引き続き『ファスト&スロー』の感想。今度は下巻。前回の記事はこちら。
・内部情報に基づくアプローチ…自分たちのプロジェクトの状況だけで判断する
→「見たものがすべて」の状態になっている。
・計画の錯誤…プロジェクトの成り行きを過度に楽観的に見積もる
・楽観主義を克服するためには~死亡前死因分析~…システム1の自信過剰を完全に支配することはできない。しかし、手がないわけではなさそうだ。
この方法は日常の業務でもかなり有効ではないだろうか。多用すると疲れてしまうが、失敗してから嘆くよりもずっとましだ。
・保有効果…手に入れる喜びと手放す苦痛は同じではない
商売の話でいえば、他社に先駆けて商品を顧客に保有してもらうことが重要になりそうだ。そうすれば、同等の他社製品があらわれても、すぐには乗り換えられないということになる。
・分母の無視…私たちは%で表現されるよりも、何人に何人と表現された方が過大にその効果を見積もってしまう。
・最後に人々が「今」感じる苦痛とそれを振り返ったときに感じる苦痛に違いがあることを受けて、どのような政策を実行すべきかについて筆者が述べたことを確認しよう。
ここまで行くと、これは哲学の問題になってくる。結局、多くの学問を背景に皆で唸りながら合意形成をしていくことが大事になるのだろう。