どしゃぶりの雨が室外機を鳴らしている。雫の斜線。雨に閉じ込められたみたいだ。突然の着信音が薄い膜を切り裂いた。『花見行くぞ』「今日?」『雨粒にぶつかって散る桜が見たいんだ。30分後に駅集合な』風流なのか悪趣味なのか。窓の外では雨が僕待ち。閉じ込もっていただけ。さあ、濡れる用意を。

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