メルマガ『東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─』第202号 ─「よもぎ」のテーマ読み ─ 32「鍼灸法」(雜病篇・寒(下)・鍼灸法)

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 ◇ 東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─ ◆


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  第202号

    ○  新企画 ─「よもぎ」のテーマ読み ─ 32
       「鍼灸法」(雜病篇・寒(下)・鍼灸法)

        ◆ 原文
      ◆ 断句
      ◆ 読み下し
      ◆ 現代語訳
      ◆ 解説 
      ◆ 編集後記

           

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 こんにちは。虚労の鍼灸法のよもぎ登場部分を読みましたので、今回から
 「寒」の「鍼灸法」を読むことにしました。


 ◆原文◆(原本の文字組みのままを再現・ただし原本は縦組み
      ・ページ数は底本の影印本のページ数)


 (「鍼灸法」 p408 下段・雜病篇・寒(下)・鍼灸法)

  鍼灸法

     傷寒初得一二日頭痛寒熱宜灸巨闕上〓中(〓月完)
     〓各五十壯得效(〓月完)


 ▼断句▼(原文に句読点を挿入、改行は任意)


  傷寒初得一二日、頭痛寒熱、宜灸巨闕上〓(月完)中
     〓(月完)各五十壯。『得效』


 ●語法・語(字)釈●(主要な、または難解な語(字)句の用法・意味)


  特になし


 ▲訓読▲(読み下し)


  傷寒(しょうかん)初(はじめ)て得(え)て

  一二日(いちににち)、頭痛(ずつう)寒熱(かんねつ)、

  宜(よろし)く巨闕(こけつ)上〓(月完)(じょうかん)

  中〓(月完)(ちゅうかん)各五十壯(かくごじゅっそう)を

  灸(きゅう)すべし。『得效(とくこう)』

 ■現代語訳■


  傷寒を初めて得てから一・二日で、

  頭痛、寒熱がある者には、

  巨闕、上〓(月完)、中〓(月完)に

  各五十壮の灸をするとよい。『得效』


 ★ 解説★

 前号で「虚労」の鍼灸法の灸部分を読み終わりましたので、今号からまた灸としてのよもぎ登場部分として「鍼灸法」の読解、「寒」を読みます。

 「寒」の章は上下にわかれていますが、鍼灸法は下の最後にひとまとめにして記載されています。

 「傷寒」という言葉が出てきて、これは「傷寒論」という特に日本の漢方では聖典のように崇められる書があり、この分野の言葉としては有名なものでしょう。
 
 この「寒」の章も上下2章に分かれて記述の量も多いように、全体の中でこの「寒」「傷寒」などの概念また症状が重視されていることがわかります。

 では傷寒とは何かについては、東医宝鑑のこの章で詳細に語ってくれてい、また上記に登場する経穴についても、例の如く鍼灸の章で個別に解説があり、そちらを参照するようになっているので、ここでは触れないでおきたいと思います。

 そしてここでは通常は生薬の組み合わせである方剤、いわゆる漢方薬、漢方処方で治療されるものが、経穴、お灸で治す方法が説かれていることになります。

 
 先行訳はこの章でも「鍼灸法」をまるまる省略しており、この号の部分も短いながらもこうして原文と訳を記録しておく意味があるものと思います。


 ◆ 編集後記

 さらにお灸の登場部分、「寒」から読むことにしました。今号も文章一つでお届けしました。解説でも触れたように、傷寒の経穴での治療として、また先行訳にない情報として、短くとも配信する意義があるものと思います。

 長く書こうとして時間が押してしまい配信できないよりは、こうして短くても毎週配信できる方をしばらく採用したいと考えています。

                     (2017.01.28.第202号)
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