見出し画像

忘れていたお話「ぐるんぱのようちえん」

いつ頃からなのかは分かりませんが、都営浅草線の車両に絵本のイラストが描かれていることが有るようになりました。今日乗った車両に居たのはめちゃくちゃ大きなゾウさん。タイトルすら忘れていましたが、小さい頃に好きなお話であったことは覚えています。そうそう、「ぐるんぱのようちえん」でしたね。思わず電車の中をきょろきょろ探し回ってしまいました。
たしか、ゾウのぐるんぱが自分の出来ることを探すのですが、何をしても物が大きくなりすぎて仕事を転々として、最後に幼稚園で今まで作ったものを子供たちに振る舞って喜ばれる、みたいな話だったと思います。ぐるんぱが仕事をクビになるたびに悲しそうな描写が入るのが、子供心に悲しい気持ちになったものです。しかも彼は決して仕事を疎かにするわけでも、ひどい仕事をする訳でもない、一生懸命仕事をした結果スケールが大きくなってしまうだけというのが余計に辛いのです。彼の作る物は皆すごく素敵なのに、社会に合わないが故に上手く行かない。今思えば、社会というのはそんな絶妙に噛み合わないことはいっぱいあります。あの頃は何となく悲しかったことだけを感じていたものが、時限爆弾のように輪郭をハッキリさせて襲いかかってきたような気がしました。絵本は最終的にはハッピーエンドでしたが、現実は中々そういうわけにも行きませんしね。何だか妙な気持ちにさせられるものです。せめて、絵本のように少しでも上手く行けばいいのですが。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?