メルマガ『東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─』第203号 ─「よもぎ」のテーマ読み ─ 33「鍼灸法」(雜病篇・寒(下)・鍼灸法)
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◇ 東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─ ◆
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第203号
○ 新企画 ─「よもぎ」のテーマ読み ─ 33
「鍼灸法」(雜病篇・寒(下)・鍼灸法)
◆ 原文
◆ 断句
◆ 読み下し
◆ 現代語訳
◆ 解説
◆ 編集後記
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こんにちは。前号に引き続き「寒」の「鍼灸法」灸部分の続きです。
◆原文◆(原本の文字組みのままを再現・ただし原本は縦組み
・ページ数は底本の影印本のページ数)
(「鍼灸法」 p409 上段・雜病篇・寒(下)・鍼灸法)
鍼灸法
傷寒陰證腹痛灸足小指外側
上紋尖灸三壯男左女右回春
▼断句▼(原文に句読点を挿入、改行は任意)
傷寒陰證腹痛、灸足小指外側上紋尖、灸三壯、男左女右。『回春』
●語法・語(字)釈●(主要な、または難解な語(字)句の用法・意味)
特になし
▲訓読▲(読み下し)
傷寒陰證腹痛(しょうかんいんしょうふくつう)、
足(あし)小指(しょうし)の外側(がいそく)
上紋(じょうもん)の尖(せん)に灸(きゅう)する。
三壯(さんそう)を灸(きゅう)する、男左女右(だんさじょう)。
『回春(かいしゅん)』
■現代語訳■
傷寒陰証の腹痛には、足の小指外側の上紋の尖端に3壮を灸する。
男性は左に、女性は右に据える。『回春』
★ 解説★
前号から「寒」章の鍼灸法でよもぎ登場としての灸部分を読みましたが、引き続き同じ部分からです。前号はひとつめの項目でしたが、こちらは少し飛んで10個目の項目になっています。
書誌的に細かい読みどころがたくさんあるのですが、今回は原文から訳だけをお届けします。ご興味おありの方は、日本発行の訂正や引用元の万病回春などとの異同を比べてみてくださればと思います。
最後のところだけ、「男左女右」というのは現在でも日常でも、また医学でも気功の分野などではよく使われる言葉で、男性は左、女性は右ということです。これは陰陽理論では男性は陽、女性は陰で、左が陽で右が陰なので、男性が陽、女性が陰、と位置付けるものです。
反対に考えたら、この方が気の流れなどで収まりがよいため、そこから帰納的にこのように分類されたとも考えられます。
これもおもしろいテーマですが、詳細にわたることは避け、読者さまのご考察にお任せしたいと思います。
前号の1項目目と今号の10項目目の間の8つは経穴と鍼の記載で、現在は灸が登場する部分だけを読んでいますので飛ばしますが、傷寒への鍼の用法として貴重な記載ですので、これもご興味おありの方はご自身でお読みくださればと思います。
なお前号でも書いたように先行訳ではこの鍼灸法の記載はまるまるカットされていますので、先行訳をお持ちの方でも、原文に挑戦する価値はあるものと思います。
◆ 編集後記
さらにお灸の登場部分、「寒」から今号も文章一つでお届けしました。短いながら読みどころの多数ある記述です。
部位はどこを指しているのか、また上記のように男左女右理論と実際の有効性の真偽など、いろいろ考察ポイントがあるように思います。
(2017.02.04.第203号)
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