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思い出の物件たち「中古戸建て編」:家の購入記15

今、検討していた物件の資料を処分しようとしていたら、その時に感じたことがワラワラと湧き出てきた。
なんと、もう結構、忘れている。
だから、ここに思い出の残った物件たちを書き残しておきたい。

書いていたら、長くなってしまったので、マンションや新築は別に書きたい。


物件1:おしゃれな中古一戸建て:築10年くらい

ちょっと駅からは離れるけど、ものすごくオシャレな一戸建て。
あまり真剣に住宅の購入をしていなかった時期から目をつけていて、住所も分からないので、GoogleMapで苦労して物件を特定し、ドライブで見に行ったりしていた。

幹線道路から物件に到るまでの道路が狭い上に起伏が大きく、まあ、車がすれ違える程度なのだけど、「うわあ〜、ここは嫌だな」と妻と話していたのを覚えている。
しかも、幹線道路に出る時に苦労しそうだし、幹線道路から入るときにも「誰もそこで曲がるとは思わない」ところで曲がるので、追突されそうな怖さがある。

ただ、物件はすごくオシャレ。こういう家に住みたいと思うような家だった。
まだ、本気じゃないこともあり、情報収集も買うまでの知識に到っていないと思っていたので、そのまま静観。

すると2ヶ月くらい経って値下げされているのを発見。
まだ不十分な知識量かもしれないが、「値下げ」=「弱気になっている」と考え、「一応、資料くらいお願いしてみるか・・・」と不動産会社に電話してみる。

「資料といっても、まあ載っているのがすべてなのですが・・・、どうしますか?」
「ああ、そうなんですか・・・。じゃあ、中を拝見させてもらおうかな?」と自分もびっくりの勢いで内見を申し込んでしまう。

思えば、これが物件購入にいたる最初のスタートであり、ここから一気に猛ダッシュすることになった。
本当はもう数年待っても良かったのに、結果的にはそこから3ヶ月後には引っ越しているのだから、分からないものだ・・・。

今から思うと

さて、中を見たら、素敵なだけでなく、以下のような僕らが戸建てで「いやだなあ」と思っていたことが全部解決されている。

  • 駐車場が停めやすいし、出やすい

  • ゴミ捨て場が近い

  • 郵便がなんと家の中から取れる・・・戸建ては、なんで外に設置して、雨に濡れる外まで取りに行かないといけないのかとずっと思っていた。

  • いわゆる「普通の家」じゃない。・・・これは必須じゃないけど、「家っぽい家」を買うのはちょっとイヤかもと思っていたので。家っていうか、高級モダン旅館という感じ。

ということで内見が終わり、「ちょっと駅まで歩いてみます」と不動産会社を退出する。

駅まで歩きながら、妻と話し、
「良くない?」
「いいよね」
「多分、値下げしてすぐだし、あそことあそこが壊れているし、早く売りたいと思っていると思うから、◯円くらいはイケると思うんだよね。よし、言ってみよう」
と、その足で不動産会社まで戻り、「こことここがあるので、これくらい引いてほしい、つまり、◯円で買いたいのだけど、どう思われますか?」と聞いてみる。

実は内見の会話の最中に、この担当者が「まあ、◯円くらいが落とし所だと思うんですけどね・・・」とボソッと呟いたのを僕は聞き逃さなかった。
そして、上の金額はその金額で、しかも理由をつけて納得しやすくしている。どうだろう?

すると、
「うーん、聞いてみましょう。厳しいかもしれませんが・・・。この金額なら買うんですね?」
「はい、お願いします。(俺はさっき、あなたがこの金額だと呟いたのを覚えているのに、演技しているな、こいつめ・・・)」
と交渉に入ることになった。

なんと最初の内見で、いきなり買い付けを入れてしまうという暴挙に出てしまった。テンションとは恐ろしい。こういうのを「マイホームハイ」というらしいけど、まさにそう。
だけど、ここが決まっていても、きっと満足して住んだと思う。
知り合いに見せると、「おお、投資くんっぽいですね」と言われたし、会社にしても全く違和感がないし、理想だったと思う。
それだけ素敵な物件だった。

当時を振り返って

とはいえ、自宅に戻ってきてから、「うわー、やっちまったかな」とちょっと震えた。
だって、帰ってきた自分の賃貸マンションの方が開放感があったから。
「なんかうちの方が広くない?」と妻と話したりして、その結果、この物件をこの金額ならOK、失敗したとしても納得できる、と心を決めた。

そう言い聞かせていると、なんとその日の夕方には担当者から連絡が来た。
すごい。優秀。

結局、「ローン残債が残るのが嫌だ」+「値下げしたばかりで値下げはイヤ」という理由で僕の指値は通らなかった。

その後、値下げ前の金額で買うかどうか迷ったけど、帰ってきて冷静になって、「この金額ならいい」という感じだったので、そのまま、「分かりました。仕方ないですねー」と話を終わらせることにした。

しかし、この物件には後日談があって、どうも売り主は「あの人、どうなりましたか?」と僕らが値下げなしで買うことに希望を持っていたらしく、結局、「じゃあ、少しだけ下げるので」と僕らだけに特別価格を提示してくれた。

さらに担当者も「私も売主さんに、これはチャンスですよ。妥当な金額だと思いますよ」と言ったんですよ、と言っていたということも聞いた。

だけど、その頃、僕は、さらに知識を身に着けてしまっていた。
それまでは資産価格+傾きや雨漏りなどの重大チェック項目だけという観点だけだったのが、物件の素材や造りやリフォーム相場なども少し分かるようになっていた。

だから「もう一度、内見をさせてください」といい、もう一度、物件を見てみると、様々なところに劣化があることを見つけてしまった。
外壁塗装ももうすぐだし、吹き抜け部分にヒビがあるし、コンクリートのつなぎ目に大きめのクラックが入っているなど、様々なところが目につき、色々聞かなくてはいけないことも増えてしまった。

担当者があまりリフォームや瑕疵に詳しくないこともあり、屋根の素材などを聞いたり、10年点検はしていたのか?等、売り主さんにも動いてもらっていた。

このくらいは事前に調査しておいて資料として持っておいて欲しいと痛感していたのだけど、売り主さん仲介さんどちらにも動いてもらえば、それはそれで申し訳なく感じる。

契約時か引き渡し時に売り主さんとも顔を合わせる訳だし、言うたびに、だんだん気まずくなるだろう。

だから、これ以上は突っ込まず、この物件はこれ以上引っ張らず「今回で終わりにしよう」と思っていた。

それらを鑑みて、改めて、懸念点を伝えると、さらに若干の値引きを提示してくれた。
だけど、住むまでのリフォーム費用をプラスすると、ちょっと割高に感じたので、
「ちょっとこの金額では買えないかな。」
「じゃあ、前の指値ではどうですか?」
「うーん、今はその指値でも買わないです」
とお断りすることになった。

物件だけではない、駅から遠いことや、その駅までの道にあまり何もなく、つまらないことも重要な要素になった。
実際に歩いてみると、「これはちょっと歩けないな」という感じだし、何も気を散らすところがないので、ただ無言で歩くために歩くという感じになる。

さらに最初の印象「この道は嫌だな」という印象はやっぱり正しい。
この道を毎日通るのか・・・と想像すると、ちょっとストレスだった。
(担当者には「これが狭いというなら、戸建ては買えない」と怒られたけど)

閑静な住宅街だったけど、静かすぎるし、しかも、そのエリアの端っこだった。
公道でインフラもOK、ゴミや町内会も良かった、ハザードマップもバッチリだったけど、そして、何より、建物が素敵だったけど、立地は動かせない。

値下げをする、しばらくしてから、我々にまた交渉するということは、「売れない」ということだ。

ならば、僕らが買ったら、今度は逆の立場になる。

この物件だけは今でも惜しい。
本当に素敵な物件。だけど、今でも売れていない。

物件2:駅近ペンシルハウスの中古戸建て:築15年

やっぱり駅近の資産価値は高い。
駅近というと、5分以内(駅から見える)と仲介担当に教えてもらったけど、この戸建てはそれよりは若干遠い7分とか8分。
戸建てなら充分希少だろう。

2階建てなんだけど、屋上(ルーフバルコニー)もついている。
敷地面積が狭いから、ペンシルハウスっぽい中古戸建て。
2階リビング。

物件1で火がついた我々は連日のように内見申込みを入れていて、
ここが2件目。

公道などの条件は全部クリア。
今回は、売主さんがメンテナンスを完璧にする人だったので、建物に関しては全く心配がない。

僕らの生活エリアだったので、生活を大きく変える必要もない。
ジムも歯医者も業者もそのままでOKだ。

ただ、ちょっと価格が高い。
そもそも仲介している会社ががめつそう、というか、しっかりしている感じで、値付けも高いし、何やら、儲けるぞ感をすごく感じる。
ここだけものすごくしっかりした資料を作ってくれたけど、「設備の契約不適合責任免責」とかがついていて、売り主側だなぁと思わせる。

一応、「設備の契約不適合責任免責をつけている理由はなんですか?」と聞くと、「一応というだけで、まあ、設備の場合、3週間だけですから、つけてもつけなくても一緒ですよ」と言われたが、「一緒なら、つけりゃいいんじゃないの?」という言葉はぐっと飲み込んだ。

ただ、この物件、「専属専任媒介」ということで、この業者さんだけしか扱っていないので、もう仕方がない。内見に向かうことにした。

今回、売り主さんがまだ居住中ということで、どうなんだろう?と思っていた。ただ、緊張しているのは向こうも一緒。
そう思って内見をしたのだけど、やっぱり、居住中物件は、

  • 隅々までは見づらい・・・本来なら見るべきだけど、現実問題、そこまで図々しくはなれなかった。買えるかどうか?は売り主さんの心象にもよるでしょうし。家具もあるから、その裏なんかは見えない。限界はある。

  • 色々聞けて助かる・・・町内会の仕組みや雰囲気やゴミ捨て場、その他のことまで、色々聞ける。実際に地震のときにどうだったのか?等も聞けるし、どこが自慢なのか?どうやって暮らすと便利なのか?両隣がどんな人なのか?なども教えてくれたりし、いいところもたくさんあった。

今から思うと、この売り主さん、いい意味で「売る気があった」売主さんだったと思う。

僕は近所だったし、前を車で通ることも多かったから分かるのだけど、内見時には、窓を開けて換気をし、外周りもキレイにしていることが分かったし、内見時の説明も営業マンのようだった。

この物件は駐車場が狭いのが難点だったけど、内見のときには車を出庫させて空にしておくなど、難点に見えないようにしていた・・・のは、なかなか策士。

2階リビングということがネックかと思ったのだけど、1階を仕事場にすれば生活感が出ないのではないか?と考え、意外といいのでは?と思っていた。

だけど、2階リビングにしなくて本当に良かったと今は思う。
もう何もかもが割高になる。引っ越しも家電や家具の購入、エアコンの設置も。
だいたい、リビングに大型家具を置くことが多いから、自分で運べないのは不便。全部バラして運ぶのか・・・とか。
スーパーの買い物の品もつらい。重さよりも運びづらさ。戸建ての階段、意外とせまいからね。

今から思うと

やはり駅近は素晴らしい。
資産価値が落ちなそうだし、少し歩けば色々な店がある。

だけど、その駅が微妙。
まあ、自分の最寄り駅でもあるのだけど、不人気な駅だから賃貸で安く借りたという面がある。
さらに高齢化・人口減少が進んでいるからか、スーパーは閉店するわ、居酒屋が潰れるわ、おしゃれな店は軒並み安売り食堂に変わるわ・・・で、より寂れた雰囲気になってきた。
居酒屋が何軒か入っていた雑居ビルが、何になるのかと楽しみにしていれば、葬儀屋になったのには、愕然とした。

徒歩7分とはいうものの、細い道で起伏が大きいので、また、自転車がたくさん通るし、車は通るし、歩行者は通るし・・・で、とにかく歩きづらい。

また、境界標が一部無い・・・ということも分かった。
買うまでには復元するそうだ・・・、本当か?
トラブらず、できるのだろうか。

だが、いい。
僕のくせで、また買い付けを入れたくなってしまったが、大人になったというか、以下のことがあり、その場は「夕方には何らかのご連絡をします」と告げ、退出した。

実は、内見の真っ最中に、物件1の担当者から電話がかかってきたのだった。
上で述べた「特別に値下げしたので」という打診の話だ。

内見中で他社の担当者もいるし、売り主さんもいるし・・・で、僕はできるだけ彼らから離れようとした。
ちょうどルーフバルコニーのところだったので、ルーフバルコニーをガンガン進み、歩き回る。
みんな苦笑いをし、妻が何事か叫んでいるが、僕は「今、電話しているから、静かにして」というジェスチャーをするだけだった。

電話が終わると、妻が「スリッパ!」と言っているのが分かった。
僕は仲介さんが用意したフカフカのスリッパを、雨に濡れたルーフバルコニーを歩き回り、ドロドロにしてしまうという粗相をしてしまっていた。

まあ、平謝りをしたわけだけど、この電話のときに、「じゃあ、もう一度、物件1を見せてください」と約束をしていた。
物件1を物件2の印象が残ったまま見たいと思ったためだ。

そして、物件1にたどり着いた時、自宅マンションの方が開放感があると感じていた物件1の開放感がすごかった。
「あれっ、こんなに広かったっけ」「こんなに天井が高かったっけ」
やはり、ペンシルハウスは圧迫感がすごかったのだ。
これ、あまり現地では気づかない。

その後、購入について妻と話し合った。
妻は、このペンシルハウスについて、

  • とにかく圧迫感が嫌だ・・・体の大きい僕よりも、小さい妻の方が圧迫感を感じているとは・・・。

  • 隣との距離が近い・・・物件1はいついっても人に会わなかった。この物件は一回でもう会ってしまった。売主さんに聞いてもご近所づきあいが濃密っぽい。

  • 一軒の隣の人が怖そう・・・別に普通の人なんだけど、目撃した瞬間に「きゃー」という感覚になったらしい。一目で合わない人っているよね。

ということから妻は嫌だとのことだった。

物件2ではなく、物件1の担当者に物件2をぶつけてみた。

  • 都心で買うような物件で、郊外で買うような物件じゃない

  • それに高すぎ

  • 敷地が狭いから、出口で、土地だけで売れないですよ

  • 駐車場が狭すぎ

なるほど、バイアスは掛かっているとはいえ、さすがの意見。

さらに僕は検討を進めたが、実はちょっとそこよりは駅から遠くなるけど、新築の物件でほぼ同じ金額のものがあるのに気づいてしまった。

いくら完璧に手入れをしていても、15年は大きい。
15年前、何歳か?その間、何があったか?と考えると、同じ価格なら新築の方がいいだろうと思う。

これが僕が新築に目を向けたきっかけになる。
さらに物件1の担当者も「ここらへんで新築が出て値段が近くなったので、この物件を値下げしたんですよ」と言っていたのを思い出す。
この2つを知って、新築も探し始めた

今から思うと

それと、お隣さんが近いのと出口と駐車場が隣と同じ位置なので、本当に一緒に暮らしている感じになるのと、逆のお隣さんの政治色がちょっと強そうなことも気になった。
さらにお隣のお隣さんは宗教色が強そうだった。

ということで、物件2の担当者が「どうですか?」と聞いてきた時、

  1. うーん、具体的に考えていたのですけど、新築で同じくらいの物件がありますよね?(値下げどうかな?売り出したばかりだから無理かな)

  2. 分かりました。

ということで、やはり値下げはできそうになかった。
その後、その担当者から「買いそうな人が出てきましたけど、どうしますか?」という連絡があったけど、断った。

この物件はその後、1ヶ月くらいで売れたようだった。
やはり、売る気のある売り主さんの物件は売れるようだ。

居住中の物件は売主さんも大変そうだった。
最初の一組、二組(僕らは二組目)くらいなら、いざしらず、その後、何組かやっていると、疲れ果てるのではないかと思った。
対応もなおざりになり、そうすると売れにくくなってしまうという悪循環にもつながる。
でも、居住中でない場合は、他に住むことになるから住居費が2重に掛かっちゃうし、難しい。

今から思うと

物件3:築20年の中古住宅:リフォーム済み

周りが栄えているし、とにかくエリアがいい。
家の裏側がコンビニで、大通りから一歩入った生活道路に面していて、駐車場も停めやすい。

条件はすべてクリア。
築古だけど、写真を見る限り、室内はすごくキレイだった。
築20年はちょっと想定よりも築古だけど、エリアや土地面積の割に値段も安かったのと、他の条件がピカイチだったので、イケるかもしれないと思い、内見に。

ここはなんで印象に残っているか?というと、「ジメジメしている」ということが体感で分かったから。

土地条件図などで調べても、水辺を埋め立てした土地じゃないし、だからこそ、見に行ったのだけど、実際に行ってみると、「なーんか、ジメッとしているな」と感じる。

この第一印象は最後の方は特に大事にしていた。
僕の賃貸マンションの周りは、パーッと明るく、カラッとしている印象。
物件1は、なんかちょっと暗いけど、カラッとはしている印象。
物件2は明るく、カラッとしている印象。
この物件3は、どんなに天気が良くても、物件1よりもさらにやや暗く、ジメッとしている印象だった。

よく分からないけど、第一印象は大事。
木造に湿気は大敵。ジメッとしたところは避けた方がいい。
あとで調べると暗渠があったりして、ああ、第一印象は正しいんだと思った。

さて、この頃になると、もう歩く速度で一周するだけで、基礎や外壁などをパッと見ることができるようになっていた。
築年数を考えると、やたらしっかりしていて、クラックなんかもないし、かなりいいんじゃないの?と思ったら、持ち主さん=売り主が業者さんだということだった。

売り主さんが業者さんだと契約不適合責任が2年に延びる。
これは安心。

今まで見た中で一番の築古。
正直、ちょっと中に入るのは怖かった。
けれど、中に入ると、全然、そんなことは無かった。

中に入っても、やっぱり、プロの業者はすごい。
壁紙は張り替えられているし、キッチンもキレイ、トイレもキレイ。
ただ、お風呂もキレイだけど、在来浴室だった・・・。
これお風呂もやっていれば、買ったかもしれないのに。

全体的に、すごくキレイで、そのまま住めそうなんだけど、やっぱり、お風呂以外にも、古さを感じる。
「何が?」と言われると分からないんだけど、造りであったり、間取りであったり、雰囲気であったり・・・。
分からないけど、「夜、何かでそう」という感じ。
実際はしないけど、前の持ち主のにおいを感じるというか、やっぱり築20年になると、「厳しいかな・・・」という、微妙なラインになるなと思った。

とはいえ、賃貸なら、「まあ、ここでいいです」とOKしてそう。
でも、買うとなると、ダメまでいかないけど、テンションは下がる。
「住むのにお金を使うなんて勿体ない。」と言い続けながら住みそうな感じ。

この物件、後ろがアパートになっていた。
だから、そのアパートの2階や3階から、屋根や外壁をよく見ることができた。
やっぱり、かなり劣化している。
屋根が色褪せていたり、苔が生えていたり、外壁に釘がないところがあったりしていた。
メンテナンス履歴を見ると、ちゃんとやっているのに、本当にやったのか?
それとも、もう劣化したのか・・・とゲンナリした。

ただ、この仲介担当さん、かなりリフォームの知識があって、
「外壁やっているのに、やらなくちゃいけないですね。」→「これだと80万くらいで出来ますよ」
「和室か・・・、洋室にするとどのくらいですか?」→「60万くらいですかね」
などと、すぐに金額とともに概算を出してくれる。

「ここまで答えてくださる方は初めてです。助かります。」というと、「えっ、それは他の方が勉強不足なんじゃないですか」と頼もしいお言葉。

さらに、「自社でリフォームもしているので、さきほどのは概算ですけれども、近い金額ではできると思いますよ」と言う。

素晴らしい。
はじめて、こんな優秀な人に出会ったので、他の物件を見つけても、この人に案内してもらおうと決意したのを覚えている。

実際は僕の勘違いから、結局はこの方にお願いすることはなかった。
その勘違いというのは、「新築は売り主が売ると思っていた」こと。
新築も建売は仲介が必要なんて、全く知らなかった

今から思うと

さらに、この後ろのアパート。今にも崩れ落ちそうに古い。
これほど古いアパートを見たことがないほど古い。
そして、そのアパートの塀の真ん中に境界がある・・・ということは、共有しているのか?
どうも共有っぽいですね、と担当者と話し合う。

そして、なぜか、ある一画から便臭がする。
猫なのか、隣家なのか・・・。

ということで、お断りすることにした。

その他の物件

以上3つが思い出に残っている中古物件。

内見までたどりつく物件というのは希少だった。
最初、Webで物件情報を見ただけで7割か8割は落ちてしまう。
さらに、現地を見に行くと、そこで半分以上、また落ちてしまう。
見に行った物件は数しれず、そこで弾かれなかった物件だけが、内見となり、そこから、さらに絞られることになる。

だから、内見までした物件は、今、どうしているのかな?と考える。

他にも、角地の太陽光発電なのにお安めの築15年、隣の家の赤い車の印象しか残らないこだわりの注文住宅、オシャレな形の築15年の青色の家などもあったけど、ここでは割愛したい。

そうそうこの青色の物件、物件1といっしょに見つけた物件なのだけど、頑なに値下げをしない。
Web内見みたいなことが出来たのだけど、とてもキレイ。
だけど、現地で見ると、隣家の駐車場を共有しているような形。
さらに、隣の車が大きくて、「これ、自分の車、停められないでしょ?」という圧迫感があった。
ご近所トラブルの予兆がすごい。結局、少し前に見たら、ちょっと値下げしていた。

そういえば、まだ探し始めたとき、物件1をはじめて見つけたのと同じ時期くらいに「告知事項あり」の物件も見つけた。
この物件、駅から2分で三階建て。
現地を見に行くと、もう駅に隣接しているような戸建てで、「これは最高なんじゃないの?」と思った。
けれど、まだ、それが本当にお買い得かも分からない知識量だった僕は一歩踏み出せなかった。
「まさか、お買い得物件がはじめて物件を探すような自分で見つけられる訳がない。おそらく、その他にも、お買い得じゃない理由が何かあるんだ」という疑いを持ちつつ、
「これさ、どう思う?」「でも、人が多分死んでいるんだよ?」「それでもこれ、お買い得なんじゃないの?」と妻と話しているうちに、次に見たら、無くなっていた。
しばらくしてから見に行くと、外壁工事をしていた。速攻売れてしまったのだろう。

同じ時期に、またもや、もっといい駅から徒歩10分以内のアトリエ付きの物件を見つけた。
これも「おっ、マジで?いいんじゃないの?」と思っていたら、1週間後には無くなっていた。

やはり、準備が出来ていないとチャンスはつかめない、そう痛感した最初の一歩だった。

まさか、そこから4ヶ月で物件を買うことになるとは思わなかったが、もっっと早く準備ができていれば、あの物件買ったのかな?なんて想像したりすると楽しい。





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