将来の予測を立てるとは思います。長い目で見れば絶対プラスになると信じてほったらかし、という論理もありますが、当方はいちおう何となくの見通しは持っています。

ここ数カ月~半年くらいはインフレをイメージして金やらインフレ連動債idxやらを組み入れたり、金利上昇を見込んでベアをいれたりしていました。

ただ、こうした見通しは往々にしてあたりません。2021年の年末のころに2022年の不調がこんなに早く来るとは思っていませんでした。(年後半くらいかなと思ってました)

当方は、個人が立てた見通しなんて当たらないということを受け入れたうえで「当たったらラッキー、外れても大丈夫」なポジションを徹底しています。

今のポートフォリオも、このまま相場が回復しインフレが高止まれば収益が出てGoodですが、最悪もう一度下押しても、直近の下落が-3%で済んでいるのを見ると、入金で微調整していく程度で耐えられそうです。何なら倍以上の下落率をみても大丈夫そう。

見通しは立てるけど、外れてもよいというのが、投資スタンスとしておすすめというわけですね。

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