最低限その2:一般相対論/Einstein方程式

前回,最小作用の原理の形で重力の理論を作った.物質のない時,作用"S"は

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となる.時空の曲がり"R"の与える影響が最小になるように実際の時空(を表す計量"g_μν")が決まるというものだ.謎の定数Λは宇宙項というのだが,また今度話そう.この作用が最小になる"g_μν"を見つければ良いのだが,実際に時空の積分を実行するのは非常に大変だ.なので今回は運動方程式を紹介しようと思う.


時空全体を一気に決める最小作用の原理から,時空の各点の情報から決めていく運動方程式を(雰囲気で)導いてみよう.真面目にやると禿げ上がるほど計算が煩雑なのだが,ここではやらない.

運動方程式は計量"g_μν"を決めるものになる.決めなければならないのは,時間と空間の四次元で10自由度(4×4=16からμνの入れ替えで変わらない)ある.

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対角の四つと右上の三角形の六つの自由度がある.左下の三角形は自動的に決まる.

作用が最小になる時,計量"g_μν"をちょびっと変化"g_μν+δg_μν"した時,作用のちょびっと変化"δS=0"になればいい.

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δSは積分測度"√g"の部分と曲率"R"のちょびっと変化になる.この二つのちょびっと変化を計算していく.本当は頑張って上の式から計算していく.ただ,非常に煩雑なので真面目に頑張るのは本当に一般相対論を学ぶ時に取っておいて,今日は答えだけを書く.

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最後の行が運動方程式というものだ.曲率"R","R_μν"は計量"g_μν"とその微分で作れるので,死ぬほど頑張って計算すれば運動方程式が計量"g_μν"についての微分方程式になる.

次回,ブラックホールの話をしよう.





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