【印刷研究所コラム】 vol.13 製本について
印刷、折り、綴じ、断裁、製本。
本や冊子を制作する工程は多岐に渡ります。製本の種類も多様で、いざ本や冊子を制作しようと思った時に、何から手をつけていいのかわからないという方も多いかもしれません。
今回は、製本ことはじめとして、製本 / 綴じの種類、作りたい冊子はどのように見積もりを取ればいいのかなど、製本に関わる基本的な情報をご紹介します。
製本の種類
製本の種類は、製本工程の違いで並製本と上製本に分けられます。
並製本とは、表紙と本文を合わせて綴じてから断裁をする製本 (綴じ加工しないものもあり)で、上製本とは、本文のみで綴じて断裁した物を、厚紙などで作るハードカバーの表紙でくるむ製本を指します。上製本の表紙は本文より少しサイズが大きくなり、大きくなっている部分を“チリ”と呼びます。
綴じの種類
製本では、紙を綴じることで、バラバラにならない冊子に仕上げます。※1
綴じの種類はさまざまで、綴じに使う材料や方法によって、中綴じ・無線綴じ・あじろ綴じ・平綴じ・糸かがり綴じ・ミシン綴じ など※2 に分けられます。
※1 綴じ加工をしない製本もあります
※2 記載した綴じの種類は一例です
中綴じ:折丁の背を針金で綴じる製本 (使用例|会社案内・パンフレット・週刊誌など)
平綴じ:ノド近くを側面から針金で綴じる製本 (使用例|企画書・報告書・マニュアルなど)
無線綴じ:背を糊で固める製本。あらかじめ背の部分を削り、糊付きを良くしている。(使用例|雑誌・文庫本・カタログなど)
あじろ綴じ:無線綴じの改良版。あらかじめ背に切込みを入れ、糊付きを良くしている。(使用例|雑誌・文庫本・カタログなど)
糸かがり綴じ:折丁の背を糸で綴じ、糊で接合させる製本。(使用例|書籍・各種辞典など)
ミシン綴じ:中綴じ・平綴じのミシン版 (使用例|ノートなど)
綴じ加工の種類
製本は、綴じる(開く)向きによって下のように名称が異なります。
左綴じ(左開き)
表紙を表にして見た際に、左側の辺が綴じられているものが 左綴じ です。ページは左方向(右から左)へ順番にめくって開くので、左開き とも呼ばれます。基本的には 横書きの冊子に使用されます。
(例|算数の教科書)
右綴じ(右開き)
表紙を表にして見た際に、右側の辺が綴じられているものが 右綴じ です。ページを右方向(左から右)へ順番にめくって開くので、 右開き とも呼ばれます。基本的には 縦書きの冊子に使用されます。
(例|国語の教科書)
天綴じ(上綴じ)
下から上にページをめくっていくものが 天綴じ / 上綴じ です。
カレンダーや提案資料などに使用されます。
見積もり項目
印刷会社に見積もり依頼をする際には、下記の情報が必要です。
わからない部分や提案が欲しい場合は、進行する印刷会社に問い合わせをしてください。
規格サイズ 例:A4サイズ / B5サイズ / 235×210mm / 縦本 or 横本 etc
制作部数 例:○部
製本仕様 例:中綴じ / 無線綴じ / あじろ綴じ / 上製本 etc
総ページ数 例:表紙込み20P / 表紙4P・本文16P etc
色数 例:フルカラー / 表紙のみカラー+本文モノクロ or 特色 /
○ページ〜○ページはカラー / 他はモノクロ etc用紙と斤量 例:□□紙○kg(共紙)or
表紙□□紙○kg+本文□□紙○kg+扉□□紙○kg
+カバー□□紙○kg etcオプション 例:見開きスジ / 見返し / 扉 / カバー / 帯 / スピン etc
最後に。
今回は製本の基本知識についてお話ししました。進行する案件に適している製本の仕様に関しては、弊社担当営業もご提案できます。ご不明な点はお気軽にご相談ください。
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