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著しい経済成長&人口も中国超え、インド株に分散投資できる投資信託3選

高い経済成長率を維持し続けてきたインド。年度によって7~8%台の成長率を記録した年もあり、2023年度も5~6%と高い成長率を維持するとみられています。そして今年中には人口で中国を超え、世界トップになる見込みです。平均年齢も中国より10歳程度若く、経済成長のポテンシャルを有しています。インド発のユニコーン企業(時価総額が10億ドル以上の非上場企業)も増えており、今後のさらなる成長が期待される国です。そんなインドに投資できる投資信託について注目したいと思います。

高い成長率と人口ボーナス

2000年代初めに10%を超えるGDP成長率を記録した中国ですが、近年では失速し始めています。2023年こそ5%台の成長率を有する見込みですが、既に人口は減少し始めており、高齢化が成長の重みになるとみられています。対するインドは人口が増加し続けており、平均年齢も28歳と中国(38歳)と比較して若く、労働・消費の両面で十分なポテンシャルを有しています。今後10年間で人口が1億人増え、世界の民間消費に占めるインドの割合が3%から10%へと伸びる見込みです。
 
産業面に注目すると、同国のGDPの7%を占める自動車産業の規模は2022年度の2,220億ドルから2026年には3,000億ドルになると予想されています。自動車による大気汚染を問題視する政府は景気刺激策としてもEV普及に力を入れており、インドの自動車大手タタ・モーターズも自社製のEVを発売しています。また、ITエンジニア数で米国・中国に次ぎ3位をほこるインドからは、数々のユニコーン企業が現れています。インドは今後、製造業および先端産業の両方で成長が期待できるといってよいでしょう。

残念ながら、外国人はインド株を直接購入できない

投資家としてはインド株が気になるところですが、残念ながらインド政府は外国からの直接投資を規制しているため、私たち日本人が直接インドの個別銘柄を購入することはできません。株だけでなく小売業や不動産業でも規制が敷かれており、外資からの投資には厳しい国です。こうした規制は国内の安価な企業、資源が先進国に買い占められるのを防ぐために設定されており、インドだけでなく他の新興国でもみられます。しかし、間接的な方法をとれば外国人がインド株に投資することは可能になります。その一つが投資信託です。現地の株式指数に連動する商品や、高成長が期待できる中型株で構成された商品などがあり、間接的とはいえ数多くの選択肢から商品を選ぶことが可能です。次項からはインド関連の投資信託について見ていきたいと思います。

インド関連の投資信託①、手数料が低い「iFreeNEXT インド株インデックス」

投資信託を管理・運用してもらうための経費として、投資家が商品を保有している間に支払い続ける費用を信託報酬といいます。新興国関連の場合、一定のリスクがあるため信託報酬が高くなりがちですが、インド関連商品の中で比較的に信託報酬が低いのが「iFreeNEXT インド株インデックス」です。信託報酬は0.78%となっています。インドの主要な証券取引所といえば「ボンベイ証券取引所」と「インド国立証券取引所」ですが、この商品は後者の株式指数である「Nifty50」との連動を目指して運用されています。ボンベイ証券取引所の場合は「S&P BSE SENSEX」という指数になりますが、Nifty50と同じような値動きをとるため、いずれもインド市場を代表する株式指数として捉えられています。つまり、iFreeNEXT インド株インデックスを購入することによってインド市場全体に分散投資していると言えるでしょう。
 
信託報酬は保有している間、年率で払い続けなければならないため、できるだけ抑えておきたいところです。「iFreeNEXT インド株インデックス」はインド投資デビューの一手として良いかもしれません。

インド関連の投資信託②、レバレッジをかけるなら「NZAM・レバレッジ インド株式2倍ブル」

「NZAM・レバレッジ インド株式2倍ブル」とはその名の通りインド株投資に2倍のレバレッジをかけた商品です。農林中金全共連アセットマネジメントが運用会社ですが、SBI証券や楽天証券などの大手ネット証券で購入することができます。この商品はNifty50指数先物(米ドル建て)の2倍程度の投資成果を目指して運用されており、インド市場が上昇すれば約2倍の利益を期待することができます。インド経済の今後に期待し、かつ早めに利益をあげたい方には向いている商品です。
 
近年のインド市場の動きを見てみるとNifty50はコロナ感染拡大以降、横ばいに推移していますが、2010年は5,000台を推移しているのに対し、2023年4月現在では17,000台と3倍以上となっています。今後、インド経済の成長に伴い、Nifty50もさらに上昇するかもしれません。そうなると「NZAM・レバレッジ インド株式2倍ブル」の値動きにも期待です。ただしレバレッジが2倍である分、下落時には損失が大きくなってしまうため注意が必要です。

インド関連の投資信託③、中型株が気になる人向けの「高成長インド・中型株式ファンド」

先ほどあげた2つの投資信託はいずれもNifty50との連動を目指した商品であり、いわばインドの大型企業に投資していると例えられます。大企業は既に成長しつくした感がある、一方で小規模な企業はベンチャー的でありリスクがある、といった意見が聞かれます。リスクを抑えつつ成長企業を狙いたいという方は中規模の企業をターゲットにすると良いかもしれません。「高成長インド・中型株式ファンド」はインドにおいて比較的中規模の銘柄を組入れた商品です。
 
構成銘柄には工業用繊維、化学品、包装フィルムなどを生産する化学メーカーの「SRF」、現地で約1,300の支店をもつ銀行の「Federal Bank」、米国企業を買収した実績もあるITの「Persistent Systems」などが含まれています。金融、IT、製造業など幅広い業種に分散投資された印象のある商品です。中型株に投資したいという方は考えてみると良いでしょう。ただし信託報酬は2.05%とさきほど紹介した2商品より高いため、その点は留意しておく必要があります。

まとめ

以上、インド株に関連した3つの投資信託を紹介しました。高成長が期待されるインド企業の個別株を外国人が買うことはできませんが、投資信託を活用することで、実質的にインド株への投資が可能になります。新興国なので地政学リスクや政治上のリスクには留意しなければなりませんが、成長を期待して資産の一部をインド関連商品にしておくのも良いかもしれません。インド関連の商品はまだまだ存在するため、またの機会に取り上げたいと思います。


※免責事項
本記事は特定の金融商品の売買を勧めるものではなく、また、控えるよう促すものでもありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断のもと実施してください。

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